あなたはもう違う時間のなか 別の道を歩き出してた
その幸せ願える強さが欲しい
どんな愛おしくても あなたにはなれない
やり切れなくて気が狂いそうになった
あなたの優しさや温もりや弱さに
いつか触れられなくなると 知ってたはずなのに
*
地図もない不安ばかりの場所で ただ泣きはらしていた
今立ってるここが「道」になるのなら
ここから始めればいい
あたしが愛してたあなたは すべてが「あなた」でできてたんだ
失いそうになってたものは「自分」だった
痛みはいつの日かあなたを 想える優しさに変わるはず
さぁ 自分を生きていこう
心を砕いて 流れ落ちる光で
あなたを照らして あたしに会おう
煌め逝く世界を 胸の痛みを
愛していこう 共に 生きよう
「煌め逝くもの」
この曲は、「宙の淵」に収録されている「澄み渡る空、その向こうに僕が見たもの。」に並んで大好きな曲でして、
失恋の時には本当に「立ち直ろう」とこの曲をよく聴いたものでした。
失恋して、落ち込んで、そして立ち直ってまた歩き出す姿を、
本当に奇麗に描写されているような感じがして、
今聴いても「あ~本当に分かる、その気持ち!」っていう風に感じます。
>あなたはもう違う時間のなか 別の道を歩き出してた
>その幸せ願える強さが欲しい
こんな視点も、妙に現実っぽくて好きですし、
>ここから始めればいい
から、急にモノクロからカラーになるように、
ぱぁっと光が差して明るくなるように、
楽曲の世界が変わる所もなんとも言えず大好きです。
今回は、この「煌め逝くもの」が収録されている、
先日、このブログに書いたfra-foaの「宙の淵」の後にリリースされて、
ラストアルバムとなった「13leaves」です。
「宙の淵」と「13leaves」はfra-foaの光の部分と闇の部分のような感じで、
この2枚でアルバムの雰囲気が全く違います。
前作はダークな雰囲気を全面に押し出していた楽曲で構成されていて、
人間の心の内面をえぐり出したようなものが多かったのに対し、
この「13leaves」はダークな要素が少なく、
明るい曲があったり、奇麗な曲で構成されていて、恋愛に関するものが多い事が特徴です。
静かなイントロと轟音鳴り響く明るい感じのメロディーで流れる「edge of life」。
まるで前作「宙の淵」のダークで混沌な雰囲気から何か答えが見つかったかのように
前向きで明るい楽曲が恐らく当時は驚きを感じたのではないかって感じてしまいます。
そうさ 僕はこの足で
僕の居場所探しに行こう
ヒツヨウ ト サレルバショ
世界は 何て素敵なの
縛り付けてたのは自分だった
“ネェ、ドンナボクニナロウ?”
落下する機体 その瞬間、気付く
「今」いるココが常に僕の居場所 !!!
後悔はしないさ
どんな結末でも 僕のchoice、僕のlife
今 まさに「生き」出した
このアルバムのオープニングに相応しく、
このアルバム全体の雰囲気を集約するかのような、
明るいメロディーで流れるこの楽曲は本当に素敵です。
そして、緩やかに流れるバラード「light of sorrow」
三上ちさ子彼女自身の女性としての情念がものすごく込められた感じの歌詞で、
胸にぐっとくるのと同時に、やや怖く感じてしまうような印象を受けます。
だから今 強く抱いて 抱いて
この体に意味などないから
このフレーズは、深い愛情を感じると共に、どこか淋しい感じもして、
何とも胸を締め付けられるかのようにグッときてしまいます。
ねぇ いつか あなたが死んだら
その亡き骸を 胸に抱いて
いつまでも 愛しいあなたの
紙を撫で 頬に触れ 食べてしまおう
こんな歌詞からも彼女の女性として深い恋愛の情念を感じ、
本当に裸の心を歌詞にしているんだな、ってそう感じてしまいます。
疾走感溢れ、明るく勇ましい感じのする楽曲の「blind star」。
たとえ何も見えない場所でも
この胸に咲く 愛しさが見える
そう これを抱き 耐えることが
強さなら
悲しみは過去に捨ててきた
痛みなど忘れてしまった
日々新しいあたしで歩いてゆこう
咲き枯れ芽吹く どんな“いま”も刻んでくよ
私が行った最初で最後のfra-foaのライブでは、確かこの曲が1曲目だったかな、と思います。
ステージ上で歌う三上ちさ子の姿は本当に印象的で、
吸い込まれるように見入っていたのを今でも覚えています。
そんなエピソードもあり、私の中でこの曲もfra-foaの好きな曲です。
緩やかに流れる壮大なバラードの「出さない手紙」。
fra-foaってこういう壮大な世界を持つバラードが、
本当に上手いなって感じる一曲ですが、
この寂しげな世界観を作り出す三上ちさ子の歌詞に、
女性の恋愛の情念、特に弱く脆い心情がもの凄く表れていて、
非常に聴いていて心に沁み入るような一曲です。
なぜ あなたは もう いないのに
あたし ここに いるの?
