見る人が見たら、まったくアホらしい行動だと

思うかもしれませんが、3月11日に地震があり、

福島第一原発が危機的な状況だと知った僕は、

密かに、ある行動を取っていました。


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えぇ、この奥に見える山は、「富士山」です。

東京にいたら、こんなに近くで富士山を見ることは

できません。つまり、どういうことかと言いますと!


静岡まで逃げました。


この写真は、まだ箱根にいた時のものですけどね。

多くの方々が、「あれ、福島ヤバくね?」と気付く

はるか昔、まだ1号機が水素爆発を起こす前です。

当時の僕は、まだ原発に関する知識がゼロに等しく、

チェルノブイリ型の事故が起こることを想定しました。


「1機が爆発したら、すべてが爆発してしまう。

そうなったら、チェルノブイリ以上の大惨事。」


今になって振り返ってみると、東京電力は当時、

事故の処理を完全に放棄しようとしていたので、

あの時点で、最悪の中の最悪のシナリオを歩んで、

目も当てられないような爆発と環境汚染が起こった

可能性は、十分にありました。


もちろん、そんなことが起こっているとも知らずに、

僕はただ、チェルノブイリみたいに爆発するのでは

ないかと思って逃げていただけなんですけどね。


政府と東京電力は、「大丈夫、大丈夫!」と言い、

いかにも安全で、いかにも事故のレベルが小規模で

あるかのように報道し、人々もそれを信じていました。


しかし、それでも僕が逃げていた理由は、電源車が

向かっていなければならないのに、水を入れるだの、

圧力を逃がすだの、電源の確保ではない話ばかりが

出てきて、「これはどうもおかしい」と思ったから。


みんなが逃げようと思ってからでは手遅れなので、

まずは最初に退避して、身の安全の確保をしてから

情報収集をして、東京が安全だと確認されたら戻り、

そうでなければ、そのまま退避し続けることにしよう。

そう思って、両親を連れて小田原で1泊したのです。


翌朝、福島第一原発の1号機が水素爆発を起こし、

もっとたくさんの人が逃げるかと思ったんですけど、

ほとんど逃げる人がいなかったことが分かったので、

逃げようと思えば、いつでも逃げられることが分かり、

この日は、父ちゃんが見たいと言っていた幕山公園の

梅林を見に行くことにしました。


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梅林の中にいると、なんだか不思議な気分に

なってきました。地震や津波で、まるで地獄を

見るかのような景色が広がっているというのに、

このあたりは、まるで夢の中にいるかのように、

静かで穏やかな時間が流れているからです。


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母ちゃんが、梅の花を見て、感動していました。

僕はここに来るまで、ずっと情報収集しており、

東京の混乱も、宮城や岩手を襲った津波も

全部見ていたので、今、自分の目の前にある

平和な現実と、遠い所で起こっている非日常的な

現実の差に、心のバランスが取れずにいました。


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家族の写真を撮ろうとする、父ちゃんと母ちゃん。

僕は何か良い夢でも見ているような気分でした。


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被災地からは300kmほど。

ここも同じ「日本」なんです。

こんな体験をしたから、逆に、ネタブログを

書くのをやめて、原発の問題を書いていこうと

思うようになったのかもしれません。


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ちょっと珍しい梅の花を見つけました。

半分がピンク色で、半分が白色という梅の花。

こんなにクッキリ半分で分かれるものでしょうか。


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しばし庭園でまったりとした時間を過ごし、

箱根に行って、富士山を眺めに行きました。


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富士山を眺める母ちゃん。


結局、原発は最悪の事故を免れ、東京にいても

問題ないことが分かりました。なので、ただ箱根に

出かけただけになってしまったんですけれども・・・。

「ただの旅行で終わって良かった」と思います。


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本当に逃げなくちゃいけないことになったら、

日本は終わっていましたし、本当の大惨事です。

だけど、この半分避難の旅を通じて思ったのは、

こんな時代だからこそ、父ちゃんと母ちゃんを

大切にしようということ。


皆さんも、家族が生きているなら、大切に!


普段は気づかないような小さな小さな幸せが、

実はとてつもなく大きな幸せだったりするんです。

今回の大震災で、それが痛いほど、分かりました。