子宮物語〜出産②〜後編 | がんナースのおし(も)ごと

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検診では見つからなかった進行浸潤がん(子宮腺扁平上皮がん)と、検診で見つかった早期大腸がん。そんな2つのがん経験者ナースの、日常や生き方を綴っています。

アロハシャツと短パン姿で登場の主治医に硬膜外麻酔を入れてもらい、いよいよ無痛分娩の始まり

無痛分娩は、効く人と効かない人がいるからね。
陣痛が始まってしまえば、なかなか効かない人が多い。

なんて聞いてたし、実際同じ職場で同じ時期に産んだナースも無痛分娩だったけど

「私は陣痛がずーっとありましたよ。
でも、痛みの波がハッキリわからなくて、初産だったし、いきみ方もよくわからないから、すごく時間かかったんですー!
産まれた時も子どもは仮死状態で、小児科の先生が来てくれたから助かったけど、大変だったんですよー。私は無痛分娩の良さがわからなかったかな?」

なんて聞いてたから、期待せず‥。

いや‥でも‥。
普通分娩との違いを楽しみたい‼︎
とウキウキする私。

そして、私の場合 効果てきめん

すぐに下半身の感覚がなくなり、立膝も出来なくなって
もちろん尿意もわからないから、時間ごとに導尿される
知ってるナースに大事なところ見せまくり

分娩監視装置(お腹の中の子どもの心音チェックの機械)を装着し、陣痛の波や心音を確認しながら待機だったけど全く感覚なし

「たまさーん。痛みはなくても、お腹の張りくらいはわかります?」
とナースに聞かれ

「全く何も感じません‼︎」  即答

「張りは感じてもらいたいんですけどねー。
たまさん、効きすぎですね。こんな効いてる人みたことないです。
「効きすぎてるから、麻酔の量下げますねー。」
だって

とにもかくにも、余裕

携帯を触りながら、皆に「もうすぐ産まれまーす」とメールしながら、うちわであおぎながら、ヘラヘラ旦那さんと話しながら笑いっぱなし
隣りで「痛いー痛いー‼︎」苦しんでいる産婦さんがいたのに
ごめんなさい

旦那さんも夜勤明けで休んでなかったから

「なんなんコレ?ホンマに産まれるん?
こんなもんなん?ちょっと俺帰ってくるわ!

て帰宅してしまう始末

頻繁に来てくれるナースが導尿と内診を繰り返し、私もニコニコ普段と変わりない状態

しかし旦那さんが帰った途端

「たまさん、大変‼︎もう産まれるよ!家族さんは?」

「え?さっき帰りました!」

「ダメダメ‼︎早く呼んで‼︎もぅ産まれちゃうよ!とりあえず分娩室に行きますから‼︎」

「待ってー!とりあえず連絡しますから。」

「そんな間もない!じゃあ、このまま分娩室に運ぶから今携帯で連絡して!」

下半身全く動かない私をベッドごと、慌てて分娩室に運ぶナース達をよそに、私は運ばれながら携帯で皆にメール連絡

「こんな光景ないですよー!

とナース達に言われながら分娩室へ

分娩室では、私が今までずーっと避け続けてきた同い年のドクターが待ち構えている

いや、だからぁ~
なんでこの時にこの先生なん?

もぅ笑えてきて笑えてきて、ニヤニヤが止まらない

「たまさん‼︎ちょっと真剣に‼︎

とりあえず私達の合図でいきんでください!!」

ナース達の顔が真剣だったので、私も必死に笑いをこらえて、皆の合図でいきむ
これ、出産歴があったからいきみ方がわかったけど、初産なら絶対いきめなかった。

いきみ数回ですぐに頭が出てきたようで

ナース達が

「もう頭出てきましたからねー。

てか、頭‥‥‥デカッ
3630gでしたからー

もぅそれで分娩室が笑いの渦

元気な産声をあげ、無事に男児出産

「えっ?!もう?
こんな楽ならいくらでも産めるー‼︎」


産んだ後の私の第一声

「このタイミングでそんなこと言ったの、たまさんくらいですよ!」

皆に爆笑され、全く疲れてない私をみて、婦人科の師長が私の部所に連絡

分娩室のベッドに寝ている私の元に続々と、職場の同僚達が「おめでとう」と入ってくる
いやこんな光景みたことないし

ちなみに旦那さんはまだ病院敷地内にいたようで、ギリギリ間に合いました!
が、立ち会い分娩は自分が倒れるかも‥とのことで拒否

親は間に合いませんでした。


とまぁ、無事に終えた無痛分娩
麻酔薬を使用するし、胎児への影響などのリスクもいわれてますが。
私は本当にストレスなく、楽だったので、皆様におススメしています

こんなに順調に、無痛分娩を経験する人も稀ですよ
無痛分娩を取り入れて日が浅いからか、こんなにスムーズなお産を私達も初めてみました
たいてい、陣痛がある程度あったり、全く効かなかったり‥なんですがね。
たまさんに満足していただけて、私達も嬉しいです。
有難うございました

とナース達にも御礼を言われ

いえいえ、こちらこそ本当に有難うございました

そしてずーっと避けてた同い年のI先生
最後の最後にお世話になり、有難うございました

主治医O先生は、子どもさんの部活試合の合間に何度も
「たまさん、どない?」
と病院に電話してきたそうで
そんな気になるなら、早く帰ってきて立ち会って‼︎
とナース達に言われてましたが

まぁ大満足の出産で、私の子宮物語は幕を閉じました

2人目の出産後は、感染を起こすことなく順調に経過しました。
ただ、産後すぐに職員健診があり、入院中に健診を受けましたが、結果がすごいことになってました

貧血・肝臓、腎臓の機能データーが、桁外れの異常値
即要精査、要治療‼︎とのことで数ヶ月後に再検査すると正常値‥。
ということは、出産は本当に「命がけ」
身体にかなりの負担がかかってるんだと痛感いたしました

長い長い子宮物語を読んでくださり有難うございました

子宮はもぅないですが、ここに書き綴ることで、私自身も満足しています。