凱旋門。
初演は2000年。
理事が文化庁芸術祭賞演劇部門優秀賞を受賞した
記念すべき作品。
ですが、なかなか観る機会がなく、
再演の今回が初めて。
しかも、18年ぶりの再演に、
まさかの同じ役で出演する理事の奇跡に遭遇(笑)
ドイツでナチスが台頭した1930年代後半、
各国から亡命者が流入した騒然としたパリで・・・
と基本的に暗い話。
観ようと思わなかったのもこの暗さのせい。
亡命者の外科医、ラヴィックの理事(轟悠)と、
イタリア人女優ジョアンのまあや(真彩希帆)の恋がメインで、
トップのだいもん(望海風斗)がラヴィックの親友ボリスを演じる。
だいもん用に初演より歌や出番はだいぶ増えているらしいが、
それでもトップがなぜこんな立場に・・・。
理事降臨は生徒にとっては勉強することだらけでいいのだろうが、
ファンからしたら邪魔でしかない。
とくにあと何回観られるか・・・と差し迫ったトップだったらなおさら。
(だいもんまだまだ演ってよ)
次期娘候補を連れて、他劇場でやってくれ。
それでもやっぱり理事はすごくて、
まあやと2回りは違うであろう歳の差を感じさせず、男だった。
いつも不安な歌唱も今回はひっくりかえったのは1度きり。
なんとか聞けた。
軽い女に見えがちのジョアンをどう演じるのか
まあやに期待したが、まずは初演のぐんちゃん(月影瞳)にそっくりでびっくりした。
声?セリフ回し?とにかくそっくり。
言われてみれば元から似てたのか、作りこみでそうなったのか。
昔の作品なので、大芝居っぽい感じは仕方ないのだが、
それでもやっぱり歌が最大の武器。
だいもんも主役ではないが、
歌の場面はさすがで、理事とも対等。
昭和っぽいだいもんがそのままいけた。
ジョアンのパトロンとなるアンリ・シャルダンをさきな(彩風咲奈)
スタイルがとにかく良く、スーツ姿がたまらないが
いつも冴えない役でかわいそう。
当たり役となる役が早く来てほしい。
医者のヴェーベルは翔くん(彩凪翔)
いい役といえば最近はすっかり翔くんに軍配。
2番手に上がったさきながハズレ、上がれなかった翔くんが当たりとは
どちらがいいのか。
スペインからの亡命者のカップル、
ハイメ・アルヴァレスをアーサー(朝美絢)
ユリアをみちる(彩みちる)
終わるまでみちるだとわからなかった。
2階からだったからなのか、
ニュースでだいぶアップで観てわかったくらい。
女将フランソワーズの美穂さん(美穂圭子)が
名曲を歌い上げていて、やっぱりいいなと思った。
やっぱり、
「なんでこの作品を再演しなきゃならなかったのか」
最後までわからなかった。
ショーは暗い話を吹き飛ばすように明るいラテンショー。
オープニングがさきなの銀橋でスタートするのが新しい。
だいもんがとにかく明るく、とにかく歌い上げるのが印象的。
この人は「うまいでしょ?」的な鼻につく感じもなければ、
玄人っぽい感じもさせない。
なのに完璧に歌う。
これがファンが多い要因か?
まあやも安定の歌うまで、
また少し痩せたのに、歌はまた凄みを増した。
途中、だいもんと男役が女役として絡む場面。
さきなのスタイルの良さがとにかく際立つ。
白くて体にフィットした衣装なのに、なぜそんなにも細い!!
さきな、翔、アーサー、ひとこ(永久輝せあ)の中で、
アーサーが一番男に見えたのが面白かった。