亡くなってしまった
大切な人のことを想う時
空は とても淋しい場所なんじゃ
ないのかな
と思うことがあります。
たとえば
穏やかな陽ざしの
静かで美しい景色を見た瞬間。
あの子には この今の安らぎや
暖かさはもうないんだ と思うと
かわいそうで
かわいそうで
心がくしゃくしゃになっていくんです。
私の心を少し引きちぎってもいいから
傍に届けてあげたいと思う。
こっちから そっちへは
行けるのに
そっちから こっちへは
帰れない。
こっちには家族がいるのに
友達がいるのに
私もいるのに
大好きなジブリもまた新作を出すんだよ?
生きてたら 一緒に見れたんだよ?
こんな素晴らしい世界に
還ってこられないなんて
なんて酷いんだろう。
そんな風に思います。
でもある日急に
違う風に思えたことがありました。
そっちから こっちへは
帰ってこられないんじゃなくて
帰ろうと思えばできるけど、
帰らないだけ
なんで帰らないの?
楽しいから。
すごく 幸せだから。
そんな風に思えたことがありました。
家族や友達や恋人との時間
楽しい温かい世界よりも
幸せな世界なんて
そんなものありはしないと
心のどこかで否定していても、
今の私には想像もできないくらいの
大きな安らぎと 幸せと 光とが
その人を包んでる。
その中で 笑っている。
そう思ったら
ほんの少しだけ
許してあげられるんです。
勝手にいなくなったこと。
たまに怒ってみます。
「楽しくて帰れないってなんだよっ
竜宮城じゃないんだからね」
そして少しだけ妬きます。
「ショック・・・私といるよりも
そっちは楽しいんだね?」
どうしたって、こっちにいると
やっぱり淋しいです。
でも、前より気持ちが楽なのは
その人がいる場所は
淋しいところじゃないと思えたから。
想像してみて下さい。
空は 淋しい場所じゃない。
あなたの大事な家族
友達 恋人は今
すごくすごく穏やかな心で
丘の上から
四季のすべての美しさを
眺めているところ。