鏡の前、鏡の中、 | 浮世離れした、半世捨て人のブログ

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“ 暑くて、やってられねぇ〜 ”




そりゃあ、たまには世界遺産の食事も恋しくなりますよ(笑)

美味しく、見た目もオシャレ、食は健康の源ですからね。





うちから2ブロック行くと、スコールがわだちを作り、

デコボコの未舗装「昭和30年通り」

そこにはサリサリストア兼、わずかに野菜を売るお店、

黄緑が濃く硬いトマト、野菜増量目的のトウガン、

肉厚で香のないピーマン、そして小ぶりのニンジン。


パンデサール、コーヒー、バナナの朝ごはんを、

パン屋の店先で済ませて、このベジタブルショップへ。

小ぶりのニンジン一本を選び、お店のマダムに洗ってもらい、

「コリッ、コリッ」とかじります   時価8~15ペソ

みなさんがお召しになる、

カゴメの野菜ジュース、ここでは買えませんから~(涙)



店先でニンジンをかじる日本人に、

マダムが首を少し前に出し、自信なさげな英語で、

「アナタ名前は?  何歳?」

マダムは白髪をひっつめ、日焼けした肌に、

白目がややくすみ、その中にこげ茶の瞳。

そして、薄い唇を縁取るような皺。



ボクは名前と歳を伝え、

歳を聞いて、いつも通りの驚きの声、

「日本人は、ホント若く見えるネェ」と。


フィリピンではよく言われますが、

ボクは若く見えるわけでもなく、日本で歳相応に見られます。


ボクも社交辞令的に同じことをマダムへ、

マダムは、もしかしたら90代かなと。

マダム「ワタシはメグ、70歳よ」



日本人が若く見えるのではなく、

フィリピン人が歳をとって見えるのです。



メグ、再度「日本人は、ホント若く見えるネェ」

ボク「ここは強い太陽が一年中だから」

メグ「それに日本人はニンジンを食べるから」(笑)


ボクは、左手の人さし指、中指、薬指を、

右手で順番に立たせながら、

「そう、たくさんの野菜、揚げ物も少なく、

   フィリピンのように味付けも塩っぱくなく」、

と挙げていき、ハッとします。

メグの柔らかなこげ茶の瞳はボクを見つめ、

ボクはココロの中で「やっちまったぁ」と。


店先で、査察官がミスを一つ一つ挙げていくように、

ボクはメグの70年間の食習慣を非難していたのです。




メグ、ゴメンね。