言われたことからはみ出さないように
その場にいる人が心地よくいられるように
言葉を選んで、行動を選んで
あんなにいい子でいて疲れないかね?
そんなにいい子でいなくていいんだよ
って、外側から見ている人には
耳にタコができるほど言われてきた
心がひどく疲れるよ
自分のことがどうでもよくなる
というか
自分をどうでもいいものにしないと
ここまで感情を犠牲にできない
いい子でいなくていいんだよ
って言われても
いい子でいなくちゃ
聞き分けよく立ち回らなくちゃ
私がそういう人間であることを前提に
私の周りの世界は回ってる
私くらいそうしていなくちゃ
あの家の中は回らなかった
誰も助けてくれない
誰も守ってもくれない
誰も助けられないし
誰も守りようもなかったんだけど
それでも当時幼かった私には
そこを飛び出す術なんてなくて
そこに身をとどめたまま
何とかやり過ごすしかなかったんだよ
空気を読んで
先回りして
気を配らなくちゃいられない場所で
私は育ってきたんだよ
思ったことは言っていいんだよ、って
言ってきたよ
譲りたくないことは泣いてだって訴えた
そのたびにぶつかって
へし折れて、へし折られて
譲れないと泣きながら訴えることほど
通った試しがない
聞き入れてもらえずに
けちょんけちょんになる経験ばかり
積み重なってきたのに
ボロボロになって
周りに「あの後大変だった」と
言われることが分かってて
へこたれずに何度もぶつかれるほど
私は強くない
周りに迷惑をかけるようなことは、って
そうならないように
そうならないために
言葉だって
行動だって
立ち回りだって
選んで、選んで、選んで
自分がやりたいことは
極力周りの手がかからない範囲に収まるように
我慢して、たくさん諦めて
何か行動を起こす時は
考えられるリスクを洗い出して
起こった時の対処法まで準備して
先回りして散々考えて
実際起こるかもわからないリスクの
「起こった時に困るかもしれないから」の為に
いくつのことを諦めたか
この人たちは知ってるのかな
周りの人たちのために、を強要されて
我慢して、諦めて
我慢しきれなくなって
爆発して、
このままの私じゃやらせてもらえないから
わざわざ意識を切り離して
別の私が代わりに
やりたいことを、やりたいようにして
でも、別の私が好き勝手するせいで
また「周りの心配」のために
行動を選ばなくちゃいけない
解離しなきゃいけないくらいに
我慢しているはずなのに
解離するからまた我慢
自分じゃないことが理由で
我慢して、諦めてを繰り返し続ける中で
周りの人と同じことができなくて
できないことに落ち込んで
自信をなくして
そんなの
させてもらえないことに納得なんてできない
そのために自由になりたいのに
体は無理がきかない
そんなに焦らなくても、じゃない
焦るよ
とてつもなく焦るよ
早くここから抜け出さなくちゃ
私は自分のしたいことが何もできない
この生活をあと何年続けなきゃいけないの?
下手したら、死ぬまで縛られる気さえする
終わりが見えないのは耐えられない
疲れた
本当はもう限界なんだよ
自分の思うようになんて
させてくれないくせに
してもいいんだよ、なんて綺麗事言わないでよ
できるならしてるよ
できないから
こんな自由のきかないところで
波風立たないように
いい子ちゃんぶってるんでしょ