ばいばい、またね。

 

誰だってそう。

大好きな人とはそんな風に別れる。

 

だけど愛しているその人に

たった一度しか言えない、特別なさよならもある。

口にしてしまったら最後

もう二度と言えなくなってしまう。

それが特別ということで。

  

言いたくなかった。

意地を張り、無理矢理すり替えて言ったありがとうは

喉の奥で切れて、ひどくかすれて

言葉にはならなかった。 


寂しくて悔しくて

ひたすら黙って一人で冬を歩いてたら

やがて春になってしまって

夏を待つ今もずっと

喉を絞め続ける。

 

あの冬の道で誰より早く

静かに せつなく

「さよなら」を口にした人。

 

あなたは愛されていたんだよ。

今も、みんなが愛しているんだよ。

 

最後のさよなら 

 

それはこの世界でもっとも悲しく

せつなくて

寂しいものかもしれないけど

 

きっともっとも尊いものの一つ。

 

「愛している」よりも、もっと、尊いものだと思う。

 


2007年、今年も

さまざまな出会いと

尊い別れとが

豊かにありますように。

 

見守ってくださる方と

あなたに。

永久の平穏がありますように。

 

祈ります。