皆さんは、突然、自分でも信じられないぐらい

貧乏になったことは、ありますでしょうか?


僕のギャラは、毎月25日に振り込まれるわけですが、

振り込まれてから、5日ほどしか経っていない段階で、

僕の今月の生活費は、わずか・・・。


4253円。


とりあえず、家賃やパソコンを使うための電気代とか、

諸々の諸経費は、別で確保してありますが、まさか、

これに手をつけるわけにはいきません。


この2017円の中に、含まなければならないこと。

会議に行くための交通費、図書館に行った時などに

コピーするお金、そして、もちろん・・・、食費。


なにげに、放送作家というだけで、僕のことを

お金持ちだと思っている人も多いみたいですが、

はっきり言いましょう。僕は、まったくのド貧乏です。


さぞかし貯金があるだろうと思われている方も

いらっしゃるかもしれませんが、言わせてください。

現在、財布の中にあるのは2017円。銀行に2236円。

あとは、EdyやSuicaの中に、若干お金はありますが、

それ以外にお金というお金は、まったくないのです。


世の中には、1か月の食費を4000円以内に

とどめているという人はいらっしゃるでしょうが、

特に移動が多い職業の人間が、交通費を含めて

この値段なんて、絶対にやっていけるはずがない!


では、どうしてこんなに計画性もなく、いきなりド貧乏に

なってしまったのか、簡単にご説明いたしましょう。


事の発端は、以前、所属していた事務所が、

事実上の倒産をしてしまったことに始まります。


僕のギャラが振り込まれないまま、追い出されるように

事務所を辞めさせられ、しばらくフリーの状態で仕事を

していたんですが、振り込まれるはずのお金がまったく

入らないので、あと一歩で消費者金融から借金という

ところまで追い詰められ、そんな時に、いつもお世話に

なっている先生から、お金の工面をしていただいたのです。


そして、お金の工面をしてもらっただけでは飽き足らず、

その先生が新しく作るという作家事務所に、ちゃっかりと

入れてもらうことになったんですが、最初にかかる

事務所の家賃や、コピー用紙やらのお金をみんなで

分担しようっていうことで話がついていたんですね。


しかし、よくよく考えてみたら、僕以外の作家さんは、

けっこう活躍されている方々なので、言われた瞬間に

すぐ払っていたんですが、僕にとって、その分担金は、

かなり大きかったんですね。なにしろ、5万円ですから。


僕は1か月、7万2000円前後で暮らしているんです。

もちろん、家賃やら電話代やら、諸々かかるお金は別。

そのうちの半分ぐらいは、交通費と資料代なんですが、

外食が多いので、残りの半分は食費やら何やらです。

でも、そのうちの5万円って言ったら、残り2万2000円。


「無理、無理、無理!」。


ということで、今日の今日まで払わずにいたんですよ。

でも、みんなは払っているのに、自分だけ払わずに

事務所に在籍させてもらっているという現実・・・。


なんとなく、親が貧乏すぎて、給食費を払っていない

子供みたいな、肩身の狭い気分になっていたんです。

だから、先月あたりから、僕も事務所に分担金を払おうと、

少しずつ節約し、いつもだったら7万2000円ぐらいかかる

生活費を、メイドカフェでニャンニャンするという贅沢も慎み、

5万円で生活することに成功。2万2000円を蓄えたのです。


そして、今月25日、銀行の口座にギャラが振り込まれ、

7万2000円の中から約2万8000円を出せば、今月は、

残り4万4000円。まぁ、どうにか暮らしていける数字。

払おうと思えば、払えなくない感じにはなりました。


ところが!


事態は、たった1通のメールによって、激変します。

それは数日前、「今月の分の分担金も払ってください。

ちだいは、先月も払っていないので、10万円です」と

書き込まれたメールが届いたのでした。


じゅ・・・、10万って!


それは、「うまい棒」が1万本買える計算です。

2ヶ月かかって、ようやく5万円生み出したのに、

さらに5万円なんて、絶対に無理や!


強引に払おうと思えば、払えないことはありません。

しかし、その時には全財産が4253円になってしまい、

これで来月25日まで暮らさなければならなくなります。

こうなったら、事情を説明して、とりあえず5万円だけで

勘弁してもらうしかありません。


で、昨日です。殺人級の雷雨が降りしきる中、

事務所の社長に会い、分担金の話をしました。


社長:「ちだいは、分担金をいつ払うんだ?」

僕:「それがあのぅ、払おうとは思ってるんですが・・・。」

社長:「思ってるとは言っても、払ってないやんけ!」

僕:「どうにか5万円ぐらいは、払えるんですけど。」

社長:「払えるって言って5万円も払ってないやんけ!」

僕:「えぇ、でも、なんか、その10万円ってのは・・・。」


「は~~ら~~え~~っ!」

ピカッ! ゴロゴロゴロ・・・!


僕:「ひぃぃぃぃぃぃぃぃ~~~っ!!」


雷光とともに、中学校時代のトラウマが蘇ってしまった僕。

そうです。N島君に初めてカツアゲされた、あの夏の日も

確か、こんなような雷雨の日だったと思います。


僕:「ぎ、銀行に行かないと、お金がないんです。」

社長:「よっしゃ、そこのコンビニまでついて行ったる!」


ピカッ! ゴロゴロゴロ・・・!



僕:「ひぃぃぃぃぃぃぃぃ~~~っ!!」


払わずに逃げられる予感が、まったくしません。

もし、このままバックレたら、きっと次の日の朝には、

目を覚ましたと同時に、僕の布団に怖いお兄さんが

一緒に寝ていて、「よぉ、ちだいさん。やっとお目覚め?」と

言ってくるに違いないのです。


「ルックルックこんにちは」のMC中に、携帯電話が

ひたすら鳴り続けていた岸部四郎のような心境だ!


なので、コンビニに行き、思い切って10万円を下ろし、

貯金残高は、ズバリ、2236円。今、財布の中には、

2017円あるから、4253円で来月25日まで

生きていかなければなりません。


さて、明日から、どうやって暮らしていきましょうか。

来月25日まで、その恐るべき節約術をご覧ください。