産めないこととは | がんナースのおし(も)ごと

がんナースのおし(も)ごと

検診では見つからなかった進行浸潤がん(子宮腺扁平上皮がん)と、検診で見つかった早期大腸がん。そんな2つのがん経験者ナースの、日常や生き方を綴っています。

仕事復帰して、約1ヶ月

もぅ1ヶ月?
まだ1ヶ月?

またまた久々にお会いした患者さん夫婦から

「長い間、見なかったから、赤ちゃん出来たんかなぁと思ってたんよー

な~んて、言われてしまった

いやいや、その反対で、子宮取りに行ってました

とも言えず

赤ちゃん生むような歳に見えてたのか?
高齢出産?

ま、有難い話であるが

今思えば、出来れば3人産みたかった

1人目を産んだあとは、いらないと思ってたのに
(産むのが嫌だったんでなく、可愛いすぎて、次を産んでも可愛がられない!と思った

しかし、3年半あいて産んだ第2子はやはりまた可愛かった


何人産んでも可愛いとわかった途端、2子に続きすぐに第3子が欲しいと願ったが、旦那さんに


もう
こらえて!

と言われてしまった


しかしまぁ、世の中、
こう言われてしまうのは、たいてい旦那さん側ではないのだろうか

まさか、産む側の私が言われてしまうなんて

旦那さんがイクメンだからだろうか?
もぅ疲れ果てたのか?

でもまぁ、今となれば、金銭的なことも考え、これでよかったと思う

でも
でも・・・。

2人産んでても、赤ちゃん見ると、いいなぁって思う
産めていいな。て

赤ちゃん?と言われると、子宮を失った喪失感が押し寄せた

もう産むことはないけど、

産まない。
産めない。

は違うよね

と思うと、産めない人の心の痛みは計り知れないと思う。

何気に傷つけられること、傷つくこと、いっぱいいっぱいあると思う

でも、そんな人達はきっと誰よりもニコニコ笑って、心では想像を絶するほどの涙を流してるんじゃないだろうか。
その涙は何より純粋で、尊いものなんじゃないかと思う。

自分がこの病気にならなければ考えもしなかったこと。

「子どもは?」とか
「赤ちゃんまだ?」とか、
今まで何気に聞いてたけど、

赤ちゃんが出来ること、
産むことは、
当たり前なことじゃなく、
普通なことじゃない

きっとこの言葉で私も何人も傷つけてきたのかもしれない。

今思うこと。
尊い涙を流してる人たちには、誰よりも幸せに、何よりも大事にされる人でいてもらいたい

そう願います。