笑わない入居者さんがる
その人は俺が入る前から全く笑わなかったらしい
入社してすぐ、俺はその人を担当することになった
その人は「レビー小体型認知症」と言って、認知症の中でもごくまれなタイプだ
認知症の症状に加え、パーキンソン病、うつ病などに似た症状も引き起こす
パーキンソン病に似た症状がでるため、顔面の筋肉がひきつり、笑顔が見られないのも特徴の一つ
一つのものに執着する傾向があり、その事になると他の会話が耳に入っていかないということもある。
夜…
その人が失禁していたため、全更衣した
タンスの中に華やかなものがあったのでそれを着てもらった。
その時珍しくその人は
ありがとう
そう言った。
一時して訪室すると、上着を脱いでいた
「どうしたんですか?!」
そう聞くと
「男の人は何も考えとらんね」
そう言って………
笑った
笑顔がでないはずのその人が
笑った
「こんな華やかな服を姥が着てもなーんもならん」
そう言ってまた笑った
「似合ってますよ~!たまにはきれかともよかじゃないですか~?」
そう言って笑いかけると
「ハハハ!…バカな姥と思われるたい」
また………また笑った
今日は俺も笑顔が止まらなかった!!
こんな嬉しすぎる出来事、そうない!
そして思った。
俺はこのために頑張ってるんだって!
この一瞬のためにこの仕事を続けられるんだって!!
…これからも
みんなの笑顔を引き出す
そんな介護者でいよう