あれを知りたい、これを知りたい、あれをやりたい、これをやりたい。たぶん、そういう好奇心って誰でも持っているものだと思っていたのだけれど。
案外、そうでもないらしい。
「出来ると愉しいですよ」とか「やってみてわかることがありますよ」とか言ってもね、イマイチ賛同はされない。というかそもそも、アレですよね。そんなにモノに意識を持つこと自体がないんだな、きっと。
今、仕事が愉しいとは全く思わないから、常に他に愉しいことを見つけて乗り越えている。そんな生活もさっさと終わりにしたい。
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さてと、国立へ行ったとあれば足を伸ばすのはここしかないと思うのですが。行こう行こうと思いつつ、「なんやかやでモノは他でも見れるしなぁ」って遠ざけていた、「つくし文具店」へ。
ドリルデザインが好きってわけでもないけれど、なんというか一つの店のスタイルとしてみておくべき店ではあるような気がします。そして、これはずっと欲しかった。

つくしノート。普通に上質なノートですけれど、まあゴムがついているのが素敵。正直、この手のノートにしては高いけれど、「それでもいいかぁ」と思わせるものがあるわけで。魅かれるプロダクトって、大概がそうで。
ノート、好きなノートはいっぱいあります。もちろん筆頭になるのは立花文穂さんのプロ・ノート。あれだけ心地良く素敵なノートはなかなかありません。もちろん高いけれど、それ以上の良さが詰まってる。初めて見たときからずっと好きだなぁ。ノートの完成形の一つ。
アスティエ・ド・ヴィラッドのノートもたまらない。中の紙の色と、そこに載るコバ箔、そして何より総て色合いが絶妙に異なる表紙。あれはもう、一種のインテリアとしても成立するような、ノートとしての完成度が高い。
なんやかやで、日常ではモールスキンは使いやすい。定番のタイプも、薄手のやつも。もはや色々出すぎだったり、誰も彼もネコも杓子もモールスキンだから、辟易はするけれど、いざ「さてと、ノート買うか」となるとどうしてもそこに手が伸びるのは確かで。巷ではもう完全にモレスキンだけれど、僕は昔の通りモールスキンで通したいなぁ。
ggのオリジナルノートも良い。あれはもう純粋に実用として良いし、カッコイイ。シンプルで潔くて無駄がない。それでいて、ちょっとしたモノ好きな心を埋めてくれるディテール。売ってるところは少ないけれど、ノート好きは一度は試すべきだと思う。
とにかくたっくさん使う時は、無印が役立つ。正直、紙質は大嫌い(なんせ、万年筆のインクがのらない)なんだけれど、極限にシンプルだから場所を選ばない。気軽に破れるし、ガンガン使えるのは魅力。
ツバメのノートは素敵だ。通常のタイプはもちろん使いやすいし、見た目も良いし、何より今でも工場で手製本なのは素晴らしいとしか言いようがない。あ、そういえば最高に可愛いツバメノートを買っていたんだった。今度、書きますね。
ノートと言えば、コクヨは忘れてはいけない。と言っても、個人的に好きなのは千鳥格子のノートだけですが。あれはカッコイイよなぁ。今は黒しかないけれど、どう考えても色展開をするべきなのにね。グレーとか薄いオレンジとか、黄緑とか強めの赤、そして爽やかな水色とかの展開で。
みすず堂のオリジナルみすずノートなんかも良いんだけれど、あんまり使わない。なんだろう、恭しくしすぎなのかなぁ、あのノートは。
とか色々挙げましたが、ここに挙げたノートらがあれば、ほとんどの事に対応できるのが良い。
ま、永遠の王者は、ジャポニカだけどね。
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素敵なコートがあります。茶色くて、もっさりしてて、でも麻が入ってたりして。うーん、ちょっと高いのでどうしようかな。
雰囲気漂うベストがいます。グレーで、がちっとしてて、でもクッシャクシャで。着るかなぁ。
惚れ惚れする靴がおります。茶色で、または黒色で、クラシックだけれど気軽で。両方欲しいのです。
羽織りたいジャケットが揺れてます。薄くて、どこでも持っていけて、コレ一つで便利じゃんね、と。
可愛らしいメガネが佇んでいます。赤くて、ピンクで、四角くて、いかにも怪しい感じで。
綺麗で綺麗なシャツがいます。白くて、細かくて、ゆるやかで。
無骨なデニムがいます。ほっそりしたのが心地良くて、またどっぷりしたのが愉しくて。
軽やかなエステルがいます。たっぷりしつつ、スキッとする空気がいとおしい。
っていうのが、今欲しい服たちです。なんやかやで随分と増えているのは気のせいです。
とりあえず今月の終りには、DIGAWELの綿麻のシャツを、ちょっと染めてもらおうと思ったりしてます。本当は柿渋が良いのだけれど、藍になってしまうのかなぁ……。 arlequin