先日、アキバ系の神様的存在の「とおる氏」と一緒に、
築地にある立ち食いのお寿司屋さんに入った時のこと。
その寿司屋は、1000円でおなかいっぱいになる上に、
築地の中でも有数のおいしさを誇っていることもあって、
僕たちは大将に顔まで覚えられているほどの常連客で、
その店の大将は、僕たちがモテないことを察してなのか、
よく「女は押さなきゃダメなんだ!」みたいな恋愛の
テクニックやアドバイスをしてくれるんですね。
最近、この『チダイズム』に、よくコメントをくれる女のコが、
抜群にかわいい上に、モデルみたいな仕事をしていることが
判明しまして、うっかり好きになりかけてしまったんですが、
そんな僕としては、大将が語る恋愛テクニックは、ぜひとも
参考にさせていただきたいところ。そんな矢先のことでした。
いつものように、とおる氏と一緒に立ち食い寿司屋に入り、
ぬるっとダベりながら、寿司をつまんでいたんですが、
そこに仕事帰りの30代後半ぐらいの女性がお店の中に
入ってきたんです。立ち食いの寿司屋には珍しい女性客。
どうやら、この女性もまた、この店の常連らしかったのですが、
入ってくるなり、ちょっと寿司屋の空気が変わったんですよね。
「ヘイッ! 何にしましょう!」。
いつもより完全にテンションが上がった寿司屋の大将。
ここが中学校だったら、真っ先に空気を察した女子に、
「ねぇ、大将って、○○ちゃんのこと好きでしょう!」などと
図星の指摘をされているところです。・・・っていうか。
大将って、このお客さん、好きでしょ!
僕は固唾を飲んで、二人のやりとりを見守ることにしました。
なぜなら、大将は僕たちに恋愛のテクニックを教えてくれる
いわば、「恋愛の師匠」的な存在。つまり、願ってもいない
実演を目の当たりにするビッグチャンスがやってきたのです。
ボソッと「丼(どんぶり)にしようかなぁ・・・」と言った女性客。
すると、完全に舞い上がっていた大将、この後、とんでもない
聞き間違いを見せてくれました。
「えっ? ドンペリ?」。
オマエの店に、ドンペリなんて置いてねぇだろうが!
マジで横からツッコんでやろうかと思いましたよ。
ですが、もしかしたら、これは「お寿司屋さんジョーク」かも
しれないと思い、あえて大将の聞き間違いをスルー!
すると、その女性客、「えーっと、海鮮丼。」と注文。
どうやら、ドンペリはジョークでも何でもなく、大将がガチで
聞き間違えただけっぽかったんですが、「あいよ!」と
返事をすると、大将は黙々と海鮮丼を作り始めました。
さあ、この海鮮丼を使って、どんなふうに愛のメッセージを
伝えるんだい? もちろん、何か特別な仕掛けがあるよね?
マグロの刺し身をめくったら、中に「I LOVE YOU」みたいな。
ワクワクします! そして、この女の人はOKするんだろうか。
すると、彼女の気を引くために、大将がしたことは・・・!!
まさかの「大盛り」。
そうです。大将は、彼女への気持ちを、まさかのゴハンで
表現してしまったのです。っていうか、大盛りにしてもらって
嬉しいと思うのは、食べ盛りの男だけだと思うんですけど?
案の定、丼を出されて、その女の人が言ったこと。
「・・・こんなに食べられない。」
裏目に出ちゃったよ!
っつーか、何してんだよ、大将!!
完全に動揺して、「残していいよ」って言ってましたよ。
それはそれで、寿司屋にあるまじき発言じゃねぇか!
この胸いっぱいの愛を、米で表現した寿司屋の大将。
微笑ましいっちゃ微笑ましい話なのかもしれませんが、
ただ一つ、僕と「とおる氏」が共通して、心に思ったこと。
大将の恋愛アドバイスは、もう聞かねぇ。
そんな感じ
ちだいでした。
あ、そうそう。この寿司屋には、ライス・ラブアタックマンの
大将の他に、もう一人、僕たちが「ヘッポコ」と呼んでいる
寿司職人さんがいるんです。
もちろん、ある程度の親しみをこめて、「ヘッポコ」と
呼んでいるんですけど、このヘッポコ加減が半端なくて、
「まぐろの中おち丼」と注文したら、その3秒後には注文を
忘れてしまい、「まぐろのヅケ丼」を出すような男なんです。
この日は、初めてその女性客に会った僕ですら、
「大将が狙っている女だな!」って察したぐらいなのに、
ヘッポコは、このあたりの空気がまったく読めないらしく、
その女性客が冬にもかかわらず、おぱーいを強調するような
薄着っぽいファッションで登場していたこともあり、帰り際に、
「おーぅ、お姉ちゃん、マブいねぇ!」と言っていました。
マジでヘッポコです。
そんなヘッポコは、寿司を作っている途中であっても、
喉が渇くと、冷蔵庫から「アクエリアス・ビタミンガード」を
取りだして、おもむろにゴクゴクと飲み始める癖があります。
しょせんは、リーズナブルな立ち食いの寿司屋なんで、
途中でアクエリアスを飲んで、プハーッとか言っても
気にしないんですが、やっぱりヘッポコだなぁと思うのです。
これから『チダイズム』では、たびたびヘッポコの生態を
皆さんにお伝えしていこうかなぁと思っていますので、
よろしくお願いします。
そんな感じ
ちだいでした。