八日目の蝉/角田光代


を読みました本


※注意※ネタばれあり!!

 

希和子は自分の全てを 赤ん坊に注ぐ。

ただし盗んできた赤ん坊に。 

  

口先だけの無責任な不倫男と

「からっぽのがらんどう」と自分を罵った

その妻との間に生まれた赤ちゃん。

 

私だったら・・・憎たらしいと思いこそすれ

愛情を持ったりできないな。

 

それでも盗んできた赤ん坊を大切に大切にする姿に

誘拐犯なのに希和子の逃亡を応援してしまうあせる

 

小豆島での平穏な生活が

一日でも長く続くことを読みながら

祈ってしまうのが不思議。

 

  

「普通」の人生の道からはずれてしまった自分が生きる

「普通ではない」道を

八日目に生き残ってしまった蝉になぞらえて

そこで最後には 希望的な見方をみつける終わり方。

 

気がかりは 小学校と戸籍が…

公務員の男性との交際の話が

進まなかったし 結局小学校入学前に逮捕されたから

必要なかった部分だけれど、

捕まることはわからなかったのだから

希和子がもっと小学校入学のために

奔走するところも読みたかった。

 

お寺を回る「祈り」と同時に 

具体的に長期計画を練りたかったはず。。。

 

だって小さいときだけ、薫ちゃんを大事にしたいっていう

生半可な愛情じゃないと思ったから。

 

お金の使い方は勉強になったなと思うひらめき電球

誘拐するつもりはないけど、

お金はこういう風に使うものなんだなあって。   

 

  

「恵理菜」が、お腹の赤ちゃんに見せたいと

思い浮かべた緑の原風景が

小豆島なんだよってことを

ラストの希和子に教えてあげたかったよ~~しょぼん