「地域一番店」「カテゴリー一番店」請負人の清水です。
ソフトバンクグループの孫正義氏の言葉。
「近くを見るから船酔いするんです。
100キロ先を見てれば景色は絶対にぶれない。
ビジョンがあれば、少々の嵐にもへこたれません。
苦しいときこそ、船と仲間を命がけで守れる人でなければ、
大将になってはいかんのです。試練なんて黙っていてもやってくるものなんです。」
正直、僕は孫さんのことが“大好き!”というわけではないのですが、
流石にこの言葉は素晴らしいと思いました。
僕のいる業界(今は不況でどこの業界も同様なのかもしれませんが)は、
この「先」を見ている経営者の方がとても少ないように思えてなりません。
「安い」は良いことばかりではない。
僕の会社はサロン経営だけではなく、
サロン様に対して商品やサービスを提供する事業も行っています。
今日、こんなことがありました。
サロン経営者様からのお電話。
他の業者さんの「対応」に疑問を持たれたようで、
僕のところに電話を掛けてこられました。
とあるサービスに対して、僕の会社が提示している「価格」が合わず、
他の業者さんでお願いをされていたようでした。
要は「安い」を理由にお付き合いをされていたわけですが、
この「安さ」に対して、
「安い」から、サービスのクオリティが低いんじゃないかと疑問を持たれたのです。
そして、
「高い」僕の会社に電話をされてきました。
「清水さんのところはいくらでやっていただけますか?」
当然、僕はその業者さんに合わせるように値段を下げたりはしません。
「今までのお付き合いがあるでしょうから、そちらで対応をお願いしてください」
とお話ししました。
そういうと、お客様は
「困った時はまた相談させていただいて良いですか?」と最後にお話しされました。
僕は「良いですよ」と伝え、電話を切りましたが、
やはり、後味が良くはなかったです。
お客様の責任。業者の責任。
一つはお客様の言い分。
「価格」で選ばれた業者さんに疑問を感じて、
他の業者に値段交渉する…ビジネス的にはあって然るべきなのでしょうが、
そもそもそれが適正価格なのかどうかを見極められなかった責任がお客様側にもあるのではないか。
もう一つ。
そういうお客様の姿勢を作ってしまったのは、業者同士の無謀な“値段の叩き合い”が原因しているのではないかと。
お客様を育てる…というと語弊があるかもしれませんが、
ある程度の「マナー」や「節操」を持ってお客様に対応することで、良いお客様とのお付き合いが出来、業界の質を向上させるのではないかと僕は思っています。
先が見えていない。というか、見ようとする余裕すらないのか。
今の状態は、「とにかく目の前の果実を取りに行け!」
といった感じに思えてなりません。業者のそういう姿勢が、
お客様にも見透かされ、必要以上に「値段交渉」されてくる。
無謀にもそれに対応しようとする業者が出てくるので、
結果、サービスのクオリティが低下する…という悪循環になっています。
最終的にはお客様(お店)に不利益になるのは間違いありません。
お店にとって不利益になるということは、そのしわ寄せが消費者にいくことになります。
やはり「先」が見えていないのです。
近くばかりを見ているので、まさしく“船酔い”状態です。
非常に危険な兆候だと危惧しています。
エステの業界の経営者の皆さん!
もっともっと先を見ませんか!