ニッポンの介護学
第742回 介護大手8社が10月から一斉に賃上げ!特定処遇改善以上の「さらなる給与アップが必要」との声も
ツイート 2019/10/16
介護大手8社が10月から一斉に賃上げ
10月1日に、介護サービスを展開する大手8社が、10月以降にベテランの介護スタッフを中心とした職員の賃上げを行うことがわかりました。
介護サービスを提供する上場企業の大手10社のうち8社が、10月から大幅な賃上げを行うと発表しています。
賃上げを行うと発表した大手企業のうち、A社は、リーダー職の年収を最大約80万円。それ以外の職員に対して最大約65万円と、最も多い場合では23%の賃上げを行うことを発表。
また、B社では、勤続10年以上となるリーダー職のうち、現在70%を占めるという年収500万円以上の職員の割合を84%まで引き上げを行うとしています。
そうではない一般の職員についても70%を年収440万円以上まで引き上げると公表しています。
ほかにも、C社も同じくベテランの職員を中心として大幅な賃上げを行うことを明かしています。
人手不足が慢性的な問題となっている介護業界のなかで、大きな処遇改善の流れが起こっています。
増税分2000億円が介護職のため「処遇改善加算」に投入される
こうした大手各社が賃上げを一斉に行おうとする背景には、今年の10月から導入された「特定処遇改善加算」の存在があります。
これは、経験や技能のあるリーダー級の職員を主なターゲットとして、その処遇を改善するために作られた制度です。
従来から導入されていた介護職員処遇改善加算のⅠからⅢのいずれかを取得している事業所が対象となります。
そのうえで、処遇改善加算の職場環境等要件に関して複数の取り組みを行い、その取り組みについて、サイトへの掲載などの見える化を行っていることが必要です。
これを取得した場合、勤続10年など、現場でのリーダーを担うべき経験や技能を有した介護職員に対して、「月8万円の賃上げ」あるいは「年収440万円を超えるような賃上げ」をすることが求められます。
政府は、この特定処遇改善加算について、消費増税による増収分1,000億円を投入し財源にあてるとしています。
介護保険料から捻出される分を合わせると、年間で2,000億円がこの加算に投入するとしています。
先に紹介したC社は、この加算を上回る額の賃上げを行う方針を固めていますが、基本的に大手各社は、この特別処遇改善加算を活用することで、賃上げを行おうとしているのです。
介護職の給与は全産業平均の約10万円も低い
日本は先進国で唯一、実質賃金が30年間減少し続けている
しかし、そもそも日本の給与水準が著しく低いという問題もあります。
今年の8月に経済協力開発機構が発表した統計によれば、1997年と比較した際、日本人の時間あたりの賃金は8.2%減少したことが判明しています。
92%増加しているイギリスや、同じく81%増となったアメリカなど、軒並み賃金が上昇するなかで、先進国で唯一のマイナスとなっていたのは日本だけでした。
物価上昇分を差し引いた「実質賃金」を先進各国と比べると、10%のマイナスとなっています。
イギリスでは実質賃金は41%増加し、アメリカは25%増とほかの先進国が増えるなかで、日本だけがこちらも減っているのです。
こうした現象が起こっている理由として専門家は、先進国のなかでも急速に少子高齢化が進んでいる日本では、15歳から64歳までの生産年齢人口が減っていることを指摘。
企業の国内売り上げが減少していることが理由のひとつだとしています。
これにより、利益を確保しようとした企業が人件費を抑制することで、消費の低迷が起こり、企業がさらに人件費を抑制しようとするという負のスパイラルに陥っているとしています。
さらに、こうした動きにより若年層の所得が減ることで、少子高齢化にさらなる拍車がかかる恐れもあります。
早急な対策を必要とする日本社会の全体の問題となっているのです。
現役介護職の7割が「給与」に不満を持っている
そんな低賃金化が進む日本のなかでも、特にその傾向が顕著なのが介護業界です。
厚生労働省が2018年に公表した『介護人材の処遇改善について』では、産業計の賞与込み給与が36.6万円となっているなかで、介護職員は27.4万円。
その差は9.2万円と、かなりの差があることが発覚しています。
同じく医療・福祉分野の職業である准看護師が33.8万円、理学療法士や作業療法士が33.7万円、ケアマネジャーが31.5万円と、同じ産業内で比較した場合でも、かなり低い数字となっています。
こうした状況のなかで、給与に不満を持つ介護職員は少なくありません。
2019年に日本介護クラフトユニオンが発表した調査結果では、3,744人の職員を対象に給与の満足度についてアンケートを実施。
「大いに不満」、あるいは「少し不満」と回答した割合は69.1%と、およそ7割にのぼることが判明しました。
