始まるフィナーレを眺め
血の気引いてたのは甘い夜
いずれ見るだろう恐怖は
もしかしたら 僕が探したもの
あらゆる苦痛から 癒されるとして
息を殺した 後は覚醒
それなら上手くいかない
*
中傷して何か変わると
思っていた誰かの浅はか
過信はとても罪 近付きやすくて
レベルを下げた
夢中になれた?
妥協とはそれを指して・・・
「FINALE」
退廃的な雰囲気を感じるピアノのイントロから始まり、
美しいバイオリンの音色との絡まり、
表現者としての清春を最大限に引き出したといえる曲ではないか。
この「FINALE」は個人的には今回の2枚のアルバム「shade」と「light」で、最も大好きな曲。
今年のライブでこれを初めて聴いた時に、
空間を包み込んだ清春の世界にもの凄く鳥肌が立ったのを、
今でも覚えてる。
デビューから15年という長い年月の中で、楽曲や歌声のクォリティーだけでなく、
表現の豊かさという面の成長がまばゆく光った今年のライブ。
例年のライブとはまたひと味違い、
言うなれば、
「歌手としての清春」
よりも
「表現者としての清春」
としての高いスキルをファンを含めたリスナー全員に見せつけた。
その集大成とも言える今回のセルフカバーアルバム、
「shade~saw the light and shade」
「light~saw the light and shade」
の2枚。
今回はその中で「shade」を書きたいと思います。
真っ先にくるのはさだまさしの名曲「防人の詩」のカバー。
今年のアンプラグドライブの後半でトップを飾ってきた楽曲。
海は死にますか 山は死にますか
春は死にますか 秋は死にますか
愛は死にますか 心は死にますか
私の大切な 故郷もみんな
逝ってしまいますか
さだまさしの「防人の詩」に清春独特の世界が絡み合って、
原曲とはまた違った雰囲気を作り出している。
今まで数多くのアーティストがカバー曲をリリースしてきたが、
ここまで完成度高く自分の曲にアレンジしてカバーするアーティストは、
恐らく居ないと私は思う。
ライブでこの曲を初めて聴いた時、
空間を包み込む雰囲気、そして清春の表現、
これらに本当に鳥肌が立つ思いで見入っていたのを覚えている。
表現者としての清春を見せつけられた一曲。
そして、「情熱の影-Silhouette-」。
黒夢時代のアルバム「feminism」に収録されていた楽曲のセルフカバー。
何もないこの部屋で君のSilhouette
情熱の喜びに溶けるCRUEL
見上げれば麗しき君のSilhouette
抱かれた時 僕の中で終わるCRUEL
当時の「feminism」に収録されていたものも良かったが、
13年の時を超え生まれ変わったこの楽曲もまた違って、
表現豊かに、ダークな雰囲気を作り出し、いい感じになっている。
ソロ1stに収録された「暗いくちづけ」。
ソロになってから、清春独特の世界は更にディープになったが、
このアルバムではまたそれ以上にディープな世界が繰り広げられる。
その世界は次の曲「退廃ギャラリー」でも同様に感じられる。
従来とはまた違い、今回のコンセプト同様にしっとりと、
かつ、彼の世界が更に色濃く歌われる。
「退廃を飾ろう」背中に焼き付けた
機関銃で頭を撃ち抜くより 甘く
「退廃を飾ろう」脳裏に焼き付けた
YOU MAY BE MY LIGHT
このアルバムで音源化初となる、ライブではお馴染みの「真冬の華」。
そして閉めるのはタイトルチューンとも言える「闇」。
オリジナルに比べて曲の厚みも増し、
そして、雰囲気もより濃厚になり、
「闇」と言うタイトルながら、何か温かなものに包まれるような、
そんな雰囲気を感じるような、そう感じさせてくれる。
そう言うわけで、久々のブログでしたが、「shade」を書かせていただきました。
15周年の節目の年と言うことで、このようなコンセプトを持ったモンスターアルバムをリリースした清春ですが、
今後もこのような、多彩なアーティスト性を今後も見せつけて欲しいな、なんて思います。
余談ですが、私の次回の清春ライブ参戦は年末のなんばHatchです。
恐らくここでは通常ライブでしょうが、久々のスタンディングも楽しみに待ちつつ、
またこのアルバムを聴いていきたいな、なんて感じます。
shade~saw the light and shade~/清春 (08.09.10)
1.防人の詩
2.情熱の影-Silhouette-
3.暗いくちづけ
4.退廃ギャラリー
5.FINALE
6.真冬の華
7.闇
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