いかんせん体調が優れないけれど、そういう時にこそ様々なことが分かり、様々なことが変わる。舞台の幕は、確実に近づいている。




 丸盆の上で仮面を被り、自らがマリオネットになる。道化師を笑っているつもりが、道化師になる。楽しいけれど、それは幕の中のこと。いずれは幕の閉じる時がくる。




 一つの幕が閉じれば、きっとまた一つの幕が上がる。そんな風にして、日々が過ぎる。そしていつしか、長い長い一幕が訪れる。




 ただただ小さな一幕かもしれないし、大きな一幕なのかもしれない。




 ラストシーン? 知ったことか。一幕のラストシーンは、新しい一幕の序曲だ。終りのない、サーカス。




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リング


 青と白のチェック。大判の生地。生活の中に溶け込める色。生活の中に取り込める色。幾つもの方向が捉えられる。




 乳白色。ともすれば、幼い質感。生活とは隔たれた色。生活から切り離された色。それでも、幾つもの方向が捉えられる。




 さて。




 ある方向は姿を変え、ある方向は単純に動く。ある方向は手を加えず、ある方向は単純に留まる。




 そうか。




 繋がる。




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 本当に欲しいものというのは、実は少ない気がする。物欲があればあるほど、むしろそんな風に感じる。言うなれば、本当に欲しいものは手に入れることが出来ないからこそ、他のものを手に入れてしまうのではないか。




 たぶん、即物的なモノなんて、いらないのだ。だからこそ、大切にしながらもどこか、モノは結局モノであるという認識が強い。




 うん、いつか。     arlequin