介護労働安定センターの発表した『介護労働実態調査』によれば、直前の介護の仕事を辞めた理由についてのアンケート(複数回答可)のなかで、「収入の少なさ」と答えた人は約3割に上ったことも判明しています。
これらの調査結果からも、介護業界では職員の賃上げを含めた処遇改善が大きな課題となっていることは確かです。
「2022年」までに看護師と同額を目指す企業も
「空前の人手不足」が賃上げを後押し
また、高齢化による介護人材の不足という面でも賃上げの必要性は高まっています。
厚生労働省が発表した2018年度の有効求人倍率は1.62倍でした。
しかし、介護業界では3.95倍と、全産業平均に比べて2.5倍近くの数字となっています。
また、昨年の8月に介護労働安定センターが発表した『平成29年度介護労働実態調査』によれば、職員の過不足についてのアンケートで、「大いに不足」「不足」「やや不足」という回答をした事業所は全体の66.6%と3分の2にのぼることが発覚。
人材の確保が需要に対して全く追いついていない状況があらわになっています。
さらに厚生労働省は、2016年度に約190万人であった介護人材について、団塊の世代が全員後期高齢者となる2025年度末には約245万人が必要となると試算。
9年間で約55万人、年平均で言えば6万人超の介護人材を増やす必要があると発表。
この対策のひとつとして政府が打ち出したのが、外国人の新しい在留資格である「特定技能」の導入による外国からの人材確保です。
しかし、この制度の導入から半年がたった今、この資格を認定された人数は400人程度。5年間で最大35万人を受け入れるという政府の試算に対して、かなり少ない数字となっています。
こうした現状からも、外国からの人材で介護人材の不足を埋めることは現実的には厳しい見通しです。
賃上げをはじめとした現役職員への待遇改善を行うことは、高い離職率と若者の介護職離れが進む介護現場では必要不可欠な状況になっているのです。
さらなる賃上げによる人手不足の解消が必要
政府も、介護業界における賃上げの必要性について議論を重ねています。
7月26日に行われた社会保障審議会・介護保険部会では、2021年度の介護保険制度の改革に向けた協議のなかで、人手不足への対応がテーマに上がりました。
この会のなかで厚生労働省は、現状の人手不足対策として展開されている施策について紹介しつつも、十分な成果が出ていないと言及。
介護職員の離職を抑え、長期にわたって働けるような環境作りが必要であるとの見解を示しました。
また、この会に出席した委員の多くがこの人手不足への対応について、「全産業の平均に追いつくような賃上げが必要なのではないか」と、給与水準を引き上げることがその対策となるという意見が続出。
10月に行われた特定処遇改善加算だけではなく、さらなる引き上げの必要性が訴えられました。
先に紹介した賃上げを行う大手企業のなかで、A社は2022年にもリーダー職の待遇を看護師と同等水準にする賃上げを行う予定であることをすでに発表しています。
これまでも介護業界では、報酬の改定などによって、毎年最大2%程度の賃上げが行われてきました。
しかし、それが人材の確保につながる結果となっていないことは現状を観れば明白です。
今後、賃金を含めた介護職員に対するより一層の待遇改善が、人手不足を解消する上では必須となってきます。
ネット記事より抜粋
ちょっと長い記事ですが丸々抜粋しました。
(´・_・`)
介護大手8社が今回の特定処遇改善加算を利用して年間最大80万円の給与アップを図ると打ち出しています。
そんな情報もあり介護最大手に勤める女房に、この情報の信憑性を訪ねてみました。
女房いわく…
「知らない……………」 ;^_^A だって。
月額最高8万円…
または平均年収の440万円以下の職員を対象とすると謳われていますが、そもそも既に440万円は超えているので、あまり興味が無いようです。 女房は…
;^_^A
今回の特定処遇改善に対しては私の職場からも大きな不満が出ています。
そう…(・・;)
経験技能がある職員が対象と謳われていますが、只々経験年数が長いだけでこの加算にありつけている職員もいるということ……………
一応私の施設では勤続10年を越えている介護福祉士には、技能があると判断して均等に分配されることになったのです。
それが気に食わないようですね〜。
介護主任も、また真面目に勤務していない一職員も同額である…(・・;)
均等に配分したおかげで手元に入る金額は同じであることがどうも納得いかないようです。(そのおかげで手元に入るお金は少なくなる)
そもそも分配については各法人に委ねられているにで、どうしようもありませんね。
もらえたらもらえたで文句言う職員もいるし、ヘル2や初任者の職員は1万円にも満たない額だし……………
それを私に文句言ったって私はどうしようもありませんから……………
(−_−;) 困ったもんだ……………
介護大手8社の給与アップ…
女房は興味無いようですが、私は女房の給料が非常に興味あります。 いったい女房はいくらもらえるのだろう。