飛べない羽 空にかざして

涙つたう少年のほほに

人はいつか忘れられぬ風の中で・・・


僕は眠りの中 君を抱いて 君に迷い 君を探す

声にすれば壊れてしまいそう・・・

君に逢いたいから 逢えないから 眠るように目を閉じてる

長すぎる夜 心は乱れる


ああ その指で 幾千ものあやまちをぬぐって・・・

ああ キレイだね 記憶さえ ストロボの中でほら・・・


「SLEEPER」


個人的に、「Rainy Merry-go-round」「ゆらぎ」に並んで、

彼等FANATIC CRISIS(以下FtC)で大好きな曲です。

歌詞全体は、歌詞カードを見るとあまり情景パッとしない感じなのに、

緩やかに流れるキャッチーなメロディーと、

石月のビブラートの効いた伸びやかなボーカルがもの凄くいい感じで、

楽曲トータルで見ての雰囲気と言うか世界観ってのがなんとも幻想的で、

そしてじ~んとくるような感じ。


今回はFANATIC CRISISのメジャー1stアルバム「ONE」をブログに書きたいと思います。

私が彼等FtCを初めてちゃんと聴いたのは高校2年の頃で、

このアルバムにも収録されているメジャーデビュー曲の「SUPER SOUL」。

インディーズ時代のダークなイメージをよく知らなくて、

このシングルを彼等の知名度だけでシングルを購入したのですが、

「すっげーかっこいいじゃん!声もいい感じだし!」

って印象がありました。


今でも今でも この想い抱いたまま

せつない記憶を超えて歩き始める

いつかは いつかは 冷たい風に消えても

心の闇には君の声が響いてる


デジタル音を交えた勢い良いキャッチーな曲で、

今聴いてもこの曲はかっこいいな~なんて思えてしまいます。

「A.I.」とか「遺伝子」とか「アマテラス」とか、

学術的だったり、専門的だったりする単語を歌詞に組み込むのは、

この頃のバンドの流行りだったので、これはご愛嬌ということで。

(実は、私はこの使い方は歌詞が意味分からなくなるので好きではなくて、

これを多用し始めた為聴かなくなったバンドもあったりするのですが・・・)


で、彼等のインディーズ時代の楽曲は、その後オムニバス盤で、

「P・E・R・S・O・N・A」っていう曲を聴いたのですが、

その時の感想が「あ、すっげーダーク」って。


でもちゃんとインディーズを聴いたのはそれから大分後になってからなのですが、

確かにダークさはあるんだけど、メジャー初期になってからの楽曲の曲調は、

若干インディーズ時代を汲んでいる部分もあるよな、 って印象があります。

ダークさを残しつつも、大衆受けのする聴きやすいキャッチーなメロディーっていう感じでしょうか。

実際、彼等の楽曲のキャッチーさというのは、大きな特徴の一つだと思いますし。

衣装もよりカジュアルになって、歌詞も明るくなり、

大衆に受け入れられるバンドへとメジャーで変化したのは、

でもやっぱり、離れて行った古くからのファンも少なくないのかな?

なんて思ってしまったりもするのですが。


上記で書いたダークな匂いを残しつつも、キャッチーでかっこいい楽曲が、

このアルバムの3曲目で、「SUPER SOUL」のカップリングだった「サーカス」。

この曲、「SUPER SOUL」同様結構好きな曲です。


人は弱いから想い出ににふりかえる

立ち止まらないで もう泣かないで・・・

毎日の中で無理な笑顔ふりまいて

つきささる痛み 感じているね・・・


こんなダークさを含む疾走感ある曲調の中でも、メッセージ性が含まれていて、

このメッセージ性ある歌詞も、メジャーになって大分増えていますよね。

インディーズ時代のカッコよさを重点に置いた、耽美なイメージの歌詞から、

分かりやすいメッセージ性を含む歌詞が多くなったのは、

彼等の大きな特徴の一つですよね。

石月の感性と歌詞のセンスはすごいって感じます。


この曲の最後、

終わりのないshow time踊らされない

の後に何か言っているのですが、

これが

「ボイーン」

って聞こえるのは私だけでしょうか(笑)

なんて言ってるんでしょうか?これは?


彼等のメジャーで目立つようになったのは、

メッセージ性を多く含む歌詞とともに、光が差すようにぱーっと明るい曲調の楽曲かな?と。

これが何とも清々しいイメージがあって、聴きやすくていいんですよね。

正に、その後の彼等の反映を支える一部を担っているのではないのでしょうか。

そんな風に感じられるのが「Still Alone」。


“君は君の生きる意味を”

“僕は僕の生きる意味を”

時間はいつも無情だけど それぞれの道を選ぶ

[See you]


温もりとか優しさとか憧れとか 夢、孤独

この胸には人が生きる強さを抱いて 君も 僕も


君と出会えてよかったと 真顔で言えるよ 今なら・・・

あの時の嘘も許してね いつか想い出と笑って・・・

こんな温かさ、爽やかさがもの凄く感じられる、

ストレートな心情を歌った歌詞と、

光が差すように明るい曲調の楽曲が、

その後のFtCの名曲とも言える楽曲に何度も出てきて、

私にとってもの凄く好きなんですよ。

メジャーバンド「FANATIC CRISIS」の特徴であって、

大きな武器の一つとなったんじゃないかな、と。


そして忘れていけないのは彼らの人気バンドとしての地位を確立した、

彼らの代表曲「ONE-one for all-」


ひとかけらの小さな勇気 ひとかけらの小さな未来

道は続くよ 君が歩けば ゆれる想い 風に乗せて


いつか命が燃え尽きても いつか世界が終わっても


You're the "One" 忘れないで この世界に響きわたる

君の鼓動 目を開けてごらん雲の切れ目 光がこぼれている

You're the "One" 君がもしも 愛に迷い 夢にはぐれ

泣きたくても かけがえのない君の意味 僕が唄うから


Crying your sadness but, hold all piece

You're the "One"


改めて歌詞を見ながら聴くと、この曲ってすごくいいですよね。

明るいポップな曲調に、励ましや勇気を与えてくれる歌詞、

何か包み込んでくれるように温かなイメージの楽曲で、

彼らの人気アーティストとしての地位を確立したきっかけになった、

と言うことも、本当にうなずけます。

同じ年代の人間なら誰でも知っている楽曲ですもんね。

やっぱ、いい曲です。


と言う訳で、今回はFtCのメジャー1stアルバム「ONE-one for all-」について書きました。

FtCはなんでここまで伸びなかったんだろうって感じで、

非常にいい楽曲をメジャーシーンで提供してくれるんですよね。

ポップでもの凄く聴きやすく、歌詞のメッセージ性や雰囲気も良くて、

共感できる楽曲や、心にじーんとくる楽曲がたくさんあるように思えます。

彼らがV系の衰退とともに音楽シーンから徐々に消えていってしまったこと、

そして数年前に解散したことは、本当に残念でなりません。

解散の経緯について私は知らないのですが、

こういった楽曲を提供してくれるバンドって、

本当に日本で必要なんじゃないかって思います。


ONE-one for all- / FANATIC◇CRISIS (98.03.04)


1.Rewind for one

2.Freedam

3.サーカス

4.SUPER SOUL

5.独裁者

6.スピードコレクター

7.night shadow

8.Still Alone

9.SLEEPER

10.HYSTERIC EARTH

11.ONE-one for all-

12.one for future/z


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