アルジャーノンに花束を/ダニエル・キイス

 

を読みました本

 

注意注意ネタばれあり

 

知人に「一番好きな本は何?」と聞いてみて

この本の名前が出てきました。

ずっと前から家にあったのに、

きっかけがなく読まなかった本。

今こそチャンス!と読みました。

 

主人公は 精神遅滞(IQ68)の男性 チャーリー・ゴードン。

いつもニコニコ 優しい性格で友達も多い彼は

ある日 大学教授から

「最新の手術で キミの頭をよくしてあげよう」
と言われ、脳の外科手術を受ける。

 

術後、急速に知能が高まり ついにIQ185の天才に変貌するが、

同時に今まで「友達」と思っていた人たちが

自分をだまし、笑い者にしていた事実を知ってしまい

孤独を感じるようになる。

また、初めて恋をする・・・


 

冒頭(手術前)


「ストラウスはかせわ考えたことや

おこたことをどんどんかきなさいといいますが

もうかんがえれないからかくこともなにもないから

きょーわこれでやめる・・・」

 

というような文章(経過報告1)で始まり、

 

句読点がなかったり ぼくわ とか きょーわ とか

なんかある意味ギャル文体メールみたいな感じだったのが


 

術後の経過報告10では

 

「四月二十一日 ―――ぼくはパン屋の粉ねり機の生産性を

スピードアップする新方式を考案した。労賃を節約して

利潤が増すとドナーさんはいっている。」

 

という具合に変化。

 

間にちょこちょこ、心理学の話が出てくる。

私は心理学科を卒業したのに、

ロールシャッハテストとか曖昧にしか覚えてないし

プチショーックショック! 解ってたらもっと面白かったはず。

 

 

本の中で印象に残った文は

(超ネタばれになるので、どういう状況下での言葉かは省きますあせる

 

「おれの光がおまえの暗闇よりいいなんて 誰に言えるかい?」

 

私は知能があがった後のチャーリーがすごく好きだったので

すごくもやもやとしてしまったけれど、

過去の自分と現在の自分が一連の鎖で繋がっていると

思えなかった場合、

多重人格の人の中で、人格Aと人格Bが

主権争いをするようなイメージで、一方が他方の意思を

尊重したいと思うようなことがあるとしたら。

こんな風に思ったチャーリーが好きです。

 

 

知能があがったり さがったり(あっ) するのを

階段の上り下りに例えているのも分かりやすかったです。

そしてその段差が 友情も恋も

時には自分自身の思考と心の連続をも

隔ててしまうことがある。

後半、その隔たりに胸が苦しくなりました。

本を教えてくれた知人にお礼を言おう手紙 

 

読みながら思い出した映画は

「レナードの朝」。

少し違うけど、サヴァン症候群についての

「レインマン」も思い出した。