芝2000mの持ち時計2.00.4
武豊ほどの名手が、敗因が全く分からないはずがない。私は、ドバイワールドカップ後の武豊のコメントはヴァーミリアンのプライドを守るための発言であったと理解している。
それとはまったく別の話として愚論を展開するならば。
勝ち馬カーリンが2000mを駆け抜けたタイムは2分00秒1。このタイムはヴァーミリアンの芝2000mの持ち時計である皐月賞のタイムより0秒3も速いのである。ダート2000mの持ち時計も去年のドバイワールドカップの2分2秒6である。
ここにヴァーミリアンの敗因を見出すことは全くの見当違いなのだろうか?
そうでなくとも、ドバイワールドカップの今までの勝ち馬は芝でも活躍した馬か、持ち時計が速いアメリカの砂上のランナーがほとんどである。日本馬で唯一連対を果たしているトゥザヴィクトリーにしても芝のGIであるエリザベス女王杯を後に制していることを考えるといわゆる「ダート馬」ではない。
いわゆる「ダート馬」ではなく、ダート適性が見出せるスピード勝負に適した芝で活躍する馬を送り出したほうが、まだ善戦できるのではないかと思うのだが。その意味で言えば、むしろウオッカやアドマイヤオーラがドバイワールドカップに出走していたら、もしかしたら意外と善戦したかもしれない。
ともかく、ダートで敵なしだからドバイへ行ってみよう、ではなく、こういう適性だからドバイで走らせてみようへ展開しない限り、トゥザヴィクトリーに迫る成績の馬は出てこないと思うのだが。日本にもそういう素材や素材を生かせるシェフはいると思うんだけどねぇ…。