年に一回の発表会、生徒さんたちはとても楽しみにしています。
一年の集大成、みんなの成長を講師である私ももちろん楽しみなのです。
自分の演奏を舞台で披露する経験は、普段の練習とはまた違う貴重な学びの機会。
地道な”練習”というものを、日々コツコツと続けるのはとても難しい。その日の体調によっても音は変化するし、自分の成長がちっとも感じられなくてめげてモンモンとしたりもします。いやどちらかと言うと、モンモンとしたり、「できない~!」と嘆く回数の方が多いかも知れないですね。でもだからこそ、ある日(アレ…?なんかできるようになった?)という瞬間が例えようもなく嬉しかったりするんです。繰り返し繰り返し、試行錯誤しながら弾けるようになるまで努力を重ねる、それが練習。
ピアノは華やかなイメージがありますけれど、実はかなり地味な作業が多く、自分の心と向き合う難しさも思い知る、言葉はアレですが俗に言う”スポ根もの”な面もある気がします。
耳を開き、感覚を研ぎ澄ませ、技術と表現を身に着けるためのトレーニングをしながら、己の内面を磨いていく。楽器演奏を習得するって、表立ってはわからないでしょうけれどかなりハード。
しかし、一曲できるようになったときの喜びはひとしおです。他の誰でもない、自分が演奏できるようになったのですから。流れてくる音楽を聴くことは簡単ですが、自らの手指から音を紡ぎ出すのはそうそうできることではないからです。
そんなふうにして、弾けるようになった大切な曲を人前で披露する。緊張もするけど、失敗もあるだろうけれど、精一杯取り組んだなら発表会はそれだけで大成功です。みんな毎年最後は笑顔で幸せな気持ちになって帰っていきます。またこれから一年間も頑張ろう、来年はこんな曲が弾けたらいいな~♡と夢も膨らんで、ね。
…おっと、久しぶりのブログで…ちょっと(←だいぶ?)語ってしまいました。(^_^;)
とにかくですね、グレードともコンクールとも違う”発表会”はみんなにとって貴重な機会なのですよね。
しかしこのコロナ禍の中で、今年は一体どんなかたちで発表会を開催したら良いものか…?
友人のピアノ講師たちも、暗中模索しています。
私は4月は全員お休みにし、5月はオンラインレッスン、そして6月から対面レッスンを再開しました。7月、そして8月と、みんなやっとマスク在り&コロナ対策仕様のレッスンに慣れてきました。表向きはみんな元気ですが、実際は結構疲れやストレスが溜まっているのではないかなと内心私は危惧しています。生徒さん然り、保護者様も然り。もちろんレッスンではお互いにハツラツとしていますけれども。
学校の予定や環境も例年とは大幅に変化がある中で、みんななんとか毎日頑張って暮らしている、というのが現状ではないでしょうか。毎日いろんな情報が耳に目に入り一喜一憂しながら、なんとか希望を持ちつつ踏ん張っているんですよね。
そういう状況の中で、発表会という存在はみんなの活力となるのかどうか?
ここ数年会場として借りている、カワイのサロンはアットホームな雰囲気なので大人数は入れません。以前は中ホールくらいの規模の会場で開催していましたが、ここ数年は私自身がこのサロンを気に入っているのでこちらで。
お客様と出演者の距離が近く、交流がしやすいので小規模ながらもとても楽しく盛り上がっています。
いつも開催時期は12月ですが、念のため少しずらして1月と2月に会場を押えてあります(弾き合い会と本番の2回分)。
…しかしう~む。。
入れ替え制で開催?それともいっそオンラインで?
…生徒さんたちにもそして私自身にとっても、ストレスのなるべく少ない方法で何かできないだろうか?
この数か月、コロナの状況をよく注意してみながらレッスンしていました。そしてその発表会をどうするのがベターなのかを、日々考えていました。
ただ、発表会を今年はお休みするのも一つ方法としてありだとも思います。一番の安全策ですね。ウチは荒川を挟んですぐそこが東京ですし、関東圏は特に感染者数も多く問題も山積みかなと思うので、特に二の足踏んでます。
モチベーションアップにも大きな役割を果たしてくれる発表会ですが、リスクを考えるとやはり安全策を取るのが間違いないかなと。
それはとても残念ですが、それにこだわらずに何か別のアイデアで生徒さんたちの気持ちを盛り上げていきたいと思い始めています。
本当に、本当に、難しい時期です。
一年前まではこんな日々がやってくるとは思いもよりませんでした。
何をどう判断するかは、講師としての私の責任でもあります。
でもできるだけ、前向きに明るく、みんながなるべくハッピーになれる環境づくりをしていきたいです。
-