なんだかんだで数日ぶっ倒れる結果となってしまったのが、悲しい。結構、いけると思ったんだけどなぁ。いや、まぁここ二ヶ月くらいオカシイなぁとは思ったんだけどさ。食事を取ると異常に汗をかくし、眠っても眠っても頭が覚醒しなかったりね。




 完全に倒れて、ようやく回復です。とはいっても今日も無理はせずに療養。つーこって、いつものように頭のリハビリテーションとしてのブログ。回転させないと、急に社会復帰は難しいですものね。




 本当は行かなければいけない場所もあったし、挨拶をしなければいけない人もいたんですが、仕方がありません。自分が壊れてしまっては、どうしようもないので。そこはもう、耐えるしかない。




 あ、そういえば、ぶっ倒れる最中、初めて脱水症状ってやつになりました。いやー、きついんすね、アレ。なんかね、体はやたら熱く(それはもう異様に熱く)なってるのに、汗が一滴もでないし、体の感覚がぼやけてるんですよ。変だねぇと思っていたら(死ぬほどに汗をかいて治すという方法をとっているのに)、無意識にやたら唾液を飲み込もうとしていたようで。そこであぁ、水分ね、水分、と気がついてポカリを飲むわけですが。




 はじめ、受けつけないのね、リアルに。飲みたいんだけど、飲めない、という。必死に少しずつちびちび飲んで、ある程度時間を経過させて、を繰り返すと、今度はオーケーになったのか、どんどん飲める。というか、どんどん欲してくる。飲んでも飲んでも、すぐに乾いてくるので、飲むしかない。それだけ足りてなかったんだねぇ、と。




 午前中だけで4リットル以上は飲んでいましたか。しなくてもいいけど、面白い体験が出来てよかったです。




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 26日、体が変になる前兆の日ですか。結構活動的でした。




 目黒のクラスカへ。この間、職場で外国人旅行者に「ここへ行きたいんだけど(もちろん英語で)」と名前を見せられると、見事にクラスカだったので、驚きつつ路線を案内し、「ここ、すごい良いところだから(そりゃ、英語で)」と説明すると、「とっても愉しみにしているんだよ(だから、英語で)」と爽やかな笑顔を交わして行きました。




 って、最近の雑談は良いとして(笑)。他に書かれていた場所も、アーティスティックだったりファッショナブルだったり、そういう目的で旅行してんだろうなぁ、たぶん。




 んで、クラスカにはebebeの染め替えイベントのために。着なくなったシャツやジャケット、Tシャツとか小物まで、もう一度藍に染めて生き返らせましょう、ということ。元々ebebeさんは京都で活動してらっしゃいますが(モリカゲさんと組んだりしつつ)、その出張ということで。




 僕はDIGAWELさんの綿麻ギャバの白シャツを預けました。着る機会が以外に少なくなってしまっていることと、染めることで面白さがまたグンと増しそうだったので。周りからは、「ソレ、勿体無いんじゃねぇの」とか言われますが、面白くなるほうが良いでしょ。DIGAWELさんの白シャツは積むほどにありますし、たぶんそういう面白さもわかってもらえると思いますし。




 6回染めの濃い藍色に染め上げてもらうことに。出来上がりは2ヵ月後くらいかな、たぶん。すごく楽しみです。あ、なんか出張染め替えの客、第一号だったらしくて、すごく丁寧に説明くださって歓迎してもらえました。




 んで、それとは別に。ギャラリーDoで物色、そして上のギャラリーも物色。




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 8階にて。いろんな作家さんが展示されていましたが、ダントツ。もう、手に取って見ないわけにはいかない。素晴らしく美しくて、震えたくらいです。




 すごくフラットな白い色、どこか柔らかな光を思わせる質感、そして優しいフォルム。どこを見ても、ダメをだしようがない。この形も良いけれど、他に欲しい型は売り切れ。でも、どれもが素敵で全部欲しいくらい。




 青木良太さん。どっかで聞いたことあんだよなぁ……と思いつつ買ってきたんですけれど。聞いたことあって当たり前だね、と家に戻って納得。既に伊勢丹で見たこともあり、装苑でもピックアップされていて、幾つも賞をもらってる。まだまだ若手だけれど、才能が満ち溢れている作家。




 名があるか、と言われると青木良太の名前だけでなんでも出来るほどではないのです。でも、この先に必ずやそんな存在になり得ると思います。素敵過ぎるなぁ。




C O H-RA2


 コロン、と。しばらく追っかけます。というか、欲しい型が手に入ってないので、絶対欲しい。そして、単純に個展なんかで本人に会いたい。まだ、ギリギリ会える範囲のはず。




 最近はそういう志向が強くなって、会える人には会いたいと感じます。会っておきたい、というか。顔を広めるとかではなくて、単純にその人に触れたいだけってのもあるけど。




 あー、そんな時に備えて、早く名刺を作ってしまわねば。今日、行くはずだったんだけどなぁ……絶対無理。




C O H-WC1


 もう一つ。こちらも、才能に満ち溢れてる。青木さんのがフラットな良さだとすれば、こちらは西洋的な趣を秘めた良さ。




 以前既に買っているwakako ceramicsのカップ。今度は取ってなどもなく、湯のみみたいな感じ。この人の作る作品も魅力的。この白いシリーズもそうですし、ウェブで見れるものなんかも是非とも生で見たい。




