あの頃渦中で一緒に
ぐちゃぐちゃになっていた家族が
それぞれそこから抜け出しかけてきて
少しずつ『あの頃は辛かったね』
と言うようになる
私もそう思う
あの辛かった日々は
私の中でも少しずつ過去のことになってきた
でも私はきっと完全に過去にはできないな
とも思っている
みんなそれぞれ次のステージへ進んでいく中で
私は後遺症を引きずって
進んでいかなきゃいけない
私はあの瞬間から死ぬまで
障害者のままだ
あの頃と同じようにはできない
あの頃落っことしてしまった能力を
全部拾い直すことはもう二度とできない
どんなに病気が良くなったって
再発のリスクを背負い続けなきゃいけない
疲れ過ぎたら、無理をしたら…
簡単にあの頃と同じように戻るのは
私ひとりだけだ
なんだか理不尽だ
私だけ、死ぬまで後遺症から逃れられない
私だけだ
それでも
弟に迷惑をかけるな
お荷物になるようなことはするな
って言われるんだもんな
あの頃やりたいことを好き放題やってた弟は
きちんと中高卒業して、進学して
今就職活動もしてて
あの頃隣で壊れるほど我慢を強いられて
限界を超えて壊れてぐちゃぐちゃになった私は
今日をなんとか乗り越えながら
できることを探していても
年相応に生活の責任を負えないから
そんなこと言われるんだもんな
分かってる
生きてるだけでいいんだよ、が
結局は綺麗事に収まってしまうことは
その“生きてるだけ”のためには
お金を稼いで、生活していかなきゃいけなくて
結局それができなきゃ生きていけないんだ
分かってるけど、
やっぱりなんか理不尽な気がして
仕方ないんだよな
みんな大変だった
みんな苦しかった
仕方ないんだ、って思える時もあれば
今日みたいに
理不尽で仕方なく思える日もある
障害者だからなんだ
私だってなりたかったわけじゃない
私だって私なりに
頑張ったよ
必死だったよ
我慢もたくさんしたよ
なんとか生き延びたよ
だけど、障害を抱えて
生きづらくなってしまって
人と同じように上手くいかなくなったら
私の存在はストレスなんでしょ
障害者だから
変えようのない現実を突きつけられるたびに
悲しくて泣きそうになるし、
刺さった言葉もちっとも抜けない
悔しいよな