久しぶりに、尊敬している先輩に会いました。いろんな意味で全く変わっていなくて、むしろ清々しい雰囲気が漂い、「あぁ、やっぱりそうなりますよね」と考えてしまった、今日。




 僕はたぶん、大いに馬鹿なんだとは思う。多くの角度からして。それは人を見る眼も最近は疑わしいし、僕は正直になる相手をいささか間違っているのかもしれない、と思ったりもこの頃はしたりもする。でも、それでもいいかと思わせてくれる人の一人。




 なんだろうな、人によって尊敬する人ってのはいると思うんだけど。




 「この人になら、いっそ騙されてもいい」と思えるくらいというのは、そうそうない。




 喜んで騙されようと思います、この人には。




 ここ一週間くらいかな、嫌なことばかりが続いていたんだけれど、どうでもよくなったわ。




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 さて、長いよ。さて、としか言い出せないこの心境。




 先日、妙なテンションだったこと。




 僕にはまだ早いけれど、早いからでこそ、手にするべきで出来ること。




 あぁ、指が震えます。腕も震えます。




 うまく付き合って、向こう数十年、他に浮気をしようとも、ずっとずっと手元に置いておくことでしょう。




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 えい。と、これで何かを分かる方がいらっしゃれば、すこぶる嬉しい。嬉しいし、分かる人も良い意味で変態だと思います。まぁ、年齢を重ねて興味があれば話は別なんですが…。




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 あぁ、お財布ですか。と、そんな感じです。でも、これはオマケなわけで。それにしてもなぁ、これだけでも普通に買えば結構するんじゃないのか。しなやかで心地良い革だし、縫製なんかもキッチリしてるし。デカイし。




 勿体つけるわけではなくて。




 こう。




 それくらい清水だったぜ、ということなんですよね。




 まぁクルマを買うとか、そういうことならアレなんですけどね。




 こんな小さいものに、この年齢でいくとは思わなかったというね。




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 ドン。引きの絵。いやー…………美しや…。こげ茶のクロコベルトに、ピンクゴールドとシルバーが輝く。




 そうですね、時計ですね。こんなに引きじゃあ、どこのかも分かりづらい。




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 どうだ。少し近づきました。好きな方なら、「むむむ…」なんとなく分かってきたのかもしれません。でもなぁ、あんまりメジャーなモデルじゃないよね。




 尊敬すべき先輩は「それはエロいぞ、エロすぎる」と。




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 とう! あー……もう、どうしましょう。こんなに可愛い顔がありますでしょうか。って、すごいマニアックな好みだけど。「普通はコレを可愛いと思わない」というのが、先輩も店の人も共通の意見。オタク気質なんだなぁ。




 ブランド名が見えますね、この距離。




 中学生の頃から、刷り込みのように憧れを強くされていたブランド。たぶん、そんなの永遠に買うことはないよねと思っていたブランド。




 バセロン・コンスタンチン。あ、今はヴァシュロン・コンスタンタンですか。古い名前の方が、好きだな。




 250年以上続く、スイスはジュネーヴのマニュファクチュール。多くを語る必要はないんですが、一応「パテックフィリップ」、「バセロン・コンスタンチン」、「オーデマ・ピゲ」と並んで称される、世界三大時計ブランド。




 世間的にも、世界的にも、間違いなく評価のトップはパテックでしょう。ブレゲやランゲ(あ、でもランゲは個人的に最終地点でもあるかもなぁ)、フランクやルクルトなども勿論あるけれど、やっぱりトップはパテック。




 正直、パテックはまだまだ手を出せない。価格の問題でなく、資格の問題。だからバセロンはいいのか、となると本当はそうでもないんだけど。それでもバセロンは、昔から惚れていたし、踏み出してみたいという気持ちが強くもてたから。




 ぶっちゃけね、一般的なウケはありません、そりゃ。巷では当然ながらロレックスが王者でしょうし、オメガやカルティエ、パネライやIWC、タグホイヤーやブライトリングのほうが、ウケはいいでしょう。むしろ、ヴィトンやディオールの方が、もっと良いのかもしれない。バセロン、なんて言ったところで「はぁ、何すか、それ?」というのが関の山。見た目だって、パッと見はそこらへんの時計と何が違うのかって、思われるでしょうし。




 でも、いいんです。これは、ロマンみたいなもんです、言ってしまえば。現に存在する、夢の続き。




 モデルは「トゥール・ド・イル」。1992年のもの。恐ろしくマイナーだなぁ。バセロンなら、パトリモニーって決めていたんだけど、これを店頭で見ると、すごくしっくりきて。




 ケースは18KRGで31,5mm。自動巻き。パワーリザーブとディスクカレンダー。ベルトはカミーユ・フォルネに変えてあります。




 定価からすると、価格が以外にお手ごろだったのでニセモノかなぁとも思ったりしたんですが。考えてみれば、バセロンの、しかもこんなマイナーなモデルのニセモノ作っても仕方ねえよな、と。




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 尾錠の形もいかにもバセロン。す、素敵だ。もちろんこっちも18のローズゴールド。




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 裏はね、現代に多いスケルトンではないんですが。この綺麗さならいいかな、と。機械の動きが見えるのは素晴らしいと思うけれど、このクラシックさにそれを望まなくてもよいかな。




 しっかしなぁ、この時計のフェイス、普通に見れば綺麗だけどカッコよくはないよなぁ。どうして、それなのにグググと魅かれたのか。捻くれてんだな、きっと。




 対抗馬に、ルクルトのマスター・リザーブ・ド・マルシェがいました。こっちは単純に見てカッコイイ。「百人が見たら、百人マルシェをカッコイイと言うよ。千人見たら、一人はトゥール・ド・イルがカッコイイというだろうけど」と。確かにその通りだ(笑)。というか、日本でコレをつけている人に絶対出会わない自信がある。




 でも、このバセロンはすごく僕らしかった。色も顔も、存在のあり方も。マルシェはむしろ、先輩側だったのですよ。欲しいけど。




 毎日、つけることになるでしょうね、無論。初めの清水ものってのは、そういうもんです。オーバーホール代だけで、ある程度の時計が買えてしまうけどさ。




 次は(次がいつ来るのか、果たして疑問ですが)とりあえずオメガヴィンテージが欲しい。




 でもでも。これを愛しましょう。とにかく、「僕のバセロン」と胸を張って言えるように、とことん付けて時間を共にしたい。まだまだ、付けられてる感が強いですしね。成長と共に、僕のかけがえの無い一本になってくれればいい。




 時計がお好きな方。ここまで素人の戯言にお付き合いいただき、ありがとうございました。精進して、勉強いたします。




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 いやー、男子バレー凄いね。見ていて愉しい。もとよりバレーは男子が好きだからなお更。




 ここまできたらね、いくとこまで行ってほしいさ。




 個人的には越川がいないのが、とても残念だけど。     arlequin