一週間のレッスンを無事に終えた週末。

夜中に作業をしながら、NHK総合の

「歴史秘話ヒストリア」を観ていました。

明治という新しい時代に、”標準語”を生み

出し世に広めた、上田万年先生のお話でした。

私たちが当たり前のように使っている標準語。

それは明治の創成期に知恵と知識と工夫を

重ね、気の遠くなるような年月をかけて全国

に広めた人物がいたからだと初めて知りました。

そしてその普及には、音楽も大きな役割を

果たしていたことも。

 

日本人なのに通じナイ!? 明治標準語ことはじめ

 

日本の夜明け、明治の世の始まりに日本人同士

で言葉が通じないという大混乱が起きました。
その事態に立ち上がったのは、言語学者の

上田万年。

日本語をつくった男とも言われた万年先生。
グリム童話の名作「オオカミと七匹の小ヤギ」

に「春の小川」。日本の危機を救うため、万年

先生はあの手この手で奮闘しました。


今から150年ほど前、江戸の世が終わり時代

は明治へ。新しい日本には汽車も走り、文明

開化も始まり素晴らしい時代がやって来ると

思いきや、大変な事態が襲いました。
江戸時代、日本には約300もの藩があり、

多様な文化と言葉を持っていました。

明治になり藩は無くなったが「お国言葉」が

消えたわけではなかったのです。
さらに当時の言葉は男性と女性、身分や職業

などでも異なっていたため、数えきれないほど

あったそうです。

特に日本中からたくさんの人が集まった東京

では、いろいろな言葉が交わされ乱れ飛び、

行き違いは絶えなかったと。

 

明治政府は大慌て。

みんなが一つの言葉を話すにはどうしたらいい

のか、それには日本語を根本から変えるしか

ないといった議論まで始まりました。

実際、知識人たちは真面目に提案しだします。

・ひらがなで全国統一すべき

・いや、ローマ字で!

・それより、これからは英語だ

 

…そんな議論があったんですね。

今、私たちが当たり前のように使っている言葉。

その始まりには、みんながお互い通じ合えるよう

にという切なる願いがありました。

 

万年が標準語の基にしようとした

「教育ある東京人の言葉」とは、

主に「山の手」と呼ばれた地域の言葉。

現在のJR山手線の内側。

江戸時代には武家屋敷が建ち並び、明治に

入ってからは勤め人が多く住まう落ち着いた

一帯でした。

 

明治37年に定められた「尋常小学読本」にも

同じ工夫が見てとれます。

1年生の1ページ目にも挿絵が。

絵と合わせて文字を一つ一つ覚えていくことが

できるようになっていたと。
全国各地、方言がそのお国では標準語である

ところに、全国共通の言語=つまりは本当の

”標準語”を浸透させていかなければならない。

それは、想像以上に大変な作業だったことで

しょう。
この教科書には、全国の子どもたちが新しい

日本語を正確に発音できるようにとの工夫も

込められていました。
さらに明治になって作られた文部省唱歌

「春の小川」。

こうした唱歌は新しい日本語を覚えてもらう

役割も担っていたそうです。童謡・唱歌の会を

主宰している身としてはますます聞き逃せない

ことです。

万年自身も文部省の作詞委員に加わり、歌で

新しい言葉を広めていくことに力を尽くした。

 

上田万年は言葉の極意をこんな風に語っていた

そうです。この言葉に非常に感銘を受けました。

言葉とは人生のうちで最も幸せな時とでも言うべき子どもの頃の思い出と深く結びついて、成り立っていくものである。思い起こしてみるがいい。幼い頃、一日の遊びに疲れ果て、眠りにつこうとした時、母はどんなにやさしい声で子守歌をうたってくれたことか。


 

一、
春の小川はさらさら流る。
岸のすみれやれんげの花に、
匂いめでたく、色うつくしく
咲けよ咲けよと、ささやく如く。
二、
春の小川はさらさら流る。
蝦やめだかや小鮒の群に、
今日も一日ひなたに出でて
遊べ遊べと、ささやく如く。
三、
春の小川はさらさら流る。
歌の上手よ、いとしき子ども、
声をそろえて小川の歌を
歌え歌えと、ささやく如く。

 

1912年文部省唱歌

当時は作者の名前が伏せられていました。

実際は高野辰之が作詞、岡野貞一が作曲。

この後、固い文語調の歌詞は2度(1942年

と1947年)、易しい口語体の歌詞に改変され

ました。

 

標準語の生まれる歴史から、童謡・唱歌の

話になりましたが、言葉と音楽は切っても切り

離せない関係にあることを、改めて実感した

ひとときでした。

言葉と音楽。

言霊の中には、音も内包されている。

そんな風に感じて嬉しくなりました。

 

 

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