少し話はさかのぼります。

2019年6月20日

フォルテピアノ奏者の小倉貴久子先生のご自宅にうかがい、ハイドンのクラヴィーアソナタにスポットを当てた講座を受けてきました。

先生の演奏と、時代背景やハイドンの作風がどのようであったかなど、密度の濃い、そして目から鱗の解説をたっぷりと聴かせていただきました!!!

 

いつものことながら、先生の説明はとてもわかりやすく、ハイドンの世界はもっともっと奥深いものだと、教えていただいた気がします。

私たちは、パパ・ハイドンの作品は主に学習用としてあまり深めずに来た気がします。生徒に対しても、ほかのいろんな作曲家の作品と同じように演奏の幅を広げるために、そして経験値を増やすために、課題として出すことが大半です。

 

そのハイドンの作品の中身、ハイドンの心の中ものぞくと・・こんなに革新的なことをやってみようとしていたんだとわかりました。

私たちは出来上がった作品を一所懸命に演奏するだけですから、ふんふん、そうか、ハイドンさん。

面白いですね。でも難しいですね。

・・・くらいの認識でいますが、その「面白さ」はハイドン以前には誰も挑戦したことのない、領域だったりするので、かなり彼は貪欲に新しさを探しつつ作曲に向かっていたと思われます。新しい試み、新しい形を生み出す→世に送り出す。これってなんと勇気のいることでしょうか。音楽の、楽器の、可能性をいつも試してより楽しくするための工夫をし続けていたようです。

拍子を崩してみたり、形式や調性の変化や、効果的な装飾音の入れ方等々、当時は新しい試みとして第一歩を踏み出したものばかり。

 

クラヴィーアソナタだけでなく、ハイドンの作品は膨大な数が残されています。私たちは、ピアノ弾きなのでクラヴィーアがらみの作品にばかり集中してしまいますが、弦楽四重奏曲などにももっと目を向けていかねばならないと感じました。

音楽の、演奏の、楽器の可能性を常に追求し、彼は人生が終わるまで試行錯誤を続けていたのでは?そのくらい精力的に、貪欲に、音楽と対峙してんじゃないかと思い始めました。勉強のためにただ通り一遍やるだけの作曲家ではなく、もっとハイドンの人生と音楽への情熱を知っていくことが、私たちが指導者としてさらにステップアップしていけるんじゃないかな。

小倉先生のお話は、先ほども書きましたが非常に分かりやすく心に響きます。そして、解説しながら演奏も織り交ぜてくださって、(なんと贅沢すぎ!)私たちがまだ知らなかったことを教えてくださいました。ハイドンの生きていた時代の楽器を使って、その作品とより親密になる時間。

 

前回と同じく、Facebookグループ「フォルテピアノ」(ピアノ指導者限定)の中の有志18名で、ご自宅講座への参加者を募り先生に講座をお願いしました。先生はいつも超お忙しいのですが、半年に一回のペースでこの講座を開いてくださっています。

なんとありがたい、なんと贅沢な時間でしょう。

みんな自分の演奏には眉間にしわを寄せていましたが(←先生のさらっとお弾きになるのをまねようとして、まねできず撃沈)、そこから新しい発見を各自得ることができ、もっともっと知りたい。もっともっと触りたい!という思いが強くなりましたね。

 

今回は、先に集合写真をババーンとご紹介します。

今回は18名で伺いました。

かしまし娘(?!)が18人も先生のご自宅におじゃましましたので、先生、やりにくくなかったですか?

でも先生の演奏に全員そろってのためいき、そして自分のミニレッスンの時に音が上手くでなくてあわわわわ!私今どこ弾いてるの~?との雄たけびも、先生はにこやかに、大きな心で受け止めてくださいましたね。

 

前半は講義です。みんな真剣!

