「自分の意志なんて、持たないことにしよう」、そんな風に思おうとしているのだけれど、なかなか上手くいかない。




 どこかで自らのエゴが顔を出し、声を上げ、何かを積み上げようとする。




 少なくとも仕事においては、意志とか希望とかそういうものを持ったところで、全くもって何にもならないことは分かったから、どうにかしたいんだけど。




 それでも色々考えてしまうのは、性格なのか理解が足りないのか。




 いずれにしても、こんなに時間が過ぎるのを待ってしまう状態も、珍しい。




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 その時々に持つイメージというものがあります。場所であれ、時間であれ、環境であれ、状況であれ。そのイメージはいかなるものにもなり、例えばそれが色だったりすることもあれば、言葉であることもあるし、あるいは記憶だったりもする。




 季節が変わろうとするごとに、若しくはその季節を毎年思い浮かべる毎に、洋服に対するイメージが出る。こんな色が着たい、こんな形が着たい、こんな空気を纏いたい。




 そんなイメージをもの凄い勢いで貫いてくれました。貫通です。




C O H-diglamy1


 なんか、実物より随分と青く写ってますが。本当はもっと黒く、いわば墨黒のような色味です。コットンとラミーの混紡。あれですね、以前出たギャバと同じような生地。




 それをクルミボタンで仕上げて、さらに後染めで黒く。この色味が、もうツボなんですよね。DIGAWELさんのウェブの色味のほうが、まだ近いかなぁ……それに少しだけ青味が入った具合。




 秋冬に着たい空気が、目の前にぶら下がっているのだから、大変でした。XSに袖を通してみると、サイズの感覚もイメージ通り。白のギャバのときは大きめにしましたが、これはジャストに。




C O H-diglamy2


 このシャツはもう、珍しくグダグダに着たい。ピシッととか、綺麗にとか考えず、ひたすらにそのまんま着たい。




 うーん、この感じを見ると、前の白の綿麻ギャバも、染めちゃおうかなぁ。ボルドー系統かダークブラウン系統なら、悪くない気がする。どうせ、白のまんまだとこの先あんまり着ないような予感もするしなぁ。




 今度、染め粉を見て良さそうな色味があったら、やってしまおう。




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 結局のところ、自分のことしか考えていない僕は、それ相応にしかどうしようも出来ないのかもしれない。




 言葉で様々なことを繕い、誤魔化すことは出来ても、現実的な生活としてはそうもいかない。




 この自己中心的な性格をなんとかしたい、とか思う。




 どうでしょうね。     arlequin