数日前のはなし。

終電で帰った。
誰も通らない一本道を泣きながらあるいていた。
誰も通ってないので、はばかりもせず、号泣だった。

すると、突然、どこからともなく
3匹の猫があらわれて、
こちらに駆寄ってくる。
にゃーとなきながら
「あそうぼよ、あそぼうよ」
と、体をすり寄せてくるのだ。

この辺の猫で、友達でもない人間に話しかけてくる猫はいない。
猫はたいてい猫同士でしか話さないもんだ。
だから面食らってしまった。

コンビニの袋を持っていたので、家猫が何か貰えるかと思って
すりよってくるのかと思ったが、何か狙っているわけでもなさそうだ。

思わず、やせたトラ猫の頭をなでた。
すると、暗闇でわからなかったのだが、革の首輪をしていて、
昨晩あった猫だと気づいた。
昨晩、この辺りを通った時、この猫ではない猫が数匹、立ちすくんでいるので、
「何をみてるんだろう」と気をとられていたら、
私の足下に猫がいるのにきづかず、
踏んづけそうになってしまい、ちょこっと頭をなで謝った猫だった。
縄張り争いでもしているらしく、両者にらみあい、
「フーッ」と威嚇していた。
猫にしてみたら修羅場なのに、真っ暗だったので、足下にいるのに
気づかなかったのだ。

で、今、そのやせたトラが必死で頭をなでろと言ってくるのだ。
友達らしき、黒猫と太ったトラは初対面なのに、
アスファルトにお腹だしてごろごろしだした。
「よしよし」と頭をなでてしっぽをひっぱってやった。
すると、猫達が歓喜の様子で順番待ちをしはじめた。
何故だか自分ではわからないのだが、猫によくこれをねだられる。
昔、学生時代、しっぽをひっぱってあげた猫が
毎日、玄関までひっぱって貰いに通っていた時があった。

「しっぽひっぱって、しっぽひっぱって」
と、猫達は感極まっている。
一番必死なやせトラ君をなでながら、
「前世であったことありましたっけ?」
と、必死で思い出そうとしたのだけど、
やはり、思い出せなかった。(当たり前だけど)

「ありがとう、ありがとう、きみ、いいこだね」
いつのまにか、泣き止んでいた。

猫にはわかるらしい。