この日、ボク誕生日でしてね、

友人のケンと奥さんのセシルが来てくれ、
キャプテン・アメリカ

ちょっぴり、
いや、かなりこっぱずかしいです。
でも、嬉ぴぃ~!(笑
初めて誕生日会に呼ばれたのは、
たぶん、小学三年生の時。
クラス、学年でも誕生日会は、
一般的ではなかったと思います。
うちは四畳半の台所、六畳一間のアパート、
そこに5人家族、
トイレは共同トイレ、
ボクはこれが好きだったんです、
なんか、
「使う時だけ、使えばいい」って、
部屋も狭いですし(笑
そして、
うちも誕生日を祝う習慣はなく、
ただ、
不思議と羨ましいと思ったこともなく、
それは、今でも同じなんです。
呼ばれた先は男子の友だち、
うちと同じような「荘」がつくアパート、
太陽荘、平和荘、そんな名前が多かった気がします。
そこへ7、8人の小学三年生、1人女子がいました。
思い出せるのは、
キラキラ光るアルミ箔に周りを囲まれたショートケーキ、
何か他にもあったはずですが、
思い出せるのは、そのケーキだけ。
六畳間の畳の上にみんな正座して、
周りをキョロキョロ、
飯台(当時はそう呼んでました)の上、
五つは揃いの小さな皿、他はちぐはぐ、
フォークも五つだけは揃いのモノ。
その家のお母さんがニコニコしながら、
「あら、みんな食べて食べて」
みな誰とはなしに、
遠慮がちに「いただきま~す」
真っ白な上にイチゴが一つ載ったケーキへ、
フォークをスッと落とし、
皿にあたる音も遠慮がちです。
そう、みな慣れないことへ、
ちょっと遠慮がちなんです。
今、四十年近くが経ち、
ここ北緯7度の小さなアパートで、
遠慮も何もなく、普通に、
ほんと不思議なくらい普通に、
言えるんです、
「ケン、セシル、ありがとう」