きのうまでの涙を抱きしめて

真夜中の傷跡に“生まれた意味”問い掛ける

もう届かない想いを夢に濡らして


ALL I NEED'S YOUR LIGHT

激しい雨の後で笑ってよ

濡れた心が引き裂かれるまえに

CAN'T YOU TELL ME NOW

涙を止めて今 語ってよ

飾り続けた孤独の悲しみを


ALL I NEED'S YOU LIGHT WOW...

降り注ぐ雨に この身をまかせても

I STILL NEED YOU LIGHT WOW...

眠れない夜に 傷つけ合ったけど

「RAIN」


「MISSING YOU」というシングルが出るまで、この歌は私の中でGLAY NO.1の曲でした。

デビューシングルでプロデューサーにYOSHIKIを向かえた「RAIN」です。

GLAYのバラードにおける涙を誘うような素晴らしい表現力は、

この時点で、恐ろしいぐらいに身についていました。

淡々と流れる綺麗なメロディーに、TERUのややハスキーなカンジの歌声、

そして、最後の

ALL I NEED'S YOU LIGHT WOW...

降り注ぐ雨に この身をまかせても

I STILL NEED YOU LIGHT WOW...

眠れない夜に 傷つけ合ったけど

で、盛り上がりは最高潮になり、

TERUの裏声を使わずに必死に振り絞って出す擦れた感じの高音と、

バックのピアノ音の絡みは何とも言えず素晴らしく、

胸に込み上げてくるものを感じ、その楽曲の世界観に引き込まれそうになります。

インディーズ盤「灰とダイヤモンド」にも収録されていましたが、

完成度は見違えるかのように高くなり、

「おいおい、デビュー曲からこんなんかよ!」って思わせてくれます。


そんなGLAYの国民的バンドへと成長する第一歩となる、彼らの1stアルバム、

「SPEED POP」を今回はブログに書こうと思います。

インディーズ時代、YOSHIKIが社長を務めるEXTACY RECORDから

アルバム「灰とダイヤモンド」をリリース後、

彼らとしては通算2枚目となるアルバムですが、

収録曲はこの「灰とダイヤモンド」と結構被るところがあります。

先行シングルとしてリリースされ、「SPEED POP」に収録されたものも、

「彼女の“Modern・・・”」「真夏の扉」「RAIN」は「灰とダイヤモンド」に収録されていたものです。

しかし、「灰と~」に収録された頃より、やはりメジャーと言うことで、

完成度はどれもカナリ高くなっています。


ビジュアル系として括られた彼らですが、当時~ビジュアル系全盛期のアーティストに比べて、

メイクは薄く、また、歌詞も正統派のJ-POPに近いイメージがあり、

妖艶さ、と言うものは殆ど無く、何だか一線を引いたイメージが強く感じます。

恐らく、当時のインディーズシーンにおけるご時勢がご時勢だったからかな?なんて思います。

まぁ、ビジュアル系に括られないTHE YELLOW MONKEYの初期に比べたら、

メイクも薄いですし。

あ、ちなみにこの頃のTAKUROはモヒカンで、この写真は結構必見かな?なんて思います。


誘惑に弱い君だから 愛を殴って夢を蹴る

快楽もいいけど 何が残るの?

ドラマみたいに生きる事

限りなくウソに近づいては BANG

摩天楼にダイブ 孤独を抱き締める

君の“S・D・R”

「彼女の“Modern・・・”」


イントロダクションの「SPEED POP」から始まり、

跳ねるようなアップテンポの「HAPPY SWING」へと移ります。

その後、イントロから激しいギターのビートとドラムで始まる「彼女“Modern・・・”」。

ギターソロが奏でるビートも非常にメロディアスで、グッド。

ノリの良いアップテンポで激しいビート系ロックに、

TERUのハスキーな歌声が冴え渡る。

「留守電にKICK!」なんてフレーズが個人的に大ヒットです。

こんなフレーズも、ビジュアル系と一線を引いてる感じがします。


二度とは戻れない 激しい恋をしたね

悲しい笑顔の日々は 細い手を握りしめた

“2人にどうぞおだやかな愛を・・・”

