東京かな。

どこか忘れたけど国内のある豪邸の地下には

密かにビリヤード場とカラオケ場と広い食品庫があって

高級っぽい調度品がずらりと並んでる。

一目でノーブルを感じさせるその部屋は

実は核シェルターで。 

TVに向かってワインを自慢する奥さんは超笑顔だった。

日本へむけてミサイルが発射されたり

安全が危うくなったらそこへもぐって危機を回避するらしい。

 

十分な水と食糧と発電機。

それから外の様子をシェルターの中で確認するために

地上に設置されたカメラ。

 

ことが起こったら「ご近所にも黙って増設した」っていう

その部屋に家族で逃げ込んでソファに座って。

大きなモニターで地上の様子を確認する。

 

24年間日本で生きて、海外にも友達はいるけれど

家族をはじめ、友達も親戚も上司も後輩も

好きな歌手も苦手な人もみんな

この細長い島国の上に生きてて

そのほとんどの人が煙になったとわかったとき

誰もいない地面の下で

ひっそりとワインを愉しむ未来を描いて

そのための部屋を作ったこと

そんな未来を現実的に語ること

 

正気か。