絵本の紹介 新装版 銀河鉄道の夜 | たちばなのたちばなし ♡ たちばなゆひ オフィシャルブログ

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大阪放送児童劇団で演技を学び、表現することの楽しさを知りました。モデル、レポーターとして活動後、京都松竹で時代劇を学び、映画やドラマ、舞台など女優として活動しています。
このブログでは、日々の出来事や美容や健康についてなど、色々なことを綴っていきます。

大阪教育新聞9月号「子どもと絵本をむすぶVOL.161」にて『新装版 銀河鉄道の夜』を紹介させていただきました。
知ってる人も多い作品だと思います。宮沢賢治は8月27日生まれで9月21日が命日のようなので、9月にご紹介することができて嬉いです。藤城清治の影絵でよみがえる宮沢賢治の世界、圧巻です!





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新装版 銀河鉄道の夜
原作 宮沢賢治
影絵・文 藤城清治
講談社
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(以外、掲載文です。)

あざやかな光と影絵
銀河の夜を楽しむ

 父親が家におらず、病気で寝たきりの母をもつジョバンニは、学校が終わると活版所へ働きにいきます。年に一度のケンタウル祭の日、カンパネルラが一緒に川へ行こうと誘ってくれました。仕事を終えて母に星祭りへ行くことを告げ、ジョバンニは川へ向かいますが、ほかのこどもたちにからかわれてしまいます。ジョバンニはさびしくなって町とは反対の丘へ走っていきます。そこで眼を空にあげると夜空一面に星が輝いていました。気が付くとジョバンニはカンパネルラと銀河鉄道に乗っていて、二人の不思議な旅が始まります…。

「光と影の詩人」と呼ばれる藤城清治が演出を手掛けた影絵劇『銀河鉄道の夜』は、一九五六年の初演から二千回以上も上演されて多くの人に感動を与えました。その影絵劇を収録した影絵本『銀河鉄道の夜』の初版から、刊行四十年を記念して新装されたのが本書です。四十年前に撮影された影絵劇の全場面のフィルム画像がデジタル技術で美しくよみがえりました。精巧に切り抜かれた黒い影と、星祭りの町の様子や銀河列車から見える景色が色あざやかな光で表現されています。
現在九十八歳の藤城は戦後に影絵劇を始めた時、宮沢賢治の作品を読み返して「これはぴったりだな、影絵のための童話じゃないか」と思ったそうです。そして賢治の作品と共に影絵劇が成長し、発展してきたと語っています。
原作者の宮沢賢治は国語の教科書に載っていて知っている人も多く、たくさんの童話や詩をのこしています。私が初めて「銀河鉄道の夜」の物語を知ったのは中学生の時で、読み終えた時にとても切ない気持ちになったことを覚えています。同時に、ジョバンニが問う「ほんとうの幸せって、なんだろう」という言葉がずっと頭から離れませんでした。本書の文は短いですが、絵本を読んだ後に改めて原作を読んでみると、より深く銀河鉄道の夜の世界を楽しむことができます。
藤城清治の幻想的な影絵の世界と、宮沢賢治の不思議な世界観が融合して生まれた珠玉の作品である本書で、芸術の秋を堪能してみてはいかがでしょうか。

たちばなゆひ

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