プリンセス・トヨトミ | キラキラ

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本の感想。

ネタバレあり。



「プリンセス・トヨトミ」  万城目学 著


【あらすじ】

このことは誰も知らない─────
四百年の長きにわたる歴史の封印を解いたのは、東京から来た会計検査院の調査官三人と
大阪下町育ちの少年少女だった。
秘密の扉が開くとき、大阪が全停止する。

(原作より引用)



私の好きな作家さんのお一人である

万城目学さんの作品です。

映画化もされましたが、

そちらは拝見していないので本についてのみ感想を。


会計検査院の調査官が

全国各地の自治体などへ赴き、

税金が正しく使われているかを調査する中で

大阪にある「OJO」という団体を調べた際に

“大阪国”なる存在を知り、
(大阪府とは別物)

多額の税金が支払われているにも関わらず、

その実態を国は明らかにしていないという

事態を知るのです。


大阪の男たちが必死に守る 大阪国とは何か?

王女とは?

何のために守っているのか?

といった所が主軸になっていて、

同時に

大阪下町に住む中学生たちの、とある戦いも

並行して描かれていきます。



・大阪城の下に大阪国の本部のような施設が
隠されている

・徳川家康、明治政府など大きな力を欺くように
大阪国が作られたこと

・日本の総理大臣とは別に
 大阪国にも総理大臣が存在する

・秀吉の末裔(王女)を秘密裏に守り続けてきた

・大阪の男たちは大阪国が脅かされるときには
大阪を全停止して立ち上がること


などの壮大な歴史ロマン的な要素から 

期待値が上がり過ぎていたのか

意外とあっさりしたエンディングに

少々拍子抜けした感は否めませんでしたえー?


もっと国を巻き込んで

ハチャメチャな展開になるのかと

想像していたので、

これで終わり?みたいな。



全体の流れは、

万城目ワールド独特の疾走感があって

ワクワクしましたし、

無理やり感がする設定も

それはそれで面白いと思いますし。

ただ、

最後がもっとスケールがあったらな、と。

王女を守る重要性とか、

代々、父子にのみ伝わる歴史とかが

もう少し深く回収されて欲しかったというか。


面白くなかったということではないんです。

設定が設定なだけに

大どんでん返しじゃないですが、

もっと華々しいエンディングが

個人的には良かったかなと思った訳です。


結論は、

男は女の手の内で転がされている

ということでしょうか。



今回の一文。

「人は自分と違うことを、なかなか理解せえへん」


つまりは、それが出来れば

世の中の大半のことは解決出来るということ。

互いの違いを受け入れ、理解しようと努力する。

あの国やあの国のあの人やあの人に

伝えたい一文です。