先日、久しぶりに「とおる氏」に会いました。
「とおる氏」とは、僕の高校時代からの友人であり、
カリスマ的なヘンタイであるというアキバ系の男。
その日も、秋葉原を歩いていたら、突然、
何の前触れもなく立ち止まり、いきなりタバコを
ふかし始めたので、「おい、何やってんだよ!」と
言ったら、大興奮しながら、こう言ったんです。
「ちだいさん、バー(秋葉原)で
ホワイト(ルーズソックス)の
HG(女子高生)ですよ!」
普通の人は女子高生を「JK」と表現しますが、
最近は、「JK」という言葉が一般の皆さんにも
浸透していることもあり、とおる氏は「HG」という
言葉で表現をします。
※HG=High-school Girl。
そして、いつものようにテケテケ歩きで背後を
尾行し始めると、その女子高生は電車に乗るため、
駅に向かい、切符を買い始めたんですけれども、
とおる氏は、いきなり僕に、こう言ったんです。
と:「ちだいさん、そういえばどこに行くんだっけ?」
僕:「あ? 何言っちゃってんだよ、秋葉原だろ!」
と:「えー、どっか行くでしょう、今から!」
僕:「行くとしたら、秋葉原の萌えな店だろ?」
と:「違うよ、電車に乗って、どっか行くでしょ!」
「どこにも行かねぇよ!」
しかし、とおる氏のヘンタイっぷりは止まりません。
「せっかくだから、電車に乗ろうよ、ちだいさん!」
たかだかルーズソックスを履いてる女子高生を
見つけたぐらいで、それをガン見するために電車に
乗るヤツなんて初めて見ましたが、とおる氏いわく・・・。
「今どき、ホワイト(ルーズソックス)を履いてる
HGは地方にもいないんだよ! 関西に行ったら
ホワイトに出会えるかもしれないと思って探して
みたけど、結局、1人も出会えなかったからね。
バー(秋葉原)でホワイトに出会うなんて、南極で
かわいいギャルに出会うのと同じぐらいレアな
確率なんだから!」
知らねぇよ!
確かに、今どき、ルーズソックスなんて履いている
女子高生は少ないかもしれないけど、いくらレアでも
電車に乗って追いかけるほどでもねぇだろ!
・・・ん?
今、サラリと、おかしなことを言いませんでした?
「関西に行ったら、ホワイト(ルーズソックス)を
履いた女子高生に出会えるかもしれないと思って
探してみたけど、結局、1人も出会えなかった・・・。」
ルーズソックス求めて、
関西まで行ってました!
それだけのために、関西まで行っちゃうって、
どんだけアグレッシブなんでしょうか、この人!
わざわざ関西まで行くぐらいだから、偶然にも
秋葉原でルーズソックスの女子高生を見つけたら、
そりゃ電車ぐらい乗りますわな。
例のごとく、テケテケ歩きで女子高生を追いかけ、
自動改札を通り抜け、ホームに向かう女子高生の
背後50cmほどの至近距離からガン見のとおる氏。
しかしこの後、一度も見たことがなかった衝撃的な
光景を目の当たりにしました! なんと、とおる氏・・・、
女子高生にガン見を
気付かれますた!!
女子高生にどんなに近づいても、気配を消して、
悟られないのが「とおる氏」だったはずなのに、
生まれて初めての失敗! しかも、女子高生に
気付かれたとおる氏は、ビックリして・・・。
「しまった!!」。
聞いたこともないようなトーンで、そう叫ぶと、
山本高広の「逃げるET」のモノマネのように、
テケテケと走って退散!
僕は他人のフリをしながら、その一部始終を
見ていたんですが、あとで合流してみたら、
口をパクパクさせながら、若干、涙目でした。
絶対モテねぇわ、この人・・・。
一度、自動改札を通ってしまっているので、
仕方なく、隣の駅で降りた僕と「とおる氏」。
すると、とおる氏は、生まれて初めて女子高生に
ガン見がバレ、テケテケ走りで逃げてきたこともあり、
喉が渇いたんでしょうか。そこらへんを歩きながら、
「ここらへんに100円の自動販売機ないの?」と
言い始めたんです。
最近、自動販売機業界も、安くないと売れない
時代になったんでしょうか。ジュースを100円で
買える自動販売機っていうのが増えてきたような
気がするんですけれども、とおる氏は、ただの
ヘンタイではなく、ものすごくケチなヘンタイなので、
「ジュースに120円はあり得ない派」なんですね。
「意地でも100円の自動販売機を探す」と言い出し、
とおる氏は、本気になって、さまよい始めたんですが、
付き合わされるコッチの身にもなってください!
たかだか、とおる氏の20円のために、
僕の体力が無駄に奪われるわけですよ!
「20円ぐらい、俺が払ってやるから、
そこらへんの自動販売機で買えよ!」
思わず、そう口走ってしまった僕。
しかし、これこそ「とおる氏の計算」でした。
僕の体力を奪って、面倒臭くなった僕が金を出す。
そして、そこらへんの自動販売機に行くと、
とおる氏は、こう言ったんです。
「お茶(150円)が飲みてぇ!」
100円の自動販売機では、120円の缶ジュースは
100円で買えても、150円のペットボトルのお茶は、
100円では買えません! なのに、遠慮なく・・・。
僕に50円出させて
お茶を飲みました!
えぇ、今日も相変わらず、順調に面倒臭いです。
お願いだから、美人結婚詐欺師に全力で引っかかり、
全財産をつぎ込んで、破産してくれないかと思います。
しかし、年内の僕は、ビックリするほど忙しいため、
とおる氏と遊ぶのは、これが最後な予感がします。
いい思い出ができました。ありがとうございました。