「私将来はCA(GS)になりたいんです!!」

どうやらそう公の場で宣言をするのは勇気のいること・・・らしい
これは変わらず昔から、そして今の時代は尚のこと
ではお国変わって欧米で同じことを言ったらどうだろう?
答えは決まってこうくるはずだ

「え??何でまた・・・?」

そう、国によって価値観が様々であるのと同様に、職業に対しての捉え方も又様々
CA/GSといった航空業界の仕事がカリスマ視されているのは、主に韓国や中国(日本も相変わらずの人気)で、少なくとも欧米では数ある職業の1つに過ぎない、いやリスペクトされるほどの職業でない?という事は紛れもない事実である

そんなわけでアメリカの航空会社で働いていた私は、アメリカ人CAと日本人CA、その2か国のクルーの「仕事に対する意識の違い」というものを自身の仕事を通してはっきりとこの目で見てきた!といっても過言ではないだろう

難関を突破して人気の職業に就いたという自信とプライドに満ち溢れた日本人CA
旅行が好き!人が好き!楽しければいいじゃん!という感覚のアメリカ人CA
相反するこの2種類の生き物が(笑)1機の飛行機で何十時間も仕事を共にするもだから、毎度毎度のフライトはそれはそれは物語に満ちていた

まず、アメリカ人CAは仕事に対してストイックに取り組むなんていう概念が全くない
とにかくお客様はもとより、自分自身が仕事を(フライト)楽しむこと!それが大切
それは乗務する前、互いに交わす言葉にも表れていた

日本人CA「本日もミスの無い様に 気を引き締めて参りましょう!」
アメリカ人CA「Enjoy!」

Enjoy!!確かに大切なことだけれど・・・?笑
それによって悩まされたことは数え出すときりがない

日本人CAは日本語での機内アナウンスを担当する為、コックピットで事前にキャプテンとブリーフィング(打ち合わせ)を行わなくてはならない
メモを片手に真剣に就航地の天候を確認する私に彼は一言

「今日のホノルルは大雪だよ 以上!」

又飛行ルートを確認しようものなら、「関西空港から出発してショッピングモールへ これがChiakiの飛行ルートです!」
いやいや・・・笑
おまけに狭いコックピットで座る場所もままならない状態の私に「僕の膝の上があいているよ」と無理やり座らせる始末
いわゆる日系の航空会社における年功序列などどこ吹く風だ

ある時私はアナウンスにおいて重大なミスを犯してしまった
時差が伴いもはやどこを飛んでいるのか分からなくなったCAがよくやるパターン?なのだが(たぶん)ロサンジェルスに到着したにも関わらず「皆さん長らくのご搭乗大変お疲れ様でございました 関西国際空港に到着いたしました!」と堂々と言ってのけたのだ

顔面蒼白で私に近づいてくる日本人の先輩 殺されるかも・・・?そう私が思った瞬間
マイクを取り上げ「今のは日本人のChiakiの間違いでーーーーす!皆さん拍手!!イエーーーイ!」とアナウンスするアメリカ人CA
この差は一体・・・?

ブレイクタイム、堂々とジャンプシート(CAが座る座席)で足を組みタバコを吸うアメリカ人CA
決して見栄えのいいものではなく、又日本人のお客様からのクレームもあり、一応注意らしきものをすることにした
すると予想通りの反応
「私は今ブレイクなの 何したっていいでしょ!!」
確かに・・・

権利を主張することは大得意なので、ブレイクはしっかりとる
その時間に何か仕事を頼もうとも微動だにしない
何故なら「私は今ブレイク中なのだから」、と

でも有難いことも沢山あった
ある日体調が悪い中、我慢して一生懸命仕事をしていた私
それに気づいたリードフライトアテンダント

「Chiaki さっきからトイレばかり行ってるけどどうしたの?」
「いや、ちょっと体調が悪くて」と私
「え?体調が悪いのに何であなたは仕事してんの?(ばかじゃないの?位の勢いで 
寝てなさい!)

そんなわけで私は16時間のフライトをファーストクラスで一般客に交じって爆睡して業務終了 誰も文句を言う人なんていない

アメリカには忍耐は美徳なんて発想は全くないのだから

機内で日本食のおそばが足りなくて焦っていた
おかしいな、ちゃんと数えたはずなのに、どうしても1つ足りない
尋ねると「あ、Chiakiの分とっておいたよ、あなた日本人だからそば好きでしょ?」
いやいやお客様のものだから・・・・笑

陽気で愉快なアメリカ人クルーと仕事をしていると、細かいことなんてどうでもよくなる
日本人がストイックすぎるのかな?
人生はもっともっと、何より自ら楽しまなくちゃ!
そんな考えが頭をよぎることもある

でも日本人のお客様は私達日本人CAを日本を代表する人として頼りにして下さっているのも事実

互いの文化を理解し尊重するということ

そうして作り上げたフライトの醍醐味は、単一民族の同一価値観では決して味わうことはできない

大切なのはバランス感覚
語学力より異文化理解
変化に富んだ環境下でその時々に必要な私でいられる柔軟性が何より大切なのだと今改めて思う


クラウドナインHP

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