 というか、この人もたぶんまだ会える人。こっちでDoなんかで個展やってくれればいいし、あるいは僕が大分まで行けばいい。なんとか、したい。




C O H-WC2


 湯のみ、といいましたがフォルムは結構不思議なんですよっと。花瓶を思わせるような、滑らかなカーブ。見ているだけでも心地良さを感じる。こちらの白は飾られた白。でも、ぬくもりがある。




 別に、陶器や磁器について多くを知っているわけでもないし、深く語ろうとも思わないんだけれど。確かに心を打たれる瞬間があり、身を捧げたくなる美しさがある。




 出来ることなら、そういうものをもっと見たいと思う。ただし、余計なことは抜きにして。




 僕が思うに。日本美術、あるいは芸術。つまりは陶器や磁器などの焼き物、お茶の世界、日本刀などの世界、あるいは着物の世界。多くの日本の芸術と呼ばれる、美術と冠される世界は、余計なことが多すぎる。




 確かに昔から様々な基準や見方、美しさのなんたるかが議論され定められ、たくさんの歴史が出来てきているのだと思う。そういうものがあってこそ、今の美術や芸術が成立ち、一定の存在として認められる部分があるのだとも思う。




 でも、そんなの、僕には関係ない。素敵なもんは素敵なのだ。美しいもんは美しいのだ。それで何が悪い。




 確かに、良い悪いと好き嫌いは違う。僕はその作品の良いか悪いかなんてのは分からない、だから言わない。けれど好き嫌いはある、だから言う。




 そういう感覚で美術品や芸術を楽しんではいけないのか、と疑問に思う。日本はいささかそういう気質がありすぎる。わざとその世界を複雑にして、一般の介入を拒んでいる。それでこそ秩序が保て、芸術が維持されるというのは一理ではあるが、それならそれで大衆用の切り口をどこかに残し、上手く成立たせるシステムを形成するべきだと思う。海外の美術や芸術がそうであるように。




 大衆を悪とするならば、その悪すらも圧倒できるような芸術、美術、システムであるべきだ。本当に、芸術や美術が尊いものだと言うならば。




 逆に言えば、そういう環境でないから日本ではそれほど多くの芸術家が若くして育たない。そちらに向かう人も少ない。そりゃそうだ。受け皿が無駄に狭すぎるんだ。そしてその受け皿から吐き出す場所も。




 残念なことだ、と思う。興味を持ち、手を伸ばせば、その大衆の中に恐ろしく才能に溢れた人間がいるかもしれない。ぶっちゃけ青木良太さんもそうだ、陶芸体験を学校かなんかでしたから、陶芸家になっているわけで。




 日本はいつもそうだ。下らない部分やどうでも良い部分に、プライドやメンツや伝統を重んじる。本当は重んじて欲しい部分はグレーに濁すのに。そういうのが、少しでも変わってくれればいいのに、と勝手に思う。




 そしてもっともっと、たくさんの人が美術や芸術に進んでくれればいいのに、と思う。僕はただひたすら、その人達を応援する立場でいたいと思う。将来的には、今のように買うだけでなく、もっと現実的に応援できる立場として。




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 家で、母親が古い洋服(多くは頂き物らしいが)を整理していた。「これってさぁ、本物かなぁ」とかなり古いTシャツを見せられる。思いっきりエルメスの刺繍が入っているけれど、確かにその思いっきり具合がいかにもパチモンくさい。と思いきや。




 素材の良さ(コットン100なんだけど、すごく目が綺麗で光沢もあり、しなやか。今こんなコットンでTシャツつくってるとことはあんまり見ない)と縫製の良さ(Tシャツでロックはもちろん使ってるんだけど、その精度がすごく高い。無駄もなく、乱れもほとんどないし、ロックに使ってる糸自体も綺麗)、それと発色(赤なんだけれど、恐ろしく美しい)を考慮すると、「たぶん、本物なんじゃないのか」ということに。というか、そのクオリティでニセモノ作ったら利益でないよ、明らかに。




 と古い服がちょいちょい出てきて。ブランドものでなくても昔のフランスの生地のパンツとか、すごく面白い。レーヨンと麻の混紡なんだけど、空気感がすごく一昔前のフランスって感じ。生地として残して欲しいから、捨てるな、と。




 あれですよね、昔の服の生地って本当に面白い。出来ることなら、そういうのは取っておきたいんですよね。




 って、アレ、リハビリにしては書きすぎたかなぁ……ま、いいか。     arlequin