気付いたら重症化「幸せな低酸素血症」に注意
コロナ自宅療養で専門家指摘
(日刊スポーツ)
(Yahooニュースより引用)
新型コロナウイルス感染の爆発的な拡大が続き、東京都では病床が逼迫(ひっぱく)しているため、自宅療養者が16日時点で2万2166人と急増している。容体が急変して死に至るケースも相次いでいる。自宅療養となったらどのようにするべきなのか、専門家に聞いた。
循環器及び感染症専門の愛知医科大・後藤礼司医師は、自宅での療養方法について「できることは風邪をひいた時と同じ。3食食事を取って、よく休んで寝て、脱水症状を起こさないよう水分をとることが重要」と基本の徹底を呼びかけた。
一方で、無症状や軽症だと思い込み、気付いた時には重症化している「ハッピー・ハイポキシア(幸せな低酸素血症)」という病態に警鐘を鳴らした。ハッピー・ハイポキシアとは血中の酸素が不足しているにもかかわらず、息苦しくならず症状を察知しにくくなる状態をいう。
後藤医師は血中酸素飽和度を測るパルスオキシメーターについて「備えとして持っておいた方がいい」と話す。その上で「数値を見れば悪化しているかが分かる。通常な人では98~99%だが90%を切ると命の危険がある」と説明した。「意識、体温、血圧、脈拍数、呼吸数など、多角的な数値を見ることが大切。重症化の始まりを見逃さず、治療薬の投与タイミングを逃さない事が大切」と話した。
厚労省は自宅療養者に「緊急性の高い症状」として「唇が紫色になっている」「胸の痛みがある」などの症状があった場合、看護師などからの定期的な連絡を待たずに、自治体の相談窓口に連絡することを求めている。都は新型コロナ感染者や同居者に向けて「自宅療養者向けハンドブック」をホームページで公表しており「日中の換気」「ごみを密閉して捨てること」などを呼び掛けている。【沢田直人】
<新型コロナ感染の緊急性の高い症状例(厚労省公表)>
▼顔色が明らかに悪い
▼唇が紫色になっている
▼いつもと違う、様子がおかしい
▼息が荒くなった(呼吸数が多くなった)
▼急に息苦しくなった
▼生活をしていて少し動くと息苦しい
▼胸の痛みがある
▼横になれない。座らないと息ができない
▼肩で息をしている
▼突然(2時間以内を目安)ゼーゼーしはじめた
▼ぼんやりしている(反応が弱い)
▼もうろうとしている(返事がない)
▼脈がとぶ、脈のリズムが乱れる感じがする
<東京都自宅療養者向けハンドブック 感染予防ポイント>
▼部屋を分ける
▼感染者の世話をする人を限られた人数にする
▼感染者・世話をする人は互いにマスクをつける
▼小まめに手を洗う
▼日中はできるだけ換気をする
▼手のよく触れる共用部分掃除、消毒をする
▼汚れた衣服は洗濯する
▼ゴミは密閉して捨てる