昨日の午前中に、ミューザ川崎まで行ってまいりました。
第14回ジェイミーのコンサートを聴きに行くためです。
以前、このブログでもご紹介いたしました。
(参考記事→「ジェイミーのコンサート」)
世界中で活躍されているピアニストの小川典子さんが、
14年前に始められた活動です。
~ジェイミーのコンサートHPより引用させていただきます~
ジェイミーのコンサートは、日頃様々な理由で夜のコンサート
に通うことのできない方々(自閉症児者や障がい児者と
暮らされているご両親など)を対象にしたコンサートです。
ホールで本格的な音楽を楽しんでいただくことによって
心豊かなひと時を過ごして頂き、心をリフレッシュして
いただくことを目的としています。
コンサート終了後には出演者を交えた茶話会があり、
様々な情報の交換や、出演者とお客様との親睦を深めて
いただく楽しいお時間を提供してまいります。
毎年このコンサートに行きたいと思っていましたが、なかなか…。
今回やっと行けることになり、朝からうきうきしていました。
場所は、川崎駅の目の前。ミューザ川崎です。
小川さんは英国と日本の両方でこのコンサートを開催されています。
つい数日前には、兵庫で、そのまた数日前には英国各地で演奏を
されています。
小川さんがこのコンサートを始められたきっかけは…
(こちらもHPより引用させていただきます。)
私はロンドンの下宿先で、尊く強烈な個性を持つ自閉症の少年
ジェイミーと2年間、一緒に生活をしました。
言葉を用いず視線も合わせないジェイミーですが、家族の
構造を熟知し母親を特別な存在として認識し、母親ジャニス
の精神状態を鏡のように映しかえしていました。
ベビーシッター制度のない日本では、夜に行なわれる音楽会
には出掛けにくい状況の方が多いに違いありません。
そこで、尊い個性の子供たちとの生活を極められている
お母様方を中心に、密度の濃い第一級の演奏を就学時間内
に開催したいと考えました。
おしゃれなひとときを演出できれば、と思っております。
特別講演をされた川崎市自閉症協会会長の明石洋子さん。
息子さんの徹之さんは、日本で初めて公務員として働く自閉症者
でいらっしゃいます。
以前、講演を聞かせていただき、また御著書を拝読しております
ので、ここでまたお話が聞けて嬉しかったです。
お元気そうなご様子、変わらず生き生きとお話されるお姿を拝見し、
お話にも感動しました。
今回は、いわゆるクラシックの名曲を~ではなく、現代音楽です。
日本の気鋭の作曲家の作品による、本格的かつ刺激的な内容。
非常にチャレンジングだと感じました。
ものすごく難易度の高い、しかも素晴らしい完成度の演奏に…
圧倒されました。
でも不思議ですね、とても温かみのある音。
現代音楽であろうがなんだろうが、その演奏家の生き様と言い
ましょうか、その方の心根が音に反映するものだと感じます。
ピアノのためのポリ・エチュード《ノンポリ》は、ショパンの名作
が4段階に変容していくのですが、非常に興味深いものでした。
浜松市国際ピアノコンクールの第2次予選の課題曲でもある、
イルミネイテッド・ベイビーも超難曲!
これを短期間でものにしてしまう、小川さんの演奏力は…
ものすごいと感じました。
天使の梯子は、ピアノとパソコンを同期させて、即時にさまざま
な音を加えて効果を得るものでした。
かの武満徹さんも「面白い!」と大絶賛された作品だそうです。
しかし…これまた面白いけれど、難解な作品で。
ご自分のピアノの音に加えて、風のような音や、光のかけらの
ような音が混じって聴こえるのに、どうして流れを止めずに
演奏できるのかすごく不思議でした。
小川さんの頭の中は…一体どうなっているのだろう。
なんという強さ、なんという柔軟さ。
小川さんが、音楽会としても一流のものをご提供したいと
おっしゃる意味が、そして音楽関係者でなくてもみんなが感動
する、その意味が少しわかった気がしました。
会場のみなさんのご質問に応えられる小川さん。
とても丁寧に、ときにユーモアを交えて、温かなまなざしとともに
お話くださいました。
「私は、ジェイミーにとても興味を持ったのです。
なぜなら彼はとても魅力的だったからです。」
このコンサートを英国で最初に立ち上げようとしたとき、
英国の自閉症協会(のような場所)にこういうコンサートを
したいのですと話をしたらば、”それに何の意味があるのか?”
と冷たく返されたそうです。
音楽が何の助けになるのか、その方には理解できなかった
(あるいは想像できなかった)のでしょう。
悲しいことです。小川さんが一番悲しかったことと思います。
そこからこうして、英国・日本各地でのジェイミーのコンサートを
多くの人に喜ばれるまでに成長させた中には大変なご苦労も
おありだったのではないでしょうか。
通常コンサートやリサイタルは夜に行われます。
マチネー(昼間の公演)は少ないですね。
演奏家にとって、ゲネプロ・リハーサルも含めての演奏会です
から、夜に行うのがやはりベストであると。
しかし、このコンサートはあくまで私たち自閉症児・者の親の
ためのものですから、なんと10:30会場、11:00スタートなのです。
小川さんの演奏は超一流ですのに、私たち中心に全て考えて
くださっています。なんともったいないことでしょう。
ジェイミーの大好きなビスケット。
これは小川さん自ら英国から持って来てくださったものです。
遠い遠い国に住む、青い瞳のジェイミーと、ママのジャニスに
思いを馳せました。
左の方がイルミネイテッド・ベイビーの作曲者、山根明季子さん。
中央は、天使の梯子の作曲者、菅野由弘さん。
この会場で講演と演奏を聴いた全ての人が、幸せなひとときを
過ごせました。
小川さん、明石さん、川崎市長さん(市長さんもコンサートを
聴かれました)、素晴らしい機会をありがとうございます。
実は小川さんは、私の娘Jのことを知り、ジェイミーのママである
ジャニスさんとご縁をつないでくださいました。
私では想像ができなくらいお忙しくていらっしゃるのに、なんの
てらいもなく、自然に話しかけ接してくださいます。
小川さんの演奏だけでなく、そのお人柄に胸を打たれた一日でした。
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
いつもお読みくださいまして、ありがとうございます。
一日一回クリックしていただけると嬉しいです
ブログランキングに参加しております
応援ありがとうございます
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
こちらはレッスングッズのネットショップです。
おかげさまで取り扱いの数は13種類となりました。
講師のみなさまのお役に立てましたら幸いです。
やすこ先生のお店
ぜひ一度お訪ねくださいね
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
教室についてのお問い合わせはHPからどうぞ
こちらから
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