第3新東京市 | 『エヴァンゲリオン』って?

第3新東京市


『エヴァンゲリオン』って?-ジオフロント

第3新東京市


~ 概要~


2000 年9月13日に発生した「セカンドインパクト」、および同9月20日の新型爆弾の攻撃により首都東京は壊滅した。その復興を断念した日本臨時政府は、2001年に長野県松本市を暫定的な首都として第2新東京市と改称して遷都した[1]。

その後、2004年に国会で「第二次遷都計画」が承認され、2006年に将来の新首都、第3新東京市として芦ノ湖北岸(神奈川県足柄下郡箱根町仙石原地籍付近)に推定50兆円の建設費用をかけて2015年をめどに着工した。完成後は第2新東京市から遷都される予定となっている。

しかし、次期首都という題目は特務機関NERV(ネルフ)が日本政府の予算で建設するための方便であり、その実態は使徒迎撃専用要塞都市であり、その地下にある巨大な半球形の空洞・ジオフロント(その89%は土砂に埋まった状態であり、残りの11%というわずかな空間に施設が置かれている)内にNERV本部が置かれ、都市の随所にエヴァンゲリオンの射出口、兵装ビル(エヴァンゲリオンの武装の格納庫および偽装砲台)が設置されている。

第3新東京市は、使徒との戦いで度重なる被害を受け、最終的には第弐拾参話で綾波レイの操るエヴァンゲリオン零号機の自爆により壊滅的な被害を受け、芦ノ湖とつながって水没した。その後、劇場版第25話において、戦略自衛隊によるN2弾道弾の攻撃により完全に破壊され、ジオフロントがむき出しにされている。

ちなみに『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』では市章はイチジクの葉。

~英称~

テレビアニメ版では英称は“TOKYO-3”だが、『新劇場版』では“TOKYO-III”とアラビア数字ではなくローマ数字が使用されている。

小松左京原作のSF映画『さよならジュピター』冒頭に登場する長距離旅客宇宙船「TOKYO-III」に因んでいる。

~都市機能~

緊急時(主に使徒襲来時)には、兵装ビルなどを除き、ほとんどのビルがジオフロント内に収納される(懸垂式高層建築物)。収納されたビルは、ジオフロント上部から垂れ下がるようになっており、天井都市と呼ばれている。緊急時以外でも天井都市は存在する。市民には要塞都市としてアピールしているが、第 3使徒サキエル襲来時から市民が疎開し始めているようである。

ジオフロント内には、第3新東京市の市街地に近い芦ノ湖北部付近にある集光ビルから集められた光が差し、地上と変わらない明るさを保っている。ジオフロント内にある施設は、NERV本部、避難シェルター、地底第2芦ノ湖などがある。ジオフロントへは、地上からカートレインで行くことができる。これは、ジオフロント内を螺旋状に走っている。

また、主人公の碇シンジらが通う第3新東京市立第壱中学校2 年A組にはエヴァンゲリオンのパイロット候補となる14歳の少年少女が集められているが、この事はNERVの一部の人間を除いて、本人達にも極秘であった。

~地形~


仙石原を中心に碁盤の目状に新市街地が広がり、その周りを旧市街地が取り囲んでいる。『新劇場版』では、旧市街地には血を思わせる赤色に染まった緑地や朽ち果てた高層ビル群、地面に突き刺さった電車等異様な光景が広がっている。使徒襲来時には新市街地を構成するビル群はジオフロント内に収容されて天井都市を構成する。新市街地は人工地盤のブロックで構成されており、非常事態時にはロックボルトの破砕処置により、人工地盤ごとエヴァンゲリオンを収容可能である。

新市街地には両側6車線の大規模な道路が縦横に走り、路面にはエヴァンゲリオン地上射出用エレベーター坑が設けられている(その地点には EVA射出口の表記がある)。また緊急時には路面を屹立させて、使徒からの攻撃を防ぐ防御壁(対電磁光波熱線防護跳開式装甲板:路盤擬装型)としても機能する。

テレビアニメ版第弐話で見られる遠景からの眺望は金時山からのものであり、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』の特装版DVDでは「新金時山展望台」とクレジットされて紹介されている。

~規模~

都市としての規模や人口・財政は、現在の東京23区よりかなり小さい。第3新東京市の中心市街地は仙石原周辺に限定されているが、行政範囲については明確にされていない。仙石原を中心とした半径3キロの地下にジオフロントが広がっており、箱根山外輪山を越えて一部は現在の御殿場市にまで達している。そのため、御殿場市の一部も第3新東京市に含まれていると思われる。ジオフロント内の地下居住区も、行政上は第3新東京市に所属する。なお、芦ノ湖南岸は神奈川県足柄下郡旧箱根町となっている。第3新東京市の住人は、NERV勤務者とその家族などの関係者に限定されている。

