先日、日本テレビ系列で放送された「チープフライト」
皆さんの中にはご覧になられた方も多いはず

実は随分前からこのドラマのモデルともとれる、「チェリー航空」ならぬ「ピーチアビエーション」のCAの友人から、番組の放送を聞かされていた私は、久々にワクワクした気持ちでテレビの前にいた

それにしても、このタイトル・・・「チープフライト」とは何たることか・・・(笑)
一昔前なら考えられないこのタイトル・・・
とはいえ今の航空業界を端的に表現するには最も相応しいとも言うべきか・・・

2012年は日本にとっての「LCC元年」と言われ、この言葉は流行語大賞にノミネートまでされる程の注目ぶりだ
ANA系列のピーチアビエーションが3月、同じくエアアジアジャパンが8月に運航を開始し、JAL系列のジェットスタージャパンも7月に運航をスタートさせた

今時代は「割引運賃」から「格安運賃」へ・・・
そして航空業界に携わる方々はもちろんの事、飛行機を利用される全ての人にとって既存の経験や先入観を捨てるべき新しい(航空)時代の幕明けとも言えるのではないだろうか

では一体何故ここまで安いシートを提供できるのか?
そこにはLCCならではのある秘訣があった

航空機はお客様を乗せて飛ばない事には利益を上げられない
その為には航空機の空港滞在時間をできるだけ短くし、稼働率を上げ収入を増やして行くというのがLCCの発想だ

そこで、最初に意識を変えなくてはならないのが、CAの役割だ

(空港滞在時間を短くする為の)取組みとして、新たにCAが果たすべき業務の中に
「機内清掃」というものが加わる事となる

1~2時間のショートフライトの中で有料サービスの飲み物や軽食を販売し、それと同時に乗客からごみ等を回収し、これまでは業社が担当していた機内清掃も全て行う事で、空港での滞在時間を短縮させる事に成功したのだ

又「ノンフリル」のサービスというのも格安運賃の秘密の一つである

ノンフリル・・・フリル(飾り)がない

つまり、無料のサービスを撤廃し必要なものは全て有料で提供するというLCCならではの独自のスタイル
コスト削減を推進する為にも又クルーの手間を省く為にも、ある意味合理的な手段と言えるだろう

しかし、ここまで来て何とも虚しい気持ちに陥るのは私だけだろうか?

格安にこだわるがあまり、全てが簡略化され、日本独自のサービスのきめ細やかさ、上質のホスピタリティはここではもう受ける事は出来ないのだろうか
安全に目的地へ運ぶだけの乗客はもはや心を持たない「荷物」と同じ扱いなのだろうか・・・

私の教え子も数多くLCCに入社している

「保安要員以外の私達の役割って一体何なんだろうと思うんです」

「私がお客様にしてさしあげたいサービスと会社が求める事が違うんです」

ここ最近こんな意見が教え子の口から次々と飛び出す

しかし、世界で初めてLCCが誕生したのは1966年の事
そういった意味では日本はLCCに対してかなりの遅れを取っている事もまた事実であり、アメリカの航空会社で働いていた私にとっては(外資系で働く人は少なからずやこう思うだろうが)日本のやや過剰すぎるサービスが、かえってクレーム等の発生率を高め、効率を悪化させている事も否めない

欲しいものは自らが有料で!
むやみやたらのお客様第一主義より「法」が優先!
必要以上の謝罪はかえってクレームのもと!

合理的なこの考えは実は海外ではすでに当たり前の事実だ

ではこの様な状況下でCAに求められる事とは何なのだろう・・・・

JALエクスプレス(JEX)はこう唱える

短いフライトの中で、又狭い機内で、サービスは簡略化され、多くの制約がある

だからこそJEXではCAこそが商品 一人一人がエンターティナーであるべきだ、と

そこでクルーに名づけられたのはCA(キャビンアテンダント)ではなく「空という舞台の配役」=「スカイキャスト」

私はこの発想が大好きだ

制約の中にこそヒントがある!
そしてその中でこそ新たな発想は生まれる!

この新たなる航空業界を共に創り上げるのは、既存のCA像に捉われない、フレキシビリティ溢れる、そんな人材
いま求められているのは、間違いなくそんな人達だ