早いもので、私が音の階段を作ってから8年の歳月が流れました。

 

初代音の階段はまだ1オクターブ幅に対応しておらず、大き目のものでした。しかし年々改良を加え、現在ではピアノの1オクターブ幅にジャストフィットさせて製作しております。このジャストフィットするところが最大の特徴です。

今日は、まだ私の「音の階段」をご存じない方にもわかりやすく、製作の目的や経緯、コンセプトやその効果について語らせていただければと思います。どうぞよろしくお付き合いのほど。

 

あれは今から8年前。

”音の高低と並びの一致”という中嶋恵美子先生の紙面教材を拝見して、私は

「おお、それなら平面ではなく立体で作ったら、より初心の生徒や発達障碍児の理解を得やすいのではないか」

とひらめきました。

 

実際に試作品を作ってまずは、生徒のレッスンで使ってみるとこれが非常に良い反応を得ました。視覚的かつ立体的な音の階段は、生徒たちの心にダイレクトにの心に響き、音の高低や並びについての理解度がグンと上がったのです。絶大な効果でした。

そのことを中嶋先生に報告すると、

「なんと。立体にするとさらに効果的なんだね!それはすごい!」

と喜んでいただきました。

そこで中嶋先生からのアドヴァイス。

「やっちゃん。これさ、机の上で使うだけじゃなくて、そのままピアノの鍵盤上でも使えるようにしたら、もっと生徒には違和感なく鍵盤上での学びに活かせるんじゃない?そういうの作れる?」

(中嶋先生は私のことを”やっちゃん”と呼びます。私は中嶋先生のことを”えみちゃん”と呼びます。)

「なるほど、うんうん、作ってみるよ!」

…というわけで生まれたのが”1オクターブ幅の音の階段”です。

 

◇1オクターブ幅の音の階段◇
この教具は、幼児や発達障碍児の音の並びと高低の理解をより深めます。
卓上やピアノの鍵盤上で使用できます。この音の階段は、幹音のみを学びの対象にしています。また、音の高低が理解できれば良いのであえて全音半音の区別を階段の段差に反映させていません。
全音・半音を区別する、また派生音を理解する前に覚えるべきなのが、


〇ピアノでは左から右へ向かって音が上がり、右から左へ向かって音が下がるということ
〇音の並び順は決まっていること


…この2点ですね。
教える側には当たり前でも、生徒にとっては当たり前ではないことが多いもの。当たり前でないならなおさら、スモールステップで学びを促していくのがベストでしょう。一度にたくさんの情報を処理するのは幼児や発達障碍児には難しいことです。全音・半音の区別や、派生音については少し横に置き、まずは上記の2点を理解してもらうために「音の階段」を使います。


音の並びや高低の関係性を視覚化したものが「音の階段」です。視覚化することで「音」の存在をより立体的にとらえることができ、感覚的に覚えることで記憶に残りやすくなると思います。


このことは、いずれは全音・半音や派生音の理解、和音の基本形→展開形の理解からその先へとつながる重要なステップであると考えます。音の階段を使って先生が生徒にクイズを出し、即座に応えられるようになるまで、根気よく指導し続けていくことが大切です。
 

 

「音の階段」は8年の歳月をかけて現在の形状になりました。温かな木のぬくもりを感じられる質感も気に入っています。ニスなどでの艶出しはしていません。オイルも不使用です。

引き続きレッスン教具のSHOP「やすこ先生のお店」でお取り扱いしております。
おかげさまでこれまでたくさんの先生方が購入され、ご好評をいただいています。
実際に指導する先生方が、生徒さんへのアプローチをしやすいように工夫を重ねています。
より効率的な学びにつながりますように。
私は明確な指導目的とともに、この教具をレッスンで毎日活用しております。

視覚的にまた感覚的にも、音の並び(可逆的な音の並び)を覚えやすく、音の高低についてもよくわかるようです。
幼児さんや発達障碍児が「音の並びと高低の一致」について、理解を深めていってくれたら嬉しいです。

 

2017年には、ムジカノーヴァの紙面教材にもしていただきました。

 

 

自分で作った”立体の音の階段”を、平面の形状でも活かせるよう、試行錯誤(七転八倒ともいう←おおげさ)しながら製図。

立体の良さをどうやったら平面でも表現できるか、これは予想外に難しいものだと学びました。

机上で学べ、それをそのままピアノの鍵盤上に持って行っても違和感なく使えるように。

 

おかげさまで、大きな反響をいただきました。

 

 

また、番外編として”巨大階段”も製作しました。(これは3年前くらいでしょうか)

敢えて”1オクターブ幅にこだわらず”です。

デスクベルを階段に乗せて、生徒はそれを鳴らしながら階名で歌います。大きな動作で”上がる&下がる”を体感できるので、理屈よりさきに体感で覚えていきます。今でも小さな生徒や発達障害児のレッスンでは毎回登場する巨大階段&デスクベルです。

 

 

 

※「やすこ先生!これも商品化になりませんか?」…と打診をいただくのですが、そうですね…作れはしますが、時間と手間がかかりすぎてしまうので申し訳ないのですがお断りしています。私の本業はピアノ指導なので。

 

 

さて、久しぶりのブログでついつい長くなりました。

”1オクターブ幅の音の階段”の特徴、その目的、活用法、等々ご理解いただけましたら幸いです。

私はより良いレッスンのために、ちょっとした工夫を形にするのが大好きなので、ほかにもたくさん生徒にヒットした教具や教材があります。作り手が満足するのではなく、生徒の「わかった!」「できた!」につながるものづくりを目指しています。小さな工夫から大きな工夫まで、よい演奏につながる正しい理解を得られるよう、これからもその歩みを続けていきます。

 

 

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講師のみなさまのお役に立てましたら幸いです。

 

  

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