皆さんは今、「恋」をしていますか?
もし、ご飯を食べても、布団に入っても、
その人のことを思い出してしまうとすれば、
それは「恋」という名の病かもしれません。
「恋」という病は、主に集中力がなくなり、
おいしいものを食べれば、あの子と一緒に
食べたくなり、楽しそうな場所を見つければ、
あの子と一緒に来たくなる、思春期の青年が
かかりやすい病気です。
「ここでデートすれば、きっと新聞記者の
彼女も、振り向いてくれるんじゃない?」
「振り向いた先にいるのが、社会面一歩手前の
犯罪者顔の男だぜ? 無理に決まってんだろ!」
悲しいことに、体は大人、頭脳は中二の僕は、
この思春期特有の病気にかかりやすい体質で、
今日も僕の頭の中は、川裕一郎さんを取材する
あの女性記者でいっぱいです。
あの子に会いたい!
しかし、僕には時間がありません。
僕のことを「働かずに収入を得られる人」だと
思っているオジサンも多いようですが、金沢に
来るための交通費も、タダではございません。
ましてや、僕のように人望のない男は、
カンパを募っても、お金なんて集まりません。
いつか女性記者とデートすることを考えても、
お金を稼がないわけにはいかないのです。
僕は今日、東京に戻ります。
せめて、電話番号だけでも交換したいです。
電話番号が無理でも、LINEでつながりたい。
僕は、あの北乃きいちゃん似の女性記者に
会いたい一心で、レンタカーを借りました。
この日、川裕一郎さんは、車で約2時間ほど。
石川県七尾市を遊説しているという話を聞き、
6825円のレンタカー代を払い、現場に急行。
「恋」が原動力になると、
行動力が半端じゃない!
「待ってろよ、川裕一郎!」
「待ってろよ、女性記者!」
車の中で流れる梶有紀子ちゃんのCDが、
今の僕の心には沁みちゃうんだな、これが。
ついに見つけた、川裕一郎さんの選挙カー。
13時から街頭演説すると聞いていましたが、
ここは、どこなのかと言うと!
石川県七尾市にある、「能登食祭市場」。
ここは能登半島で獲れた新鮮な海の幸を
味わうことができる、お土産とメシが魅力の
観光スポットの一つ。
旅行で来たら、さぞ楽しいに違いありません。
いや、旅行でなくても、北乃きいちゃん似の
女性記者とだったら、取材でも楽しいはず。
僕は、川裕一郎さんの選挙事務所にあった
貼り紙を思い出していました。川裕一郎さんを
応援している女性たちが書いた、厳しいダメ出し。
それは、川裕一郎さんのみならず、
僕にも当てはまると思っていたのです。
川裕一郎美男子計画。
候補者たるもの、清潔感は、とても大事です。
川裕一郎さんの魅力を、より際立たせるために、
「靴は常にピカピカで!」
みんなから愛される川裕一郎さん、42歳。
石川県の健全な世代交代を望む人たちに
支持されている川裕一郎さんは、女性からの
人気も高いのです。僕も見習わなくては・・・。
懸命にアピールする川裕一郎さん。
もちろん、僕も女性記者にアピールです。
しかし、川裕一郎さんが熱弁すればするほど、
僕の心には、空しさばかりが広がっていきます。
そうです。わざわざここまで来たのに・・・。
北乃きいちゃん似の
女性記者の姿がない。
テレビの取材は2つも来ていたんですが、
新聞記者の姿はなく、に僕は東京に戻る
時間がやってきてしまいました。
女性ADも可愛かったけど、
僕はもう、恋に落ちている。
あとで聞いた話ですが、僕が帰った後に、
あの女性新聞記者の女のコが来たそうです。
どうしてこんなにうまくいかないのでしょうか?