前回に引き続き、キャビンアテンダントやグランドスタッフに必要な資質「接客適性」について触れてみる事にする
今回は中でも「気付く力」「察する力」という視点から話をすすめてみよう

専門学校のエアラインコースで長年講師をして来た私だが、学生に対していつも言っていた事がある
それは私は「先生」という立場から皆(生徒)を見ているのではなく航空業界の「先輩」として貴女達を見ているのだという事 
後輩として(貴女方)を迎え入れたいと思うか、一緒に働きたいと思うのか・・・

ご存知の様に航空業界、殊にキャビンアテンダントやグランドスタッフは完全なる女性社会だ
よって一般企業の就職試験と大きく異なる点と言えば面接試験に必ず女性が入るという事
(今の時代は珍しくはないが、以前は面接官と言えば男性が主流だった)
要は「同性に認められる」という事も重要な要素の一つと言える

そうした事から私は学生達と過ごす日常のあらゆる場面から彼女達の接客適性についても秘かに観察をしているというわけだ
時に「業界の先輩」として、時に「同性の先輩」として・・・

例えば授業でDVDを観る機会があったとする
そんな時、一番に電気を消し、ブラインドを下げる事が出来る人
私が沢山のプリントを抱え困った顔を見せようものなら即座に立ち上がり配布を率先
彼女は英語力こそ基準には達していなかったものの、一番にCAとして内定を勝ち得た

メールを送る時、とかく自分の要件だけを端的に伝えようとする人が多い中、必ず季節ならではの挨拶から文章を始める学生がいた
文の結び目には必ず私の健康を気遣う温かい言葉
優しさに溢れた彼女も又第一希望だったグランドスタッフとして即内定
決して成績は優秀ではなかった

私が新人の頃、飛行機に乗るのが初めてという80代のお客様がいた
お一人でシアトルにいらっしゃる息子さんに逢いに行かれるとの事だったが事前に先輩からくれぐれも注意をする様にとのお話があった

そのお客様がお手洗いに立たれた時の事
狭い機内で、一人恐々通路を歩かれるお客様の後を追い、手を差し伸べようとした瞬間
私は先輩に止められた

先輩は遠くからそのお客様をじっと見守り、(お客様が)無事座席に戻って来られたのを確認した上で、ようやく次の仕事に移られた

過剰なケアは時にお客様の自尊心を傷つけ、自立心をも妨げる事になりかねない
又私にとっての最大限のケアが必ずしもお客様にとっての上質のサービスに繋がるとも限らない
当時の私にはその時々の場面における「気づく力」や「察する力」が不十分だったと言えるだろう

クラウドナインのホームページにも記した私の大好きな言葉

「客室乗務員とは(グランドスタッフも含め)人の情緒を扱う仕事である」

目には決して見えない「情緒」だからこそ、「気づく力」「察する力」を日常生活より大切に育みたいと思う