どんなに花が 愛しく揺れてても
あなたが いなければ・・・
意味がない
何か甘くかわいい感じのするアコギ主体の楽曲「perfect life」。
これまでこう言う楽曲は無かったな、なんて思いつつも、
歌詞はやっぱり三上ちさ子独特な感じで、
ねぇ そのうち 嫌気がさして
けんかも するのかな
仕方ないよ だって君は
所詮「他人」だもの・・・
という言葉を歌詞にするのは恐らく彼女しかいないのでは、
と、思ってしまいます。
何だかここでふと、現実に戻されるようなそんな感じ。
緩やかに流れる、淋しげな雰囲気漂う、
シングル曲にもなった「消えない夜に」。
君がいなくなって どれくらい たつかなぁ
その瞳が夢に 見てたのは なぁに?
あの日 君が姿を消したのは
君が見せた 最後のプライド?
「消えない夜に」
爽やかさを感じ、夏を感じさせる「小さなひかり。」
この曲もシングル曲で、私にとっても大好きな曲です。
廃盤となった「Break Out!」のオムニバス盤に、
インディーズ時代のこの曲が収録されていますが、
こちらはそれとはまた別バージョンです。
サビの力強さも何ともいい感じです。
朝は 白くなっていくこの空の下で
私は 今日夢みる
手をのばし
風に揺れてた光は消えた
おそらは見ているでしょう
深く吸い込まれそうに そらは遠すぎて
小さいわたしがいた
声がなくても うたえることを知った
言葉は宙に舞った
ミディアムテンポに流れる、サビの雰囲気が何とも壮大でバンド感感じる、「crystal life」。
明日はもう「あなた」はいないから
今 強く 抱いてたいの
あなたに遭い 全ての「過去」が 意味を持った
もの凄く、息が詰まりそうなくらいに感情が籠ってって、
もどかしく、そして苦しい感じになるこの楽曲。
リラックスして聴いていられなくて、
最後まで聴くのにもの凄くパワーを必要とする、この楽曲。
こういう曲を聴くと、本当にfra-foaというバンドの凄さが伺える感じがします。
そして、ラストを締める「aftergrow」。
静かに流れる、壮大な雰囲気の楽曲で、
まるで包み込まれるような、そして浄化されるような感じ。
でも、もの凄い彼女の深い情念が込められていて、
本当は反対なのかなって。
あなたを 自由な宙から愛そう
あなたなど 忘れてしまおう
あなたから 純粋になるの
あなたを 宙へと放すの
あたしの 宙から、愛すの。
前作に引き続いて多用されている「宙」と言う言葉ですが、
何かもの凄いこだわりがあるように感じますが、
うーん、いまいち分からない。
ただ、非常に壮大かつ神秘的感じるこの曲は何とも素敵です。
そして、その後数秒おいて流れる短い曲。
「なんでかな 幸せの中に いると泣きそうになる」から始まる曲。
クレジットとして記載されている12曲にプラスこの一曲で、
13leavesとして完成するのかな、と。
幸せを実感する生活の温かな雰囲気のこの曲は、
もの凄く和む感じがします。
今はただ目の前のあなたを胸に抱いて眠ろう
という感じで、 今回は、fra-foaの「13leaves」を書きました。
このアルバムのプロデューサーに、根岸孝旨が参加しています。
根岸さんといったらCoccoのプロデューサーとしても有名な彼。
Coccoと同じ匂いを感じたのかどうなのかは分かりませんが、
fra-foa好きにCocco好きが多いと言う事もあり、
何となく、このプロデューサーの起用に納得がいきます。
結局、彼等はこのアルバムを最後に解散し、
三上ちさ子はソロとして、ほかのメンバーもそれぞれでバンドを組んで、
活動を行っていきます。
(ただし三上ちさ子は活動休止中のようですが)
解散後、4x4という元fra-foaメンバーの同窓会的なイベントがあり、
fra-foaの演奏あるかな、とわずかな期待を寄せて行ったのですが、
結局fra-foaとしての演奏が無かった、と言うこともあったり。
ただ、高橋誠二のギターの腕は驚くくらいに上達していた、
という記憶はあります。
fra-foaは大好きだけど、再結成はして欲しくないバンド。
正直個人的にそう思ったりしています。
このままの形で、心の中で留めていたい。
そんな私にとって非常に大切なバンドです。
13 leaves / fra-foa (02.09.19)
1.edge of life
2.light of sorrow
3.blind star
4.出さない手紙
5.perfect life
6.green day
7.消えない夜に
8.lily
9.小さなひかり
10.crystal life
11.煌め逝くもの
12.afterglow
※廃盤で、現在中古のみの入手となります。