東京都の代わりに設置された自治体ではあるが、表向き国連(実際にはNERV)直轄地とされ、国家直轄市ではないらしい。市議会等の市政府機関は存在するが、実際には NERV本部に設置されている人工知能スーパーコンピュータMAGIシステムによる決定事項を遂行する傀儡である。

都市の機能として、一応市警察や市消防は存在しているが、治安維持はほとんど国連軍およびNERV諜報部が管轄するようになっている。警察に関しては一応、警視庁という名称は残っているらしく、パトカーには警視庁のロゴが描かれていた。

エリア的に神奈川県内だが、車のナンバープレートでは「山梨」ナンバーが見受けられる[7]。なお『新劇場版:序』では、葛城ミサトのルノーのナンバープレートには 「東」と表記されている。

~建築物・施設~

市内各所には一般建築のほかにエヴァンゲリオンの戦闘を補助する建築物が多く存在する。

懸垂式高層建築物を固定するために、閂式施錠型第2安全装置やストラクチャー基礎梁固定用熱間圧延異形棒鋼式大型ロックボルトなど多くの特殊建築物が存在する。またエヴァンゲリオンの武器を収納しているEVA ORDINANCE DEPOT STRUCTURE など戦闘時直接使用するものも存在する。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』では、所在地は不明だが、国際環境機関法人「日本海洋生態系保存研究機構」が、赤く染まった海を青に戻すための研究施設として洋上に造られている。

~交通機関~


第3新東京市周辺には多くの公共交通機関がある。このうち鉄道は劇中に多く登場する。

~モノレール~


テレビアニメ版では、「第3新東京市環状第7号線」というリニア式モノレール(跨座式)が登場する。このモノレールにはJRのロゴが貼り付けられている。車体はねずみ色の無塗装車体で外観的には国鉄113系電車をモノレール化して近未来化したようなデザインである。

『新劇場版』では、第3新東京市高速鉄道が運営する「第3新東京市高速鉄道第2環状線」(箱根モノレール)というモノレールの環状線が走っている。車両には第3新東京市の市章が貼り付けられている。

路線は桃源台や強羅を中心として、新真鶴方面及び仙石原・長尾峠を循環しているものと推測される。車両については実在している車両の色違い(ただしリニア方式車両)が走行しており、北九州モノレールの車両(主に環状線のシーンで使用)や多摩都市モノレールの車両(劇中では「新真鶴」を表示して走行。環状線車両と併走している)が使用されている。

路線の各地点には車両退避ステーションが建設されており、非常事態時には直接ジオフロントへと回送される。

~一般路線~

小田急電鉄の小田急ロマンスカー(HiSEに酷似した車両)や箱根登山鉄道も走っている。テレビアニメ版では新箱根湯本駅までリニア式小田急ロマンスカーが敷設されており、第3新東京市と新厚木間を結ぶ政府専用特別急行列車が運行されている。

テレビアニメ版・新劇場版とも新箱根湯本駅に停車中の箱根登山鉄道の車両(モハ2形110号車)が爆撃によって破壊されるシーンがある。

新劇場版には「新中央線」という路線が登場し、駅には第2新東京市方面と書かれたLED案内表示があるが、長野県内の小郡新川駅でのシーンである。車両はE231系が使用されている(劇中に登場する鉄道車両の多くがE231系とDD51であり、旅客用ではE231系のみが登場した)。新中央線で使用されている車両はオレンジ色の帯をまいたカラーリングである(外見は中央快速線等で使用されるE233系に酷似している)。車番はモハE231-1???であった。

作戦時にはエヴァ初号機が電車を吹き飛ばしながら走る場面があるが、こちらに出てくる車両はE231系の湘南色(近郊タイプ)とDD51、後述のカーゴトレインである(E231系にはグリーン車であるサロE230・E231が連結されておらず、編成は15両編成を超えている)。

さらに新劇場版のオープニングには市街地に突き刺さるE231系と思われる車両(モノトーンカラー)が出てくるが、こちらにはサロE230と思われる車両が描かれている。

また、第3新東京市営箱根電鉄第1環状線という路線が存在する。走行している車両は2310系という独自の形式である。

~専用路線~

NERV専用の路線もいくつか存在する。用途はエヴァや兵器の搬送・回送や変圧器輸送(ヤシマ作戦時、シキ880(B2梁)形大物車を使用)である。エヴァの搬送にはLM-133(エヴァンゲリオン輸送専用リニア軌道電動貨物車)、それ以外については一般のDD51が牽引する貨物列車が使用されている。

ジオフロントへ向かうカーゴトレインの路線もある(仙石原地下中央駅行C-22特別急行列車)。

~その他の交通機関~

セカンドインパクトで水没した旧小田原市付近にはSSTOも発着可能な第3新東京国際空港、及び新横須賀港が建設されている。また、芦ノ湖にも国連軍艦艇が停泊している。

また、箱根山には箱根ロープウェイ(武装タイプ)があり、市街地と結ばれている。