今回から少しずつお茶のお話をしていこうかと思います
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武夷岩茶
中国茶好きの方ならご存じの名称かと思います。
武夷岩茶は「中国国家基準」「地理標示産品 武夷岩茶」という規定に「どういうお茶が武夷岩茶というか」を詳細に定められています。(GB/T18745-2006(GB/18745-2002代替))
武夷岩茶については、何回かに分けてお話したいと思います。
さて、どう定められているでしょう。
まずは生産地についてです。
武夷岩茶とは、この基準の第三章に定める範囲において、独特な武夷山の自然生態環境のもつ条件の下(その生産に)適した茶樹の品種を選択し、(それを)用いて無性繁殖及び栽培を行い、かつ、独特な伝統的加工技術によって生産されたもので、岩韻(岩骨花香)という特性を有した烏龍茶を指す。
この基準の第三章に定める範囲とは、福建省武夷山市の管轄する行政区域の範囲を指します。武夷山市全域です。
詳細にいえば、「新豊街道、崇安街道、武夷街道、五夫鎮、興田鎮、星村鎮、嵐谷郷、呉屯郷、洋庄郷、上梅郷」となります。
生産地区分
この基準が最初に定められた2002年の基準では上記のほかに生産地の地区が分かれていました。2006年の改定の際にこの呼び名はなくなっているのですが、今だこのような地区分けをする方もいるようですので、こんな分け方もあったのか~というところでここでご紹介しておきます。
「名岩産区」
武夷山市の風景区の範囲内のことを指し、その面積は約72キロほど。東は崇陽渓、南は南星道路、西は高星道路、北は黄柏渓の範囲
武夷岩茶の古来からの生産地で名岩産区を除くその他の地区
生産地による茶の分類
以下の分け方は規定にはありませんが、よく使われますので、覚えておくと便利だと思います。
「正岩茶」
三坑両澗(牛欄坑、慧苑抗、倒水坑、流香澗、悟源澗)両窠一洞と言われる武夷岩茶の中心地帯で生産される茶葉で、その品質は、すべてにおいて卓越しています。香りは馥郁として高く、岩韻が際立っています。
「半岩茶」
正岩茶の生産地より海抜が低い武夷山の風景区の外側で生産される茶葉で、岩韻は正岩茶のそれに劣ります。
「洲茶」
武夷山の周辺にて生産される茶葉です。更に岩韻はわかりづらくなります。
「外山茶」
武夷山の中ではない、周辺の山や地区で生産されたお茶です。いわゆる岩韻はあるのでしょうか??…
岩韻
そして武夷岩茶と呼ばれるお茶で特に大切なのは「岩韻」と呼ばれる「風味と香り」です
この香りがどういうものかは、自分で習得するのが一番です。というかそれしかありませんとはいえ、どんなもの?と気になる方もいらっしゃるかと思うので、説明の一例を
「武夷山の岩肌のもつ養分を吸収した茶葉が茶として抽出されたときに醸し出す味と香り」
お茶を口に含んで喉を通る時に感じる味わい、鼻腔から抜ける香り…でしょうか。
回数を重ねるとお茶によりその差が歴然で、どのあたりで生産されたお茶かがわかるようになります。
そうなったらもう岩茶のプロ!!と言えるかもしれません
種類
武夷岩茶は、「大紅袍」「名欉」「肉桂」「水仙」「奇種」に分けられる。
中国国家基準 GB/T18745-2006より
ようやく聞きなれた名前が出てきました!
でも、おや?と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
水金亀とか、白鶏冠とかいうお茶の名前がないけど???
そうですよね。
これって、ちょっとわかりづらいと思います。
「大紅袍」「肉桂」「水仙」とは、それぞれ一つの品種であり、お茶の名前になっています。
しかし「名欉」と「奇種」は品種の名前ではなく、総称なのです。
「名欉」
これは武夷菜茶(武夷山にある野生茶の品種の俗称)の中から独特な風味や香りを持つ優良なお茶と言われる品種の総称です。ではこの「名欉」にはどんなお茶の種類がるのでしょうか。
「鉄羅漢」「白鶏冠」「半天腰」などなど…(お!!ようやく!!)
そうなのです。これらのお茶が名欉の中に属するお茶となります。
「奇種」
これは武夷山にある「名欉」と呼ばれる品種の茶葉以外の野生品種の茶葉を使って作られるお茶のことです。
次回は
それぞれ一つ一つのお茶について見ていこうと思います