2週間くらい前、
借家の外流し下を掃いていて、
ぉっ、
「ここまで(這って)来たのぉ?」
庭に生えているカラマンシー(シークワーサー)の木から、
ここまで12、3メートル、
夜の間にモゴモゴと来たようです。
以前は玄関ドアわきでサナギになってて、
そこまでは数メートル、
あんまりよく見えそうもない目で、
どうやって雨の当たらない、
安全な場所を見つけるのでしょうね。
その翌朝、
全く違った形になっています。
夜の間に少しずつ、
SF映画のCGみたいに変わっていくのか、
それとも、
なにかボクの知らない方法があるのか。
それはボクが気づかないだけで、
自然とは、そういうモノなのかも。
ここでは7日くらいで羽化しますが、
2週間が過ぎても羽化がなく、
近づいて見ると殻に穴が開いていて
何かに食べられてしまったようです。
外からなのか、
それとも、中で寄生していた何かなのか。
成虫になるためのサナギの時間、
動けず、逃げることも出来ずに、
ただ全エネルギーを使って、
身体を創り変える、
もっとも危険な時間。
カラマンシーの木には、
またアゲハがヒラヒラ飛んで来ます。
その葉にとまり、
クリーム色に黒い縁取りのある羽根を、
ゆっくり開いて、そして閉じて、
はっきりと、その対象な模様が見えます。
それは、
もっとも危険な時間を生き延びた、
もっとも確かな証拠です。



