「ファニーゲーム」


恐ろしい映画を観てしまいましたDVD


※注意※ネタバレあり注意

 

予備知識なしで観たら、ヤバすぎる映画でした。

 

あらすじは

  

車中でクラシックを聞きながら湖畔の避暑地に向かう

優雅な三人家族(父母息子)+犬が、

別荘で青年二人に出会います。

 

青年たちは最初はちょっと変な若者・・くらいだったのですが

だんだんと言動がおかしくなり、

こいつら、完全にキチガイやんけ!!

って気づいた時には

夫は足に大怪我(骨折かな?)させられ身動きもとれず、

愛犬は殴り殺され、連絡手段は断たれて

三人は別荘に監禁されていたのでした。 

 

理不尽で冷酷すぎて恐いです。

車のドアを開けたとたん、

犬の死体がずるっと落ちるシーンでは

その死体を奥さんに見つけさせるために

「寒い 寒ーい 暖かい、暖かい」

と寒暖で面白げに場所をにおわせるやり方、

おもむろにカメラ目線で視聴者に話しかけてくる若者

色々酷すぎて・・・

でもそんなの始まりでしかないくらい

後半に行くほど絶望度が高まるんです。

 

この不幸な三人家族の息子くんは

めっちゃかわいくて見るからにいい子なので、

私は見ながら

「この子は助かるんだ。

きっと、ラストにはこの子と奥さんが助かるパターンでしょ」

なんて、

パニック映画で生き残る人物を当てるのが

割りと得意な私は自信があったんですけど

この男の子がいきなり射殺されちゃう。

 

そのあたりから辛くてもう倍速で見たほどです・・・ 


そんなに辛いなら見るのやめろよって感じですが

結末が気になってやめられませんでした。

 

終わってから、

なぜ結末が気になってしまったのか・・・

私はこの映画で次々に起こる不幸を見せられても

最後にはなにか「希望」があるんじゃないか、

ささやかながら「救い」があるんじゃないか、

と思って、それ(結末の救い)を見るためだけに

不快なシーンを頑張って見続けてたんだなーって気づきました。

 

この家のご主人が殺され、

両手両足縛られた奥さんがボートに乗せられた時

「あー、奥さんだけが助かるパターンだったのかあ。

最後にあのナイフで大逆転だな!」

って期待していたら、

あっさりナイフを取り上げられて

奥さんもあっさりボートのヘリから湖に突き落とされる。

 

いやいや、実は服がボートにひっかかっててここから逆転!?

  →でもない

 

なんとか泳いで奥さんだけは助かる!?

  →でもない

 

・・・

 

こうなればいいな、

こうなるはずでしょ!?


って期待を全部砕かれます。

 

途中なんか、青年一人を射殺したった!

ってとこでまさかの逆再生、

青年「そうはなりませんよ^^」

という流れでまた地獄展開続行。

 

こんな演出は初めて見ました。

 

 

この映画は、「ただただ残酷な展開だけを凝縮させたんだよ・・・」

ってことではなくて

監督が見てる人に対して

「あなた今、こうなるだろうなって予想してたでしょ?」

「こういう展開を期待してたんでしょ?」

と問いかけてくるような感じです。

 

後味が悪いだけの作品と違って

「あなたがこれまでに観てきた映画は全部、

この映画も含めて

ツクリモノ(虚構)なんですよ~」

というメッセージがあったんだと思います。

 

「普通の」映画だったら、

どんなピンチがあっても、

そのピンチを上回る幸運とか正義の裏工作や知恵で

どんでん返しがあるのがしょっちゅうで 

ちょっと平均より不幸な映画でも、

ある程度は期待が実現するものですが

「予想させて裏切る」という展開を繰り返しながら

展開予想慣れしてる視聴者に

「おい、マジかよ」

「ちょ、これって映画だよな、現実じゃないよな?」

と思わせるものになっていました。


いやー凄まじかった。


ちょいデブじゃない方の青年の

演技力が高すぎる。