いやー、しんどかった。本格的に、「おー、これは、シャレに全くなってない。というか、何も出来ねぇ」みたいな状態になってました。軽い風邪から始まり、何時の間にやら咳が激しくなり、気がついたら(いや、むしろ気は完全にゼロだったが)中学生ぶりくらいじゃないかってほどに高熱をかましヒドイ頭痛に悩まされ、熱が下がったかと思えば、動こうとしたり息を吸おうとすると、やたら心臓と肺がいたいというこの連鎖。




 「どうしろっつーんだ、おい。そんなに無理した憶えはないぞ」と思いながら、結果丸3日ほど寝込んでおりました。今日の夜になって、痛みやなんやも少し落ち着き、こうしてPCチェックくらいは出来ているというか。




 人間って弱いもんですね。呼吸が出来なくなるだけで、異常に苦しくなる。まだ地味に肺の痛みは残っていたり、依然咳は止まらなかったり、高熱のせいか咳のせいか耳がよく聞こえなかったりしますが、なんとかして治したいところ。




 「ブログなんて書いてる場合じゃ、ないでしょうよ」って話でもあるんですが、流石にそろそろちょっと動くくらいしないと、頭にも体にも良くないので。それと、寝込んでいる間に色々と考えることもあったので。




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 バイト時代の女性先輩から、ライブのお知らせが届きました。去年のライブにも顔を出して、次はいつやるのか、と思っていた矢先。結構珍しいですが、音大を出て本格的にキューバ音楽をやられている方で。ピアノを弾きながら歌うのが、メイン。




 キューバ音楽に詳しくもなければ、果たしてああいうリズム感やコード感というものを僕が好きなのかどうかというのはさておき、その方の奏でる音楽はいつでも素敵なものでした。確かに音が、そしてその人が翼を持っていて、羽ばたいていて、少なくともその時間の間は、その空間を飛んでいる。




 今年も青山のホールでライブをするそうな、小さいですけどね。行きたいけれど、それには仕事なので行けません。まぁ、それはいいんですが。いずれまたやる時に、会えればいい。




 招待状には、メッセージが書き込まれていました。たぶんその人のことなので、一枚ずつ総ての人にそんな風にしてるんじゃないかなぁ(あくまで、知り合いには)。でも、そのメッセージは決して、投げやりなものではなくて、しっかりとしたメッセージで、響きがあったんですよね。




 一部に、こんな文章が。「arlequinくんの様々なことは、順調ですか? 急に飛ぼうと思っても飛べないもので、やっぱりまずは歩くしかないんだなぁ。でも飛びたいな」と。




 大したことのない文章なんですけれど、それが妙にこう刺さったんですよね。それで「あぁ、僕は今、歩いていない」ということに気がついたというか。




 いろんなことは順調なように思えて、そう思い込んでいるだけだったんですよね。ただ翼だけを一生懸命に作ろうとして、そしてまだ見えぬ翼ですら動かして飛ぶマネばかりしている。間違っている。




 もっと、現実を踏みしめなければいけない、と感じて。もっと、夢を追うことに、意識と順序を考えなければいけないと感じて。そのためには、今の状態でやるべきことを、なぁなぁにし過ぎている。




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 働いている環境に何かを言うつもりは全くないし、雇ってくれていることに感謝をするだけだと思う。それ相応に真面目に働こうと思うし、意味がないとも思わない。けれど、少しずつ馴染んできてしまっている。「ここは決して、到達点ではないのだ」という感覚が薄れてきてしまっている。厳密に言えば、薄く伸びてしまっている。




 今の環境で手に入れるべきものは、新しい人との繋がりや技術や経験や資金だ。手にすべきことは、モノに携わるという意味であったり製作や販売に関する何かかもしれない。なんとなくは分かっている。




 その学び取る意識が、弱かった。一日一日を、惰性で過ごしてしまうことも多々あった。もう、それはやめる。時間がもったいないし、僕自身がそれほど長いアレとも思わないし。




 もっと、密度を上げるべきだ。




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 そしてまた、確実に未来に歩かなければいけない。それは知識だけでも技術だけでもなく、下世話な話だが資金面でも、だ。




 いくらモノや服が好きとはいえ、そしてそれがいかに未来に繋がる話とはいえ、やりすぎだった。モノや服には、言いたくないけれど分相応がある。その分相応を少しばかり無視していた。




 もちろん経験や実践として、ある程度高価なモノを試し生活に取り入れ、ある程度高価な服に袖を通し生活するのは絶対にやるべきだ、誰しもが。僕は、そう思う。ただ、それを幾分過度にしすぎた。必要と超えていたように思う。




 結果として、計画しているよりも随分と資金が溜まっていない。全くではないけれど、ペースとしては良くない。あと、3年ちょっとくらいしか、時間はないのだから。




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 ということで、諸悪の根源ともいえるコムデギャルソンを、しばらく控えようと思う。それだけでも、正直年間にして数十万が変わるわけで。コストパフォーマンスも考えて、アーツ&サイエンスも、たぶん控える(洋服は)。きっとリアルに買うのはDIGAWELさんとか無印とか、あるいはそういう何かくらいかもしれない。




 雑貨に関しても、高級雑貨は、控える。もうある程度は使ってきて具合も分かるし、利点も欠点も見える。何もかもを増やす必要性はまったくない。カップはともかくとして。




 娯楽も、極端なものは省く。必要なものだけをチョイスする。




 まぁ、とはいえ目も手も休ませるわけにはいかないから、店も行くしモノも見ますけれど。これまでよりもペースを下げる。




 何度も宣言してきたことだけれど、今回は宣言というより強制的負荷にする。それでいい。




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 少し生活は面白くなくなるかも、しれない。少し感情の彩りも、豊かじゃなくなるのかも、しれない。でもそれは一時的なことだから、そういう時期も必要なのだ。鳥は始めから飛べるわけじゃない。歩いて、もがいて、転んで、そして飛ぶ。




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 数年後に仕事を辞める時のことを、考える。別に止めて欲しいとは露ほどにも思わないけれど、「ここにいてくれて、良かった」と思われるようにはなりたいと思う。難しいな、と思う。




 数年後に新しく始めることについて、考える。自信が全くないとは言わないけれど、思っている以上に大変なことは分かる。苦しいことも分かる。でも、それが好きなんだから、仕方が無い。




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 こういうことをきちんと考えるのは、しばらくぶりとも思う。それだけ、緩んでいたということか。




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 とにかくやるべきことはたくさんある。まず何よりも、体調を戻すこと。耳を戻すこと。そして働くこと。その合間に出来ることは多くを見ること、多くを触ること、多くを食べること、多くを創ること。今、部屋にある素材でもきっと何かが出来る。




 そして、笑う。     arlequin