「エアライン業界への近道! 内定へのパスポート!!」

学校広告において、この手のキャッチコピーを至るところで目にする
そして今日も又誰かがこの言葉に踊らされている

「どうしてこの学校を選んだの?」
「これがエアライン業界への(就職の)近道だと思ったからです」

この手の会話も一体どれ位耳にして来ただろう・・・

そもそも人は何故そんなにも「近道」にこだわるのか?
「近道」には一体どんな魅力があるというのか・・・?

専門学校の講師を始めたばかりの頃、私は人を育てて行く上で、何が正しいのかを
深く理解する間もないまま、ただがむしゃらに毎日を送っていた

クラスにある優秀な学生がいた
理解力が早く、合理的で、何かを成し遂げるのにそう時間を要さない、そんな印象だった
しかし後に私は彼女から、とんでもない仕打ち?を受ける事となる


面接における質問にはそれぞれ「意図」がある
その「意図」を十分理解して、あらゆる角度から受験生の「接客適性」や「業務適性」をはかる面接官に対し自身をPRしていくという事は、生半可な自己分析では到底太刀打ちできない

ある日の面接対策の授業において、各航空会社の既出質問に対し、皆が思い思いの答えを探していた、そんな時、彼女は積極的に授業に参加していた
少なくとも新人講師の私の目にはその様に映っていた

彼女は事あるごとに私にこう尋ねた
「先生ならこの質問にどう答えますか?」

当初私は一つの参考として私の答えを知りたいのだと思っていた
しかし後によくよく考えてみれば、彼女はそうして聞きだした私の答えを全て自分の考えとし、又クラスで素晴らしい回答をしている学生の答えもすべてノートに書き写していたのだ

結果彼女は新卒で難関とされている某会社のGSとして内定を勝ち得た
結果として内定したのだから、「おめでとう」と言うのは簡単だ
しかし私は心の底からそれを言う事が出来なかった

通常内定した後は、後輩達の為に「合格体験記」を書いてもらう
辛く厳しい就職活動を終えた後、皆は一回りも二回りも人間的に大きく成長し
後輩達に向けるメッセージも又熱く、私も溢れ出る涙を堪えながら毎回読ませていただいている
そんな中提出された彼女の体験記を読んだ時、私はここで改めて彼女の日頃の姿勢を再確認する事となった
そこには
「大丈夫です、何とかなるもんですから!!(笑)」とあった

私は誰にも気づかれない様、この一行を思い切りホワイトで消した
間違っても後輩にそんな考えを持ってもらいたくはなかった

その後、彼女は入社後、約1か月で退職した
精神的にプレッシャーがきつく訓練についていけなかったそうだ
1か月で12キロ痩せた彼女は、ぼろぼろになって学校に報告に来た
やはり「なんともならなかった」のだ

先日、大親友にこんな事を言われた
「いや~ちあきちゃんって、まわり道を沢山するけれど、必ず目標に辿り着くよね!」

「まわり道」という言葉に苦笑せずにいられない私だったが(笑)、私を誰よりも深く理解してくれている彼女にこう評価してもらえた事、又これまでの私の人生のうまくいかなかった事全てに、心から「ありがとう!」と言いたい

何故なら「まわり道」こそが私に多くの学びを与えてくれ、目指すべき道へ導いてくれたのだから・・・
試練の先には、「成功」か「学び」しかない!
近道なんてあるはずもないのだ