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日本のセブンイレブンには、到底かなわないものの、
ここ北緯7度にも、そのチェーン店があります。
「これぢゃぁ、原発いるわけだょ」、
というほど、顧客重視で十二分に冷やされた店内。
レジの、赤いファスナー制服、
お腹がパンパンに張った若い女子店員に、
最近覚えた「エアコンを弱めて下さい」と、
ビサヤ語で懇願してから、イートインへ、
いちおう、ステンレスのマシンから淹れられたモノ、
いちおう、ブラックのまま飲みます。
店舗正面の9ミリガラスが、
外のカオスを遮ってくれますが、
見えるモノは、見えるわけでして、

山間部から、買い出し部隊を運んで来てくれた、
哀愁1号 。
屋根にはお米でしょうか、それとも飼料か、
どちらにしても、屋根がふさがるほど積み、
ギュウギュウとロープかけされます。
そこへ部隊員が乗り込む前に、
正面の、ここセブンイレブンで、
18ペソのソフトクリームを、
バニラにするか、チョコにするか、
店員がイライラしながら注文を待っていようとも、
じっくり考えて二者択一します。
これから戻る、控え目に言って「山間部」では、
けっして買えないモノですから。
白木のドアもくくりつけられ、

新築なのか、それとも改築なのか、
その家には、このドアと同じ長方形が開いていて、
家族全員、もしかすると放し飼いの雑種犬までもが、
この幸運を招き入れるドアを、待っているのかも。
カフェインでボクの頭は冴えていても、
このドアが開閉されることになる家、
まったくイメージわきません。
ふと、
哀愁1号へ同乗したくなったりして。