「ずっと2人で・・・」


それまでのアップテンポな曲とは一転して流れれるのは、

初期GLAYが放つ、人気高い永遠の名バラード。

冒頭で書いた「RAIN」もそうですが、やはりGLAYのバラード、

特にTERUのソウルのこもったハスキーな歌声がその楽曲の世界観を、

もの凄く盛り上げ、この頃からその実力があふれ出しています。

結婚式にぴったりな、心温まる綺麗な恋愛のバラード。

デビューからビートロック系も、バラードもその表現力と、

メロディーの良さに対する類まれなる才能が感じられる彼らは本当にスゴイ。


マニアックなアッパーな曲、「LOVE SLAVE」が流れ、


重ねてた絆なんてもろく 儚さに消えてゆくものね

真夜中にみてた夢にただ 優しさのかけらすら無かった

「REGRET」


もの凄くポップで跳ねるようなイントロとサビを持つ、

余りにキャッチーで耳に残るようなメロディーと、

それとは裏腹に悲しみと絶望を含む歌詞を乗せた

まるで先ほどの「ずっと2人で・・・」とは対を成すような「REGRET」。

「女神」とか「道化師(ピエロ)」とか使うところが、何となくビジュアル系チック。


幻想的な歌詞で淡々とミディアムテンポで流れる「INNOCENT」。


Freeze My Love

「愛を凍らせて2度と目覚めない様に・・・」と

過ぎてゆく季節に独り止められずに立ち尽くす

「Freeze My Love」


出だしのイントロが耳に残るようにカッコよく、

更にタイトルからか凍るような冷たさも感じられるような「Freeze My Love」。

シングル曲にしては比較的目立たない曲ですが、

このビートロックが非常にカッコ良く、

GLAYの楽曲では個人的にカナリ好きな一曲。

最後の方の

「別れの夜に咲いた華よ~」というところと、

「錆びたナイフ胸に刺して~」というところの、

メロディーの変化も、曲全体に非常にぴったり合っていて、

そのカッコよさを更に盛り上げるアレンジになっている一曲です。


歴史の徒花 誰よりも高く 悲しみを追い越せるまで

吹き抜ける明日の風に手をかざし 夢を見る勇気が欲しい

「真夏の扉」


前作「灰とダイヤモンド」ではこの曲はもの凄くチープに聴こえたのですが、

このアルバムでは、その完成度が結構上がっているのですけれど、

所々、「う~ん」って、感じで思ってしまい、

カナリアレンジが難しいんだろうな、って思います。

でも、聴いていくと、やっぱり「あ、いいじゃん」って思えてきます。


その後の「Life~遠い空の下で~」は、

イントロのミュートしたギターの音を聴くとどうしても、

BOOWYの「CLOUDY HEART」が頭に浮かんでしまいます。

多分、この気持ち分かる人、居るのではないでしょうか?

曲全体では全く違うのですけどね。


そして、「JUNK ART」。

兎に角若干マニアックながらもカッコイイ、

ビート系ロックナンバー。

シリアスでカッコイイ感じの曲の雰囲気。

個人的に同じ傾向にある「LOVE SLAVE」よりも、

こっちの方が好きかな、と。

ドラムの「ダダダダダ!」ってのが、何とも心地いいです。


そして、GLAYがデビューシングルとして放つ極上の切なさたっぷりのバラード、

「RAIN」がラストを飾り、このアルバムは幕を閉じます。


そんなGLAYの1stアルバム「SPEED POP」ですが、

この頃ドラムが居たようですね。

メンバー全員がロックな感じの格好をしている中、

この頃のJIROは非常に「普通の人」です。

この頃から非常に可愛い顔をしています(童顔だからそれはそうか。)

確か、当時会社員をやっていたって話ではなかったですかね??

ブックレットの写真がちょっと面白く、

見開きの左ページの中心にメンバーの写真で、

その写真を取り囲むように散りばめた

ゴシック体のメンバーの名前と「SPEED POP」の文字、

そして、PVのキャプチャー写真。

これが、なんかおしゃれな感じで好きです。


SPEED POP / GLAY (95.03.01)


1.SPEED POP(Instrumental)

2.HAPPY SWING

3.彼女の“Modern・・・”

4.ずっと2人で・・・

5.LOVE SLAVE

6.REGRET

7.INNOCENT

8.Freeze My Love

9.真夏の扉

10.Life~遠い空の下で~

11.JUNK ART

12.RAIN



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