………
………負けたけど、俺は泣かなかった。
それは俺が無感情で冷酷なわけじゃなく、悲しくないわけでもない。
ただ……俺は、小学生のときに
「嬉しい時・感動した時以外は、絶対泣かん」
と自分に誓ったからね。
だから泣かなかった。
どうしてそんなこと誓ったのかはよく覚えてないけど、一度決めたからには破れない。
「ああいうときくらい泣いてもいいじゃん」
と思う人もいるかもしれない。
けど、これまでの数々の修羅場や
小学生の時・中学生の時の引退時も、泣かなかった。
「まだ終わってない」
などと前向きに思うことで、悲しさを掻き消してきた。
今回はどうだろうか??
俺は大学ではサッカーをやるつもりはない。
大学でのサッカーは超ハイレベルで、それだけサッカーに全霊をそそぐ覚悟も問われるからね。
これからちゃんと勉強してそこそこ良い大学に行かなきゃならない。竜一に来たからね。
だから俺には大学でサッカーをやりぬく気力も、資格もないだろうから、大学でサッカーはやらない。
しかし、他のところでサッカーは常に俺に付き纏う。
部活っていう1番公式的な形ではもうやれなくなってしまったけど、
うちの周辺の地域で、
「Yリーグ」っていう、16歳~29歳の人対象のサッカーがあって、知り合いも何人かやってるから、俺もやるかもしれない。
もしいつか自分の子供が小学校とかでサッカーをやり始めるとしたら、コーチなんかをやるかもしれないし。
その他色々な形で、サッカーをやる機会は多々あると思う。
テレビでサッカーを見るのも面白いしね。
などと色んなことを前向きに考えていると、悲しさを掻き消すことができた。
数カ月前から腰を痛めだして、練習時も試合時も全力で走ったりできずにいたのが悔やまれる俺は、
試合が終わった後の皆に上手く言葉をかけられなかった。
俺にとってそのことが今1番悔やまれる。
さて、これまでのサッカーをちょっと振り返ってみたいと思う。
サッカーを始めたのは、小①の時。
ホントは野球が1番好きな俺の親父は、野球を嫌がる俺に
「じゃあサッカーやれ」と言ってきた。
小さい頃は運動があまり好きじゃなかった俺に、何がなんでもスポーツをやらせたかったようだ。
小学校の時は、あまりサッカーが好きじゃなかった。
小④くらいから、
まともなキーパーがいなかった事と、背が高かった事が理由で
キーパーをやらされた。
やりたくもないキーパーをやらされていたから、それにもともとサッカーをやりたくて始めたわけじゃなかったせいもあって、小学校の頃はサッカーがあまり好きじゃなかった。
中学に入ってキーパーを辞め、DFが少なかったからDFをやりだした。
背が高くてキック力があったのもあって、顧問の先生に早くから認めてもらえた。
最終的に俺はチームのアシスト王となったし、一度は県大会にも行けたし、怪我や欠場もなかったし、結構良い結果を残して引退できたんじゃないかと思う。
そして、高校。
これはもう、いまさらここに書く必要はないんじゃないかと思う。
今までずっと部活については書いてきたし、
ちまちまと書きまくると、なんだか安っぽく感じられる気がするし、愚痴が多く含まれちゃうだろうしね。
ただ、これだけは言える。
小学校の時よりも……
中学校の時よりも……
高校でのサッカーのほうが楽しかった。
ダントツだと思う。
辛い事や嫌な事もあったけど、
笑った事・楽しかった事のほうが多かったと思う。
協調性があまりなく、わけのわからんことばかり言う……こんな俺でも、色々と良い思いができた。
顧問がいなかったせいもあってか、始めはまとまりがなくて無茶苦茶なチームからのスタートだったけど、精神的にも肉体的にも徐々に成長し、最後には……
今後誇れるであろう、良いチームになれたんじゃないかと思う。
竜一という、勉強をおろそかに出来ない所での部活。
くじけずに最後まで続けられたことは、自分も皆も誇れることだと思う。
何かと忙しかったせいか、内容が濃かったせいか、時間が経つのが早い気がした。
短い間だったけど、皆と一緒にサッカーやれてよかった。
いざこざとか誰かに対し腹が立ったりとか、色々あったけど……
楽しかった。
一人一人が違った面白さ・人間性を持っているだけに、色んな面白みがあったと思う。
一生の宝になるんじゃないかと思う。
数々の思い出も、ここで巡り逢った仲間たちも。
我が12年間のサッカー人生に、悔いはない。
今までありがとう。そして……
これからもよろしく


……ちっ、なんだかいつもの俺らしくない、しんみりした文章になっちまったよ。
書くのに1時間以上かかったしね。
ま、今日は特別な日だし、こういうのもありだよね。
そんじゃ、バイバイ