だって、楽しいのですもの。

難しい話も、ハイドンにもっと近づきたくて目をまんまるくしながら聴いています。

先生渾身のレジュメを見ながら、作品番号の並び順に関することなど、私たちが疑問に思っていたことも教えてくださいます。

・・・う~む。これはもしや・・小倉先生大学ではないだろうか。

 

クラヴィコード。チェンバロと違うのは、弦をタンジェント(真鍮製の突き上げる棒)で打つことで発音するのですが、その際、その指でヴィブラートをかけることが可能です。ただし、綺麗な音がだせるまでには、そうとう難しい楽器です。そこがまたいいのですけれどね。

音量は小さいです。でも小さいけれど、奏者の指のセンサーの感度をかなり挙げてくれます。

18人もいるのに、先生は一人一人ミニレッスンを一所懸命アツくしてくださいました。

 

クラヴィコード

 

チェンバロ

 

 

 

先生が演奏すると、「聴きに行く」クラヴィコードも、ポーンと生き生きとした音が出てきました。

なじぇ?なじぇなの。

先生が弾くと例えようもなく美しい音色に変わるのは、いったいなじぇなの??

 

わあ、まるまっている背中、私デス。いとはずかし。

生まれて初めて本物のチェンバロを弾きました。

クラヴィコードやヴァルターとも全く違う音の出方。

弦をはじいて発音させるのですが、その感覚を掴んで上手に音を出すのが難しい。

私なりの創意工夫を混ぜながら、クラヴィーアソナタ ハ長調Hob.XVI:35の第3楽章を弾きました。

この日みんなが弾いた曲をまとめてくださった方が。
一覧があると便利だよね、と作ってくれました。
ありがとう!

 

 

 

みんな、ものすごく集中!そして、お目目はより目?になってます。

 

 

先生ご所蔵の楽器は、どれも全部個性が違うので、通り一遍等の弾き方では、その楽器と作品の魅力を出すことが、非常に難しいです。でも、チャレンジしたいんだな~。そんな私たちです。

 

 

チェンバロを弾く先生。なんと美しい姿勢!

そして豊かな水源から水があふれ出てくるような、流麗な演奏。

みんな、時間なんか忘れてうっとり。

 

 

さて、ヴァルターです。

先生に演奏を聴いていただきながら、質問もたくさん生まれてきます。

今回はヴァルターを希望される方が多かったですね。

 

弾き方は、現代のピアノ(モダンピアノ)とは全く違います。

共通項ももちろんあるけれど、目の前にあるその楽器を上手く鳴らしたかったら、そのタッチや特性に奏者側が上手く合わせていかなければなりません。無駄な力は抜いて~、腕で弾かないで~・・・うむ。そしてやはり、難しくてできなのだけれど、楽しい。もっと弾きたくなる楽器、それがフォルテピアノ。指からハンマーへ、そしてその先の弦の音まで、自分と一つにつながっている感覚が心地よい。子音の立ち上がりがとても素晴らしい楽器、おしゃべりするように自由に、・・・そう、小倉先生のように弾けたら気持ちいいだろうなあ。。

 

 

横から、「ここはこんな風にしてみるといいかも」などと、先生はさらっと弾いてくださいます。・・が、私たちもこの姿勢、レッスンでしますが結構弾きづらくて変なところに力が入って良くなかったりします。でも、先生は身体の使い方のエキスパートでもいらっしゃるので、なんなく横から反対側から、さらりと芸術を放つのです。

もうね、本当に小倉先生は凄すぎます。

 

そしてあっという間の講座、終了後には、先生おススメのカレー屋さんへGO!

今回も、表に裏にたくさんお力添えくださった小倉先生の旦那様、塚田聡さんもご一緒にお誘いして!

グルプリート

 

 

いつまででも音楽談義が続きました。

小倉先生、塚田先生、ありがとうございました!

次回は10月です!どうぞまたよろしくお願い致します。

 

ちなみに、今回のハイドンをもっと掘り下げて勉強したいということになったので、次回もハイドンを取り上げます。

とっても楽しみ!!!!

 

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